27-1 子供の安全と法案 脅迫から我が子を守る

ハリネズミ

自身の事業所『ライントラスト』を立ち上げ、必死に生計を立てようとするヴァルターは、同じオランダ人のミルテ・ワーテリング夫人を紹介される。五十半ばの上品な夫人はルークのことを気に入り、ベビーシッターを引き受ける。

一方、リズは、ルークやヴァルターの事を嗅ぎ回る得体の知れない勢力に不安を感じ、ウィレム・ヴェルハーレンに相談を持ちかける。

口先だけでないヴェルハーレンの仕事ぶりに感心し、次第に心を惹かれていく。

引用

WEBに掲載している文章は『第二稿』です。書籍版とは内容が若干異なります。
「失礼、ミス・マクダエル。決してあなたを嘲るつもりはありません。ただ、あなたに、それほど思い入れのあるお友達があるとは想像だにしなかったので」
「友達ぐらい、ありますわ」
「そうですか。そう仰るなら、その通りなのでしょう。ただ、あなたは誰にでも心を開くタイプではない。いつも他人を警戒して、深く踏み込ませないようにしている。それは決して心が冷たいからではなく、『アル・マクダエルの娘』という特殊な立場ゆえと理解しています。そんな人に無二の親友が易々と見つかるとは思いません。恐らく、あなたほど孤独な人もないのではありませんか」
「……」
「決して批判しているのではありませんよ。世の中には、あなたと同じようにならざるを得ない人は少なくありません。僕の兄がその典型です。見方を変えれば、それだけ自身の立場を理解し、私よりも公に身を捧げている証です。政治家の妻になれば大成しますよ。あなたは口も堅いし、私が、私が、と出しゃばることもない。男に寄り添うだけで花になる」
「あの……」
「人生の一例ですよ。半分本気のね。ともあれ、あなたのお友達の話は重く受け止め、市議でも取り上げることにします。似たような事で傷ついている人は大勢いますから」
「なぜ彼らは逮捕されないのです」
「脅迫や強要の境界が曖昧だからです。『殺す』『辞めろ』『一千万エルクを払え』と明らかに脅しの言葉を口にすれば罪が成立しますが、『夜道に気をつけろ』『嫁に行けなくなるぞ』みたいな遠回しな表現は断罪しにくい。あなたのお友達の場合、脅した人間が『子供に危害を加える』と脅迫しているのではなく、『お前には乳飲み子があるだろう』と含みのある言い方をしているだけでしょう。こういうのは犯罪として成立しにくい。相手が『事実を言っただけ』と白を切れば、それまでですからね」

Product Notes

一口に脅し文句といっても、脅迫、強要、恐喝、いろんな区分があって、何がどう懲罰に相当するかは法的な裁量によります。

伊丹十三監督の『ミンボーの女』をご覧になると、「脅し」と「らしきもの」の狭間をのらりくらりしながら、巧妙に相手を追い詰める手口がうまく描かれています。
ここまではOKだけど、これを口にしたらアウト! 
その線引きは、こうなってるのか、と、一つの参考になると思います。

ちなみに、「ショッピングモールにある市会議員のオフィス」は我が町の市政窓口制度がモデルになっています。
わざわざ市役所まで行かなくても、ショッピングモールに設置された小型窓口でいろんな手続きが出来るようになり、本当に便利になりました。
市役所も業務集中や駐車場問題から解放され、以前よりやりやすくなったのではないでしょうか。