5-7 物流センターのアルバイト

物流センター

リズは父の勧めで宇宙港の物流センターのアルバイトを始める。

最初、リズは「無償でいい」と考えていたが、
「それこそお嬢さん芸だよ。真面目に働いている人たちに失礼だ。働いた分のお給金はちゃんと頂きなさい」
と父に言われ、賃金労働として取り組むことにする。

体力的にも大変なピッキング作業を通じて、リズはいっそう社会や自身の生き方への考察を深める。

一方、アルはヴァルターがテスト潜航を申し出ていることを知り、今更ながら娘を甘やかしてきた事を自戒する。

引用

WEBに掲載している文章は『第二稿』です。書籍版とは内容が若干異なります。
 ピッキングカートは高さ一〇〇メートル五〇センチ、横幅九〇センチの二段式のワゴンで、二つのプラスチックケースを収納することができる。
 上段にはデジタルピッキングシステムに対応した液晶ディスプレイが付属しており、コープグループのオーダーや商品の収納場所が表示されるようになっている。たとえば「ベビー・ビスケット二箱=A列23」「カロリーオフシュガー三箱=C列51」のように。商品をピックアップしたら、バーコードにそれを読み取り、オーダー内容と間違いがないか自動的にチェックする。単純な作業に見えるが、大人の背丈あるほどピッキングカートを押し、五〇メートルに及ぶフロアの端から端を歩き回り、何段もある保管棚から一つ一つ商品を探し出してバーコードで読み取る作業はかなりの体力仕事だ。
 それでも作業員の負担が少しでも軽減するよう、保管棚のレイアウトは非常によく工夫されており、オーダーされた商品の収納場所に近づくと自動的に液晶ディスプレイにメッセージが現れる。父の話では、フロアの物流設計とデジタルピッキングシステムを手がけた会社は、百貨店の流通センターなど有名企業の物流システムを数多く手がけており、元々はMIGインダストリアル社の倉庫係から出発したらしい。最終的にMIGから独立したが、「なかなか人目に付かない所にも未来の逸材はいるものだ」と父が嬉しそうに話していたのを思い出す。
 リズは二つのコープグループのオーダーを小型端末に読み取ると、早速ピッキングを開始した。
 コープグループは島の西側、古くからある団地のものだ。
 家族世帯が多いのか、細々した日用品が多く出る。中にはアレルギーや心臓病の治療食、ベビー用品や高齢者用の介護用品も含まれ、一人一人の名前と顔は知らなくても暮らしぶりが覗える。
 そうしてディスプレイとにらめっこしながら、リズはてきぱきと商品を詰めていったが、一グループ終わったところで、ダヌシェがカートの中身をちらと見て言った。
「内容に間違いはないんですけど、詰め方を工夫してくださいね。カートのプラスチックコンテナはそのままコープグループに配達されるんです。商品の形状や大きさにもよるけど、なるべく食料品は食料品、日用品は日用品でまとめた方が受け取る側も気持ちがいいでしょう。大きな物や割れ物は下側にするとか、パッケージものは隙間に詰めるとか、なるべく一箱にまとめるとか、ピッキングしながらその都度、詰め方を工夫するんですよ。こういう仕事は単純ですけど、臨機応変にやらないと効率よく進みません。それに商品の詰め方が悪いと、些細なことでクレームがきたりするんです」

Product Notes

こちらはAmazonの配送センター。決済、注文などはオンラインでワンクリックで完了しても、実際の配送は、やはり人力を必要とします。完全機械化、完全自動化にはまだまだ時間がかかりそうです。
細々したものは、やはり人手を必要とするでしょうね。

物流センター
Photo : https://goo.gl/t2ydd7

物流センター
Photo : http://kingakasperek.pl/amazon-zawita-do-polski/

ウォールのPhoto : http://f.hatena.ne.jp/jaumajimura/