曙光 Morgenrood

第1章 運命と意思

-ローエングリン-

治水と堤防管理 数千年に一度の水害に備えて

Introduction

年々、深刻化する異常気象や水位上昇を前に、グンターと治水研究会は締切堤防の補強工事を進言するが、自治体は川向こうの可動式大防潮水門の整備を優先し、補強工事は後回しにする。
一方、ヴァルターは勉強にサッカーに調子づき、母親にも反抗的だ。これからいっそう教えと励ましが必要な時に、未曾有の大洪水がフェールダム一帯を襲う。

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Quote

 グンターは上級技師の試験に合格し、治水局でも立案を司るワンランク上の職務に昇級した。治水研究会でも地元の有識者や土木技師らと連携し、中心的な役割を担うようになっている。
 関係者の目下の懸念は、ここ数年の異常気象と、フェールダムの生命線とも言うべき締切堤防の老朽化だ。
 以前からフェール塩湖や河川の水位上昇が指摘されてきたが、ここ数年の突発的な集中豪雨と潮位の異常はネーデルラント南部に限ったものではなく、近隣諸国でも問題視されている。
 フェール川河口に締切堤防が築かれてから、はや四世紀。幅一七〇メートル、全長三キロメートルに及ぶ頑丈な作りだが、最後に大規模な補強工事が行われてから八十年以上が経過し、その間にも河川や気象は大きく変化している。締切堤防だけでなく、沿海の盛土堤防や町中の排水施設も同様だ。
 とりわけフェールダム北部沿岸の盛土堤防のように、七世紀も前に造設され、何期にも分けて盛土を施したような旧式の堤防は、定期的に補強しないと想定外の水害を引き起こす恐れがある。
 高潮で盛土堤防が越水し、干拓地に大量の海水が流れ込んで、塩湖や町中の運河の水位が一気に上昇すれば、頑丈な締切堤防も非常に危険な状態になる。これに高潮が加われば、幅一七〇メートルのコンクリートダムでもひとたまりもないだろう。
 また干拓地そのものも自身の重みで年々地盤沈下しており、フェールダム一帯の治水能力が落ちているのは明白だ。一刻も早く計画高水位を見直し、各施設の補強を急ぐ必要がある。
 治水局でも政務担当官らが第二次デルタ計画の準備委員会に加わり、問題点の整理や計画立案に当たっているが、大都市の高機能堤防のように、幾つもの河口に跨がって築堤されている重要施設ばかりが優先され、フェールダムのような人口七千人の干拓地の盛土堤防や、中規模な締切堤防は後回しにされがちだ。また五年後にはフェールダムの東側にある可動式大防潮水門で国際自転車競技が開催されることもあり、州やイベント関係者としてはそちらの改修を急ぎたい。  先日も、自治体の代表や専門家を交えて話し合ったが、結果は何時もと同じだ。七千人が暮らす干拓地の安全より、数日で終了する自転車競技の方が重要だとでもいうのだろうか。
 そんなグンターにカールスルーエの父が言う。
「まだ引っ越す気はないのか」
「それは無理だよ。ヴァルターもサッカー仲間と楽しくやっているし、僕とアンヌも地域社会との繋がりが深まって、ようやくこの町の一員になれた手応えを感じているところだ。懸念は分かるが、そんな簡単に住まいは移せない。ヴァルターも嫌がるだろう。治水のことは皆で力を合わせてやっている。ある程度は予測も立つし、いざとなればカールスルーエに避難することもできる。もう少し様子を見たい」
「それと同じことを、火砕流で埋まった町の住人も言っていた。今すぐ大噴火など起こりっこない、ある程度の予測は立つはずだと。だが、人間が予測できる範囲は限られている。まして水や火を完全にコントロールすることは不可能だ。水位が急上昇し、ひとたび越水が始まれば、何所にも逃げようなどないんだよ」

