映画『ニューヨーク1997』リメイクに寄せて カート・ラッセル VS『300(スリーハンドレッド)』スパルタ王

2009/06/15 wrote;

私のこっぱずかしい思い出『ニューヨーク1997』のディレクターズカット映像がパソコンの隅からひょっこり出てきたので、記事後方に貼っておきます。

そのうちジェラール・バトラー主演によるリメイク版も公開されるみたいで、この記事へのアクセスもじわじわ増えてきています。うふふ♪

見に来て下さった方、ありがとう。

スネークのファンが増えれば、私も嬉しい。

「どれぐらい好きだったか」と言うと、そうねえ、「寝ても覚めても、スネーク」っ感じかな(笑)

そんなこと、当時は、たった一人の映画友達にしか話せなかったけれど。

リメイク版は、きっとCGもアクションもバリバリで、高級感あふれるハリウッド大作なんでしょうね。

でもね。

私は、多分、ずっと、やさぐれた海賊みたいなスネークが好きだと思う。

あの、ハリボテみたいな飛行機とか、発砲スチロールの壁とか、どこのオモチャ屋で買ったのかと思うマシンガンとか、

「この発信器の操作の仕方を知っているのはスネークだけです!!」

とか言いつつ、なんだ~、時計のフタを開けてるだけじゃねーか、みたいな、しょーもないトリックとか、

一見、すべてが安っぽく見えて、実は、

『映画ってのはね、お金をかけりゃいいってもんじゃないの』

というジョン・カーペンター監督の哲学みたいなのが感じられる(まあ、実際、ホントに、お金がなかったのだと思うが)、オリジナルの【ニューヨーク1997】が、いつまでも、ずっと。

まあ、興味の無い人も、ちらっとでいいから見てやって下さいね♥

スネーク・プリスケン

映画『ニューヨーク1997』への想い

「B級映画の金字塔」として今なおカルトな人気を誇るジョン・カーペンター監督の近未来SF『ニューヨーク1997(Escape from New York)』がリメイクされるらしい。

しかも主演は、This is Sparta ! の、スパルタ王=ジェラール・バトラーとか。

ジェラールさまと言えば、ミュージカル映画『オペラ座の怪人』で世の女性に溜息をつかせ、古代ギリシャ史に残るテルモピュライの戦いをベースにしたアクション映画『300 〈スリーハンドレッド〉』では男臭いスパルタ王を演じ、今後が注目される俳優の一人である。

そんなマッチョでセクシーなお方が、映画史上に残る愛すべきダーティー・ヒーロー『スネーク・プリスキン』を演じるとあっては、私も黙ってはいられない。

だって、『スネーク』に関しては、高校時代から筋金入りのファンですのでね。

この『ニューヨーク1997』、どんな作品かと申しますと、1988年、アメリカはニューヨーク・マンハッタン島を15メートルのコンクリート壁で囲み、終身刑の重犯罪者を集めアメリカ最大の刑務所として、強力な監視下においていた。
しかし、1997年、NY上空で大統領専用機がテロリストにハイジャックされ、救命ポッドから脱出した大統領はNYを支配するデュークに捕らえられてしまう。
大統領の命と引き換えに囚人達の解放を要求するデュークに対し、警察本部長のボブ・ホークは、元特殊部隊員で、犯罪の帝王『スネーク』を単身潜入させる。
スネークに与えられた制限時間は、24時間。
それを過ぎると、頸動脈に埋め込まれたカプセル弾が爆発し、命で贖うことになる。
スネークは大統領を見つけ出し、凶悪犯のうごめくNYから脱出することができるのか――。

この映画で特筆すべきは、何と言っても、カート・ラッセル演じるダーティー・ヒーロー『スネーク』である。

私はゲームをやらないので、実際に見たことはないのだが、テレビゲーム『メタルギア』の登場人物ソリッド・スネークのモデルは本作品の主人公スネーク・プリスキンであり、また、この作品自体がメタルギアのモデルになっているらしい。
ゲームデザイナーの小島秀夫さんは、この映画の大ファンなのだそうだ。

くぅ・・分かるなあ。

ワイルドな長髪、思わず頬ずりしたくなるセクシーな無精髭に左目のアイパッチ。

「犯罪の帝王」と言われる割には、案外、どんくさくて、やること、なすこと、ほとんど行き当たりばったりなのだけど、なぜか運よく助けられるところがお茶目というか、憎めない。

そのくせ情が深くて、相棒のブレインを殺されたマギーが、自分も殺されるのを覚悟で、スネークに復讐のピストルを求める時、ちらりと見せる微笑みが素晴らしく温かく、カッコいい。

ああ、この微笑みに惹かれて、高校1年生だった私は、雑誌『ロードショー』に掲載されていたアドレスを頼りに、『楽しい英文メールの書き方』なんちゅうテキストを見ながら、スネークの似顔絵入りのファンレターまで書いたんだよ、ほんと愛してたなあ……(笑)

