『オレが死んだら、80年代に灰を撒いてくれ』デイヴィッド・リー・ロス

2017年4月3日音楽

80年代の面白さって、当時を実際に経験した人でないと分からないでしょうね。

私も、世の中全体のバブリーな風潮はあまり好きでなかったけど(とりわけ恋愛に関しては)、音楽、映画、漫画、小説、舞台、TVコマーシャルから「2時のワイドショー=辻本源治郎センセイの心霊写真特集」に至るまで、カルチャーの部分は最高に楽しかったです(和洋問わず)。

それを言うと、「若い時代の思い出だから」という人もありますが、70年代初めからオタクな世界にどっぷり浸かってきた私としては、やはり70年代後半から80年代にかけてのカルチャー百花繚乱の時代は、パワーも才能も、今とは圧倒的に異なるように感じます。

洋楽に関しては、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーン、KISSあたりが70年代に蒔いた種を、80年代に入って、その弟分が一気に花咲かせた感じ。

経済に勢いがあったから・・というよりは、みなが創ることに貪欲でした。

とにかく良質で、面白いものを創ろう。

ファンがあっと腰を抜かすような、新しいものを見せよう。

そのモチベーションが今とは全然違ってたし、またそれが自由に受け入れられる時代だったとも思います。

誰かがうっかりしたことを口にしても、ネットで一斉に叩いたり、作品を揶揄したりせず、「それはそれ、これはこれ」で、いちいち人の言動や振る舞いに神経質にならなかったしね。

全体に見て、すでに「新しいもの」は出尽くして、そこから脱却しようと試行錯誤してるのが現在かな、という気がしないでもないです。

最近は、何を見ても過去の作品の焼き直しだし、新しい作風に挑戦しようとしているのだけども、どこか遠慮し、腰が引け、考えすぎているような印象もある。

あまりに計算が細かくなり過ぎて、その分、大胆に造形できなくなった部分もあるかもしれない。

常に既視感を覚えるのも(音楽にしても)、「現代のアーティストに才能がない」というよりは、今までに全部出尽くして、受け取る側の目も耳も肥えてしまっている・・というのが大きいでしょう。(騙されるのは、そこまで至ってない若い世代だけ)

でも、何か新しいものに挑戦したくても、どこの世界も「無料文化」が完全に根付いてしまった今、歩みが鈍ってしまう作り手の立場も分かります。

また、反面、音楽でも映像でも、誰もが気軽に発信できるようになったメリットもありますし、今は本当に過渡期ですよね。

この先、どこに着陸するのか。

ただ一つ、はっきりしてるのは、今後十年もハリウッドのリメイクブームは続くであろう、ということ。

『マッドマックス 怒りのデスロード』のように、看板役者を挿げ替えて、リライト的に作品の手足を伸ばしていくやり方です。

*

そんな中、Spotifyの「ジャンル」に、『sprinkle my ashes over the 80’s』というプレイリストを見つけました。

なんのこっちゃと思ったら、ヴァン・ヘイレンのデイヴィッド・リー・ロスの言葉なんですね。

オレが死んだら、80年代に灰を撒いてくれ

When I die, sprinkle my ashes over the 80’s

When I die, sprinkle my ashes over the 80's. - David Lee Roth

どういう流れでこの発言が出たのか、詳しいことは分かりませんが、Spotifyにも出てくるということは、音楽ファンの間では有名な言葉なのでしょう。

でも、気持ちは分かるな。

どうせなら、私も一緒に撒かせてくんない?

君と一緒に灰になれるなら、いつ死んでもエエわ。

どうせ、この先、生きてたって、『Hot for Teacher』に勝るほどパンチのある曲に出会うこともなかろうし。

あの世でフレディ・マーキュリーやスティングのライブが聴けるなら、喜んでそっちに行く♥ (スティングはまだ死んでないけど)

ある意味、「70~80年代カルチャー最高」と思ってると、未来に何の未練もなくていいですよね。

少なくとも、私が生きてるうちは、寺山修司、竹宮恵子、山岸涼子、レッド・ツェッペリン、ポリス、、、他にも書き切れないぐらいあるけど、あれを超えるものは出てこないだろうから。

んー、でも、この先、また目からウロコな人が出てきて、自分がいよいよ息を引き取る時に新作とか発表されたら、それこそ死んでも死に切れんかもさ(笑)

ともあれ。

君に出会えて、よかったわ。

デイヴィッド・リー・ロスに限らず、本当にいい音楽を聴き、漫画を読み、小説を読み、舞台や映画を目にし、好きな絵に海を越えてわざわざ会いに行き・・

この世に生まれて本当に甲斐あった、と思えるような、思い出しかない。

だから、一緒に80年代に灰を撒いて。

David Lee Ross & Marie

なんちゃって。

*

ちなみにSpotifyのリストに収録されているのは、Just A Gigolo

これも、洋楽ファンなら一度は耳にしたことがある大ヒット曲。脳天気なメロディが妙に心に残ります。

そんでもって、私のお気に入り。

上記のHot for Teacher をはじめ、Jump、Panamaなど、名曲揃いです。

日本で再生できるか分からないけど・・