*

 十月の湿った風が吹き付ける中、グンターが砂浜に腰を下ろすと、ヴァルターもその隣に座った。   フィールドでは若獅子みたいに勇壮でも、その横顔はエクス=アン=プロヴァンスの母親に似て繊細だ。どれほど強がっても、傷つきやすい性質が簡単に変わるはずがなく、いつかそれが鋼のような利かん気を真っ二つに折ってしまうのではないかと気が気でない。

--中略--

「お母さんに細かく言われるのを負担に感じるなら、丁寧に説明すればいいだけの話だ。『ごめんね、急いでたんだ』『ここからは自分で出来るから、お母さんは手伝わなくて大丈夫』。優しい言い方はいくらでもあるだろう。相手の気持ちも考えずにクソと言ったり、わざと嫌がることをするから、お母さんも余計で気に揉んで、君の振る舞いに敏感になるんだよ。君はジョークのつもりかしれないが、少しも笑えない。お母さんには何をしても許されると思っているとしたら、それは甘えだよ」
「甘えてなんかないさ」
「いいや、甘えてる。君が自覚しないだけで、幼子みたいに甘えてるんだよ。お母さんは優しくて忍耐強い。お前のことも必死で受け止めようとしてる。それに胡座をかいて、好き勝手してるだけじゃないか。そんな振る舞いは二歳児と同じだよ」

