「保育園の隣に住むのは発狂レベルの騒音だった」という話

2017年11月15日

最近、保育園や幼稚園を作りたくても、近隣住民に反対され、園の庭を半地下にしたり、民家に面した方向には窓を一切作らなかったり、園側の費用負担で民家に防音窓をつけたりすることもあるそうです。

私も幼稚園の真隣(壁の間=2~3メートルほど)に住んだことがあります。

それはもう「うるさい」なんてもんじゃない、発狂レベルの騒音でした。

私の場合、アパートの方が新築で、幼稚園の方が先に在りましたから、決して被害者ではないのですが、それでも耐えがたい苦痛でした。

そのアパートは間取りが広くて快適な上、家賃も安かったことから入居を決めたのですが、契約時、不動産の担当さんに「幼稚園の真隣ですよ、本当にいいんですね、1000円高くてもいいから、西側の部屋にしませんか、ほんっとに後悔しませんか」と何度も何度も念を押されたにもかかわらず、

「子供の声ぐらい平気ですぅ。それに平日の昼間は仕事に出てますしぃ」

という理由で、契約しました。

年額1万2千円の差額をケチったが為に、地獄のような苦しみを味わいました。

なんと会社の都合で、土日=勤務、平日=休み、のシフトになってしまったのです。

平日の幼稚園。

「うるさい」なんてもんじゃない。

ほんっとに発狂レベルでした。

朝は午前八時前から教室の窓全開でキッズ音楽の大放送。

子供が登園する頃には ドォォォォォォン と、子供が高い所から飛び降りる音。

ギャーーーッ、ウェェーーーーーーン。

泣き声や叫び声も半端ないです。

10時になれば、先生のピアノに合わせて大合唱。

その次は、ダンス。

私の部屋はフローリングでしたから、ローソファーに座っていても地響きのような振動が伝わってくる。

そして、ようやく園児が帰ったと思ったら、今度はママさんコーラス!

それも夜九時頃まで、窓全開で、ピアノ演奏に合唱。

二ヶ月ぐらい我慢してましたけど、三ヶ月目に耐えきれず、引っ越しました。

窓を閉め切っても、「ドォォォォン」「キャハハハーーーーーッ」「ドレミファソラシドォ~~」。

春のお天気日和、こちらも窓を開けて風を入れたいのに、あまりのうるささに窓が開けられない。

夜ぐらい、ゆっくりご飯を食べたくても「ドレミファソラシドォォォォォ~」。

食欲も失せますよ。

でも、私の場合はウルサイと知りつつ入居したわけですから、「イヤなら引っ越して下さい」。

だから、出ました。

敷金の差額や引っ越し代、等々、トータルで30万ぐらい損しました。

それでもお金に換えられませんでした。

毎日毎日、子供の叫び声やピアノの音やママさんコーラスを聞かされて、ほんとに気が変になりそうだったからです。

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私が出た後どんな風になったか、時々様子を見に行きましたが、ベランダの窓にはずっとシャッターが降りたまま、3年間、誰も入居せず。

その後、その町を離れたので、最終的にどうなったかは分かりませんが、あんな部屋、誰も住めないと思います。本当に。

*

なので、騒音に苦しむ近隣の人の気持ちは非常によく分かります。

「子供にやさしくない」と批判する人もありますが、だったら幼稚園の真向かいや真隣に住んでみて下さい。

きっと三ヶ月で嫌になると思います。

平日ずっと、朝から夕方まで、子供の泣き声や叫び声、ピアノ、ダンス音楽、太鼓の音などが大音量で響き渡る所で、快適に暮らせる人など皆無だと思います。

文句も言わずに住み続けているとしたら、「適度に離れている」「大音量でキッズソングや楽器演奏をしない(許容範囲の音量)」「園の周りで立ち話や迷惑駐車がない」「園と良好なコミュニケーションが図れている(「すみません」「おたがいさま」の関係」だからでしょう。

園の騒音で本当に苦しんでいる人の立場から言わせてもらえば、「生活上の騒音」は子供の権利や福祉を守ることとは別問題です。

思いやりや社会への配慮で、窓を閉め切っても部屋の中に響き渡るピアノやキッズソングが快適に聞こえるわけではありません。

近隣住民にも静かに暮らす権利があるのです。

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これは外国の話になりますけど。

こっちの保育園も幼稚園も、それはそれは静かです。

集合住宅のど真ん中や、新興住宅地の隅っこに幾つも建っていますが、「えっ、こんな所に園があるの?」というぐらい静か。

ちゃんと園庭もあるし、ダンスやコーラスもあるけど、日本のように騒音、騒音と問題になることがない。

なぜか?

