初めての超音波検査

2017年9月15日子育てコラム

2003年12月14日。
あの日は、「We got him」のニュースに世界中が注目していた。
(サダム・フセインが米軍に捕らえられる)
それで世界が変わるわけではないけれど、歴史の一つの節目には違いなかった。

だけど、私たちにとって、より重大なニュースは、ユキの存在を確認した事だった。
超音波検査の黒いモニター画面に、空豆みたいな身体がピクピク動いているのを見た時、何か素晴らしいものを与えられたような気がして、胸がいっぱいになったものだった。

だけど、その感動も、時間と共に厳粛なものになり、家に帰り着く頃には、彼も私も無言になっていた。
脳天気に喜ぶにはあまりにも責任が大きくて、今後、十年、二十年の遠い将来を考えると、肩にずっしりのしかかるものがあったからだ。

そうして、家に帰り着いてから、二人とも疲れ切ったようにソファに横たわり、TVのスイッチを入れたら、「We got him」のニュースに湧いていた。

We got him。
私たちもまた、『彼』を得て、一つの節目を迎えようとしていた。
それが幸せなのか、試練なのか、どう受け止めていいのか分からない中、ただ一つ、痛切に感じたのは、「産むからには、責任をもって『人』にしてやらなければならない」という事の重みだった。

生きていくことは決して楽ではないけれど、全力で取り組む価値がある。
そして、競争や復讐や妬みやひがみなど、誤った物の考えに取り憑かれさえしなければ、人生はいくらでも幸せなものになるのだという事を教えてやりたい。

それだけ悟ってくれれば、後は何も言う事はない、と心の底から思った。
ただ一つ、幸せな物の考え方を身に付ければ、それだけで一生、満ち足りて行けるのだから。