--中略--

「どうしてなんだ、ヴァルター? 君は最近、羽目を外し過ぎだぞ。何でも一人で出来るようになって頼もしい反面、不安でもある。カールスルーエのお祖父ちゃんも、いつも言ってるだろう。恐れを知らないジークフリートが火の山に登れば、現実には大火傷をするだけだ、実際、自分の知識や経験を過信して、山で命を落とした科学者や登山家は大勢いると。サッカーでも勢いだけでは決してライバルに勝てないぞ」
 ヴァルターはしばらく黙っていたが、
「時々、自分がひどく無力に感じるからだよ」
と答えた。
「どうして?」
「俺、知ってるんだ。春から夏にかけて、父さん、ずっと怒っていただろう。堤防の補強工事が延期になった話だ。父さんは何も言わないけど、俺には痛いほど悔しさが分かる。なのに俺は何の力にもなれない。そんな自分に腹が立つからさ」
 グンターは春先に締切堤防の補強工事を反故にされた件で、治水局の上役や自治体の議員と激しくやり合った経緯を思い返した。
 家の中では冷静にしていたつもりだが、やはり声や表情に強く表れていたのだろうか――。
「俺も三つ四つの子供じゃない。父さんが心を傷つけられて、何かに憤っていることぐらい、すぐに分かる。でも、父さんは自分の中でじっと我慢して、母さんにも本当のことは半分も話さない。不安にさせちゃ駄目だ、しっかりしなきゃと自分に鞭打って、何もかも背負うとする。でも、俺だって、もう中学生だぜ? いつまでも揺り籠のシュシュ(きやべつちやん)じゃない。掃除も、自転車の修理も、簡単な料理だってできる。この前の強化合宿も一人でベルギーまで行ったじゃないか。なのに何も相談してくれないなんて、俺のこと、ちっとも信頼してない証拠だよ」 
 そんな風に考えていたのかと、グンターは少々ショックだ。生意気に口答えしたり、鉄砲玉みたいに遠くに出掛けたり、もう親のことなど、どうでもいいのかと思っていた。
「早く大人になりたい。大人になって、父さんを助けたい。いつまでも幼子みたいに庇護されるのは嫌だ。早く社会に出て、俺にも何かを成す力があると実感したい」
「それなら、人間として必要なことをしっかり身に付けてからだ。優しさ、礼節、協調性。それらを欠いて、どうして信頼に足る大人になれる? いくら勉強ができても、サッカーが上手でも、女の子を粗末に扱い、お母さんにクソと言うような男では、とても仕事のパートナーなど務まらない。むしろ僕の負担を増やすだけだ。君の気持ちは嬉しいが、今は自分の為すべき事に専念しろ。勉学、スポーツ、読書、社会奉仕。やるべき事はたくさんある。そして、今度お母さんに下品な口を利いたり、野卑な真似をしたら、僕が許さない。分かったね」
「……分かったよ」
 ヴァルターはふてくされたように答え、手元の石を波間にチャポンと投げた。
 石は幾つもの水紋を描き、ゆっくり水の底に沈んでいった。
「ねえ、父さん。『リング』はいつ描くの? 俺が中学生になったら、GeoCADで一緒に描く約束だろ」
「そうだったね。僕も自分の仕事で頭がいっぱいで、まったく考えてなかったよ」
「新しいPCが欲しい。子供用じゃなくて、大人が使うラップトップだ。ソフトもGeoCAD Junior じゃなくて、もう一つ上のランクを使いたい。そうすれば、きっと思う通りのリングを描ける」
「そうだね。もうJunior版では物足りないだろうね」
「俺、いつでも頭の中にリングがあるんだ。堤防のこと、くにづくりのこと、父さんがいっぱい教えてくれた。言葉で説明しなくても、リングを見れば俺と父さんの理想が一目で分かる。俺はそれを一生大事にもっておきたいんだ」
「どうして」
「リングを見れば、父さんの教えを忘れずに済むからだ。いつかは俺も遠くに行くだろう。でも、リングがあれば、その中で一緒に生きていける。どれほど遠く離れても、永遠の環みたいに繋がっていられる」
「これからもずっと一緒だよ」
「そんなことはない。もし、本当にプロのプレイヤーになったら、あちこち遠征する生活が待っている。サッカープレイヤーでなくても、俺はきっとカールスルーエのお祖父ちゃんみたいに世界中を旅して回るだろう。父さんと一緒に居られるのは今だけだ。だから、今のうちにリングを描いて、それを一生の御守りにしたいんだ」
「ヴァルター……」
「俺、怖いんだ。いつかまた鼻くそみたいな自分に戻るんじゃないかって。そうなったら、今俺を認めてくれている人も、仲間と慕ってくれる友達も、皆そっぽを向いて離れていく。もしレギュラー落ちして、お前は使い物にならないと見捨てられたら、きっと死ぬほど辛いだろう。俺、自分でもよく解ってるんだ。父さんも母さんもいなくなったら、本当はとても弱い人間だってこと……」
「そんなことはない。君は強いから、オステルハウト先生の教室に二年も通ったし、クラスメートに苛められても、仕返したり、ひねくれたりせず、真っ直ぐに育ってきた。君が本当に弱い人間なら、勉強もサッカーもとっくに諦めて、友達の悪口だけ言ってるよ。努力しても無駄だと世間に毒づきながら。この先、どんな辛い出来事があっても、君ならきっと乗り越えられる。Luctor et Emergoのモットーのように、何度でも水の底から立ち上がり、素晴らしい人生を掴むだろう。今はまだ世の中のことも人間のこともよく知らないから、不安に思うだけだよ。だが、それもよく学び、物事を正しく理解する英知を身に付ければ、些細なことに動じなくなる。試験やサッカーの結果に一喜一憂するのではない、どんと心に根を張った、本物の強さだ。僕はね、照れ隠しにお母さんに悪態を突いたり、練習中でも虚勢を張ってる君より、こんな風に自分の不安や葛藤を打ち明けてくれる君がとても好きだよ。いつかは大きく成長して、世のため人のために尽くす英傑になるのではないかという予感もある。様々な出会いを通して、心の目が開けば、きっと今の悩みなどちっぽけに感じるよ。僕が初めて締め切り大堤防(アフシユライトダイク)を目にした時のように」
「父さん、俺のこと見ててよ。……ずっとだよ」
「もちろんだよ」
 グンターは息子の肩を抱き、ヴァルターも父親の肩に軽くもたれた。
 この世でもっとも愛しい温もりが胸に広がり、生への願いがふつふつと湧いてくる。いろんな出来事があったが、今ほど命の貴さを感じた瞬間もない。何度生まれても、どのように生きても、この出会いに感謝し、生きる悦びを謳うだろう。

Es lohnt sich auf der Erde zu leben: 
地上に生きることは、かいのあることだ。

Ein Tag, Ein Fest mit Zarathustra lehrte mich die Erde lieben.
ツァラトゥストラと共にした一日、一つの祭りが、わたしに地を愛することを教えたのだ。

`War _Das_ - das Leben?` will ich zum Tode sprechen.
これが――生だったのか わたしは死に向かって言おう。

`Wohlan! Noch Ein Mal!`
「よし! それならもう一度」と!