まず第一に、建物の構造がまったく違います。

こちらはマイナス20度の極寒期に備えて、ビルもマンションも一般家屋も「70センチ前後の分厚い外壁(煉瓦もしくはコンクリート)」「極めて気密性の高い二重ガラス窓(分厚いガラス板が二重にはめこまれ、窓枠も1ミリの隙間なく、分厚い木材が張り巡らされている)」が基本です。

窓を閉め切れば、外の音はほとんど聞こえないし、また建物の中の音が外に漏れることもありません。

その点、日本はツーバイツーのようなパネル工法の家屋が多いし、床も薄いパネルにマット材を敷き詰めたようなペラペラのものが多く、平素から音が響きやすいです。窓のサッシも軽量タイプで、ガラスは一枚、外壁も薄いですよね。

床に落としたスプーンの音、椅子を引く音、ドアを開く音、洗濯機がガタゴト回る音、全部、筒抜けでしょう。

下手すれば、隣の人がオシッコする音まで丸聞こえ。(幼稚園の隣のアパートがそうでした)

こちらで保育園や幼稚園の騒音がほとんど社会問題にならないのは、建物の遮音性や防音性が半端なく高いからです。

春夏期は窓を半開してオルガン演奏やダンスもやりますが、ガンガンと外に漏れ聞こえることがありません。

そしてまた、近隣の家屋も防音性の高い家に住んでいますから、風にのって聞こえる程度のダンスや笑い声は苦痛にならないんですね。

園の騒音は、建物の構造や間取りを工夫することで軽減できると思います。

防音の費用が高くつくなら、それこそ社会支援の一環として公が一部負担すればいいんじゃないでしょうか。

「子供は宝」「社会に必要」で、一方的に近隣住民に理解と忍耐を求めれば、摩擦が生じるのは当たり前です。

嫌なら引っ越せばいいと周りは簡単に言いますが、持ち家の場合、住宅ローンを抱えていたり、家族の仕事や通学に差し支えたり、単身者がアパートを移るようなわけにはいきません。

騒音って、本当に、心身ともに蝕みます。

苛立つあまり、包丁片手に園児に襲いかかる人もあるかもしれません。

騒音に対する苦痛は、社会論や精神論で緩和される問題ではないからです。

園の関係者も、園の音がどれぐらいウルサイか、苦情を言ってくる人の家に二週間ほど住んでみて下さい。

そうすれば、どう対処すべきか、方策が見えてくると思います。

あそこまで大音量でキッズソングやピアノを流す必要があるのか。

「子供がかわいそう」というなら、心拍上昇や不眠、吐き気などに悩まされている住民の苦痛はどうなるのか。

*

「今度の日曜日、運動会を開催します。大音量でご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

「騒音や迷惑駐車などでお困りのことがございましたら、いつでもお知らせ下さい」

そんな通知を個々のポストに投函するだけでも、ずいぶん印象も違ってくると思います。

その「気遣い」を、「冷たい社会の被害者」と考えるか、「共に生きてゆくための努力」と考えるかで、地域の受け止め方もまったく異なるのではないでしょうか。

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参考URL
毎日新聞『騒音:「保育園の声うるさい」近所の男性が提訴 神戸』より

保育園は神戸市が認可し、2006年に開園。訴状によると、男性は保育園の北約10メートルに居住。「子供らの声や太鼓の音などは騒音で、神戸市が工場などを対象に定めた規制基準が保育園にも適用されるべきだ」と主張する。

