4-1 ローレンシア島と工業港

工業港

不思議な運命の巡り合わせでアステリアにやって来たヴァルターは、アステリア産業の拠点であるローレンシア島の工業港を目にし、予想以上に開発が進んでいることに驚く。

専務のセス・ブライトから、MIGとエンタープライズ社の資本関係などを聞くうち、すでに特殊鋼の分野で立派な業績を上げ、不動の地位を築いているにもかかわらず、なぜ最もリスキーな海底鉱物資源の採掘に乗り出すのか問いかける。

その後、アル・マクダエルの右腕、セス・ブライト専務の案内で『アステリア・エンタープライズ社』を訪ね、しばしの休息を取る。

だが、活気のある風景とは裏腹に、彼の心はいまだ投げやりだ。

引用

WEBに掲載している文章は『第二稿』です。書籍版とは内容が若干異なります。
「だが、なぜそんなにまでして海底鉱物資源の採掘にこだわるんだ? ネンブロットに行けば、全長三〇〇メートルの無人掘削機がガンガン露天掘りしてると言うじゃないか」
「それは一部の金属鉱山や、石灰や陶石や珪石みたいな非金属鉱床に限った話だ。希少金属、とりわけニムロディウムはそうじゃない」
「未だに奴隷が手掘りしているとでも?」
「機械は使っているが、それに限りなく近い。TVのドキュメンタリー番組などで目にしたことはないか?」
「いや」
「だったら、一度は見ておくんだね。宇宙文明を支えているのは科学技術ではなく、鉱害病でボロボロになった人の手だと分かるから」

ウォールのPhoto : https://goo.gl/kCmQtk

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