フランス ~恋の詩~

2017年1月9日書籍と絵画, 詩心と哲学

夜のパリ

三本のマッチ 一本ずつ擦る

夜の中で

はじめのは きみの顔を隈なく見るため

つぎのは きみの目を見るため

最後のは きみのくちびるを見るため

残りのくらやみは 今のすべてを想い出すため

きみを抱きしめながら

– ジャック・プレヴェール –

unknown1

階段を半分降りたところ

階段を半分降りたところに
あたしの坐る場所があるの

これとそっくり同じ階段は
どこにだってない

いちばん下でもないし
てっぺんでもない

だからあたしはいつでも
そこで止まって坐っているの

– A・A・ミルン –

waterhouse

ミラボー橋

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる

わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

手と手をつなぎ 顔と顔を向け合おう
こうしていると 二人の腕の橋の下を
疲れたまなざしの 無窮の時が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

流れる水のように 恋もまた死んでゆく
恋もまた死んでゆく 命ばかりが長く
希望ばかりが大きい

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

日が去り 月がゆき
過ぎた時も 昔の恋も
二度とまた帰って来ない

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

– ギョーム・アポリネール –

【黄昏~evening】

ちょっと変形した女

悲しみよ さようなら
悲しみよ こんにちは

天井のすじの中にも
お前は刻み込まれている

わたしの愛する目の中にも
お前は刻み込まれている

お前はみじめさとはどこかちがう
なぜなら
どんなに貧しい子でも
ほほ笑みながら お前を見せてくれる

悲しみよ こんにちは
ただ燃えるだけの肉体の愛
その愛のつよさ

だけどからだのないお化けのように
希望に裏切られているお前の悲しみ

美しい顔よ

– ポール・エリュアール –

waterhouse

※ いずれも図書館で借りた本から書き写したものです。本のタイトルも、訳者も全く記憶していません。あしからず。

§ 珠玉のフランス詩集

これほど美しい詩集もまたとない。
四季の叙情と愛を美しいフルカラーの写真と合わせて綴る、まさに溜め息の出る一冊。
フランスの原詩と詩人の生涯、文学についての詳しい解説もあり、「感じたい」「学びたい」方におすすめの本です。
詳しくはこちらの記事をどうぞ→饗庭孝男『フランス 四季と愛の詩』 ~詩と写真で感じる大人の絵本

ロンサール、ユゴー、ネルヴァル、ボードレール、マラルメ、ヴェルレーヌといったフランスを代表する詩人11名の作品を紹介。とりあえずいろんな詩を楽しみたい方、初めての方におすすめ。

プレヴェールの詩集もいいのがたくさんあったのですが、どれも廃刊。
今、入手できる単品ものはこれぐらい。
内容についてはこちらにレビューがあります。『
プレヴェールの詩集は図書館で借りましょう。
私も図書館で出会いました。

やっぱランボーは外せません。甘い恋の詩が好きな人にはちょっとハードに感じるかもしれないけれど、官能と情熱の詩が満載です。
参考記事→アルトゥール・ランボーの詩 / サントリーCM映像 / 映画『太陽と月に背いて』

翻訳詩といえば堀口大學の『月下の一群』に尽きる。
教科書でもお馴染みのあの名訳が存分に楽しめる一冊。

堀口に並ぶ名訳といえば上田敏。
こちらも教科書でお馴染みの格調高い作品集である。
フランスの詩的世界と日本語の美しさを同時に楽しめる必読の本。

「童話」ではあるが、様々な示唆と深い哲学性、宗教性に富んだ内容は、大人でも胸を打つものがある。
大人になってから改めて読むと、ほんと号泣しますよ。
第一集には上記で紹介した「人形姫」が収録。
子供向けに編集されたものと異なり、かなりキリスト教的な色合いが強いです。

※その他のフランス詩集は、こちらのリストをご参照下さい 

Amazon.jp フランス 詩集 タイトル一覧