更に、この地域の基準60デシベルを超える70デシベル以上の騒音が発生し、家族の会話やテレビ、ラジオを聴くのに支障が出ると訴えている。05年7月に開かれた近隣住民への説明会以降、男性は騒音対策を求めてきたが取られていないという。
ハフィントンポスト

保育園側は毎日新聞の取材に対し、「窓やカーテンを極力閉めるなどの配慮をしている。高い防音壁で囲むのは子供や近隣の方にとって健全な姿とは思えない」と説明しているという。

Gallery

海外の事例を引き合いに出しても意味ないですけど、一応、参考に。

一般的な家屋の壁と窓の厚さ。締め切ってしまったら、音はほとんど聞こえないし、外にも漏れない。

日本の標準的な窓と、根本から作りが違います。
ガラスは二枚重ね、隙間を完全に密閉して、空気の漏れを防ぎます。
夏は冷房いらず、冬は少しの暖房で、ぬくぬくです。(冬の平均気温 零度~マイナス10度)

基本的な家屋はすべてレンガ造り。防寒 >>>>>耐震 です。地震が無いからね。
壁にこれだけの厚みがあるので、町中でも日本ほど騒音で悩むことはないです。
大通りに面していても、窓を閉め切ってしまえば、どこの別世界というほどの静けさです。

住宅街や集合住宅のど真ん中に保育園や幼稚園が作られますが、騒音が社会問題に発展することは無いですよね。
理由は、

・園庭や園内で、大音量でキッズソングを鳴らさない
・遅くても、夕方5時には閉まる(夜間にママさんコーラスはしない)
・園内や園の周囲で、大人が大声で立ち話したり、車で道路を塞いだりしない(すみやかに帰宅)
・屋外でのイベントが年に一回ぐらい(キッズパーティー)
・屋外で、楽器演奏、行進、運動会、BGM付きのゲームなど、音量の出る遊びをしない。

最近では、大型マンションの一階に小型の保育所がオープンするケースも増えてきました。
外遊びは公団の中庭の公園を利用するので、そこまで拘りはないです。

基本的に「そんなに子供の外遊びが大事なら、保育時間が引けてから、パパとママが公園に散歩に連れ出せばいい」という考えがあります。(保育園の義務ではない)
それも「パパが定時には帰ってくる」「サマータイム制で、春夏秋と日照時間が長い」という社会の背景があればこそですが。
ちなみに、夕暮れの公園は、子供連れのパパがいっぱい。(嫁は片付けや買い物に忙しい)
でも、一緒にサッカーしたり、サイクリングしたり、楽しそうですよ。

見た目は悲惨な感じですが、内装は素晴らしく可愛かったりします。

内装にお金かけてる施設もあれば・・

古くなった公団住宅の低層階をぶち抜いたり、市の旧事務所を改装したり、あの手この手でスペースを再利用。
狭いながらも、いろいろ考えて、一所懸命に取り組んでおられます。

中でどんな事をやってるかというと、アーティスティックなイベントが多いです。
地元の劇団員が寸劇をしたり、オーケストラの楽団員がクラリネットの演奏をしたり、工作と読書が中心。
最近では2歳児のクラスから英語を取り入れている所も多いです(安価な公立の保育園でも)

こんなのも職員の手作りです。

職員に、なぜ、これだけの余裕があるかといえば、

・保護者が理不尽な要求をしない(保育料以上のことを施設や職員に期待しない)
・報酬は別として、社会的には敬意を払われている
・不満があれば、その場で解決(保護者会が終わってから、トイレやSNSでぐだぐだ悪口を言わない)
・保護者会にはパパも積極的に参加して(仕事は定時で終わるので)、どんな保育や幼児教育が行われているか、ちゃんと把握している。男性側からの意見も活発なので、保育園がドロドロの女社会にならない。

保護者と職員間に、1対1のイーブンな考えがあるので、奴隷のように卑屈になることはありません。

職員の自尊心が高く保たれるので、多少、給料が安いという不満はあっても、仕事として続いていくのです。

Posted by 阿月まり