*

 二月二十一日。
 二月上旬から断続的に降り続けた大雨は塩湖や運河の水位を引き起こし、人々の生活にも重大な影響を及ぼしていた。
 干拓地の四方を海と河川に囲まれたフェールダムも日に日に状況が悪化し、北海岸の盛土堤防の底部からは漏水が始まっている。
 この一週間、治水関係者のみならず、町中の男たちが力を合わせ、盛土堤防や塩湖の護岸に土嚢を積み上げたり、三角形の水嚢チューブを設置して決壊に備えているが、大型低気圧の威力は一向に衰えず、明日の夜には高潮が盛土堤防のキャパシティを超えて干拓地に流れ込む恐れがある。そうなれば塩湖の水位も一気に上昇し、幅一七〇メートルの締切堤防もどうなるか分からない。
 グンターも五日前から不眠不休で排水ポンプを取り付けたり、土嚢や水嚢を設置して必死に堤防を守っているが、水の勢いは増す一方だ。
 毎日ずぶ濡れになって帰ってくる夫の為に、アンヌ=マリーはボリュームのある料理をこしらえ、必死に心身を支えているが、その食材も徐々に店頭から姿を消し、今は小売店もスーパーも固くシャッターを閉ざしたままだ。既に住民の半分以上が避難しており、今日明日が運命の分かれ目である。

*

 その夜遅く、カールスルーエの家に到着し、ひとまず暖を得た。
 居間のTVは珍しく付けっぱなしで、義両親も憔悴しきっている。
 フェールダム及びゼーラント州沿海の大部分が浸水もしくは冠水。何千という家屋の損壊。道路の陥没。土壌流出。ガス・電気などライフラインの破損など、時間が経つにつれ、甚大な被害が浮き彫りになる。
 翌朝、フェールダムの湖畔で、カーキ色の作業着を着た男性の遺体が収容された時には目の前が真っ暗になったが、それは夫ではなく、牛舎と田畑を守ろうとして逃げ遅れた農家の主だった。その他にも交通事故、落水などで死傷者が出ており、TV画面にテロップが流れる度、心臓の凍る思いがする。
 ヴァルターはずっと二階のグンターの部屋にこもりきりだ。義母がカモミールティーを飲ませ、ベッドに休ませているが、ずっと「父さん、父さん」と泣きじゃくっている。
 一方、義父はハンブルクの弟やミュンヘンの義家族と手分けして、あちこちの病院に電話をかけ、災害対策本部の公式情報を分刻みで追っているが、未だ何の手がかりも得られない。
 二日目が暮れようとした頃、ようやく治水局の同僚からメールを受け取ることができた。
 だが、それは再会の望みを完全に打ち砕くものだった。
 同僚の話では、最後まで締切堤防に残ったのは三十名。
 午後九時過ぎ、全員待避の決定が下され、体調の悪い者や高齢者から順々にミニバンで現場を離れたが、夫を含む七名が堤防に取り残され、迎えに行ったミニバンの運転手とも全く連絡が取れないという。周囲の状況からミニバンもろとも濁流に呑まれた可能性が高く、ついさっき、一人の作業員の遺体が海岸で収容されたとのことだ。
 そうして三日経ち、四日経ち、五日目の朝を迎えると、再会の願いは、指一本、髪の毛一筋でいいから取り戻したいというものに変わっていった。だが、あれから作業員の遺体が収容されたという話はなく、ミニバンの運転手も見つかっていない。
 六日目にはフェールダムの天候も回復し、水位も下がって、再び干拓地が姿を現したが、もはやそこに緑はなかった。毎日のように夫と散歩した小路も、ベビーカーを押して歩いた締切堤防の遊歩道も、牛がのんびり緑を食んでいた牧草地も、何もかも濁流に押し流され、辺り一面、大量の堆積物や瓦礫で埋め尽くされている。かろうじて水没から逃れた場所も、深刻な塩害によって、向こう数十年は草一本生えないだろうと言われ、水道、電気、ガスなどライフラインもずたずただ。
 息子にはTVもインターネットも見せず、簡単に状況だけ伝えているが、何もかも理解したのだろう。ある朝、掛け布団から顔を出して、ぽつりと言った。
「みんな流されたんだね」


Product Notes

こちらがモデルとなった締切堤防。全長三キロメートルで、海と広大な河口を完全に仕切っています。仕切った河口は、ほのかに辛い塩湖となり、ウィンドサーフィンやボート遊びのメッカとなっています。水も堤防で仕切ったとは思えないほど透明できれいです。内側には自動車専用道路が走り、沿岸の南北を結ぶ交通の要所でもあります。

オランダ 締切堤防

遠くに見えるのが防潮水門。これも広大な河口を仕切り、水位を調整しています。第一次デルタ計画で防潮水門や締切堤防が建設される以前は、しばしば悲劇的な水害に襲われました。もしオランダの排水施設が完全にストップしたら、約三ヶ月で、西側一帯が冠水するといわれています。

オランダ 防潮水門 砂浜

写真で見ても分かるように、オランダは海沿いも内地も非常にフラットです。満潮時と干潮時では、砂浜の面積が数倍も異なります。つまり、少しでも潮位が上昇すれば、物凄い勢いで水が流れ込んでくるのです。堤防や防潮水門がなければ、数十センチの潮位上昇でも、干拓地には脅威となります。1953年の大洪水の模様はこちらのサイトで詳しく紹介されています。
Josnoオランダ講座 『オランダ 1953年の大洪水 歴史の勉強をしてきました』

オランダ 海 砂浜 オランダ 海 砂浜

Nederland=低地=オランダ、その名の通り、町が水面より低い位置にあります。間近で見ると、よくこんな所に住む気になったなあ……と本気で心配します。

オランダ 堤防 Photo : https://goo.gl/ta68eH

それだけに、国中に設置された堤防も、機能、美観ともに素晴らしいものが多い。

オランダ 防潮堤防 Photo : https://goo.gl/P1CwCk

防潮堤防によって作り出された湖

防潮堤防 湖 オランダ

スヘルデ河口を仕切る締切堤防

締切堤防

堤防というのは、まさに社会の生命線です。
確かに、何年、何十年、時には何百年と、何も起こらないかもしれない。
しかし、ひとたび決壊すれば、その被害は計り知れません。
いつ訪れるか知れない、何千日、何万日かの、たった一日、あるいは一夜の為に、何億もの費用を出して、「その日」に備えるのは無駄なように見えますが、堤防が決壊すれば、それ以上のものが失われます。
今日の油断は、子孫のツケなのです。

洪水
ゲッセマネの祈り

作中に登場する『ゲッセマネの祈り』。新約聖書の中で、一番好きな場面です。

ジョヴァンニ・ベリーニの作品。天使が宙にぽわ~っと浮いた感じがポイント。左の隅っこで弟子たちがグウグウ寝ています。(人間の意思は脆い)

マンテーニャの作品は、天使が複数存在します。こんこんと諭しているような雰囲気で、ちょっと怖いです。
弟子はイエスの後ろでぐぅぐぅ寝入っています。この人間としての温度差みたいなのが味わい深いんですよね。
すぐ側にローマ兵が迫っている構図もドラマティックです。

エル・グレコはより宗教的なタッチです。天使の髪型がジャスティン・ビーバーのようだ。
中央に赤を持ってくる色使いが上手いですよね。目がその一点に引きつけられる感じで。

ゆえに、その後の十字架を運ぶキリストの顔が際立って見えます。決意した人間の美しさとでもいうのでしょうか。

聖書も山のように種類があるのですが、私のオススメはこれ。翻訳が堅苦しくなく、文学のような作風です。

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