当然のことながら返事は来なかったけど、カートがここまで立派になったのも、あのファンレターに込められた「がんばってネ☆」オーラのおかげだと思っている(←ははは)

私が「好きだ、好きだ」と思い詰めていた高校生の頃には、誰とも話が合わなくて、

「もしかして、この映画がイイなんて思っているのは、世界中に私一人だけ??」

なんて淋しい思いもしてきたのだが、ネットが発達し、あちこちで1997関連の記事を見るようになってから、私と同じように「好き」と思う人がいっぱいいることが分かって、ほっとした。

私が想像していたよりずっと、カルトな人気者だったのだ。

やはり、私の目に狂いはなかったのだ(笑)

あまり強そうには見えないアクション・シーン。チューしてるのは元妻シーズン・ヒューブリー。この後、ゴールディ・ホーンと再婚。そんなことだけ、よく憶えている・・

『ニューヨーク1997』の見所

それにしても、『ニューヨーク1997』はおちゃめなB級映画である。

「ダイ・ハード」や「ミッション・インポッシブル」みたいな、制作費何十億という、派手なアクション巨編を見慣れた一般人の目にも、一目で金がかかってない!! ということが分かる。

まず有名なオープニング、「ちゃ~、ちゃらら~、ちゃちゃ、ちゃらっちゃっちゃー、ちゃらちゃっちゃー」な音楽。

作曲は、監督のカーペンター自身。

演奏も、確かシンセサイザー1台でこなしたんじゃないかな。

「ジョン・ウィリアムス&ボストン交響楽団」なんてどこの話――? というような倹約ぶりすワ・・。

いやいや、才能があれば、お金なんか使わなくてもこれぐらいのことは一人で出来ちゃうよ……のお手本とも言えるけど。

それから、スネークの搭乗する紙ヒコーキのようなグライダー。

ちなみに、廃墟となったニューヨーク摩天楼のグラフィックを手がけているのは、当時、まだまだ無名だったジェームズ・キャメロンである。


これならヒラヒラ落ちても文句は言えまい。

こんな紙ヒコーキのようなものでハドソン川を越えられるのか?

そもそも、フライトに必要な計器、エンジン類が備わっているのか??

特命をおびて颯爽と乗り込むスネークが、まるでデパートの屋上にある子供用100円マシーンに喜ぶ幼児のように見えてしまうのは私だけではなかろう。
(ついでにNYに不時着した大統領専用機の残骸も張りぼて丸出しだぞ~)

壁を銃で撃ち抜き、体当たりして突き破るシーンもそうだ。

発砲スチロールみたいなのが見え見えじゃないか。

『風雲たけし城』じゃあるまいし、「犯罪の帝王」のアクションなんだからもうちょっと強そうに見せろよ、と思ってしまう。

行動も行き当たりばったりで、すぐ捕まっちゃうし……。

こんなトホホなアクションが随所にちりばめられて、それでも「スネークは犯罪の帝王なんだ」と言い切ってしまう押しの強さが本作の魅力なのかもしれないが、ファンとしてはちょっぴり恥ずかしいのだ。紙ヒコーキのようなグライダーが、ね。

*

それでも『1997』はいい。

スネーク・プリスキンという映画史上に残るキャラクターはもちろん、ちょっぴりスネークに共感する冷徹な警察部長(リー・ヴァン・クリーフは西部劇の名優)、凶悪な犯罪者社会をのらりくらりと泳いで生きるタクシー・ドライバー(アーネスト・ボーグナインも実力派の名優)、現実的で頭の切れる情婦マギー(エイドリアン・バーボーはカーペンター監督の元嫁さん)、これも間抜けな闇の帝王デューク(キャデラックにシャンデリアを付けて走るアイデアがよろしい)と、どれも曲者揃いで、セットの安っぽさを忘れさせてくれる。

時を超えてリメイクされるのも、やはりキャラクターが今に息づく輝きを放っているからだろう。

そう考えると、日本の「2世漫画ブーム(旧ヒーローの子供が活躍する)」や、名作漫画の実写化などと同じように、ハリウッドもネタ切れにあえいでいるのかもしれない。

ヒットはするけれど熱狂はしない、スゴイとは思うけど歴史に残るほどの新鮮さはない……といった最近の傾向を見ると、制作者の触手が70年代~80年代のヒット作に伸びるのも無理からぬ話に思える。

それは映画に限ったことではなく、音楽全体にも言えることなのだけど。

ともあれ、今が旬の俳優ジェラール・バトラーを配して、近々、リメイクされるとの話だが、果たして、本家のカリスマ性に勝てるものか。
もちろん、その点はジェラールも強く意識して、「同じスネーク」を演じることはない――演じる必要もないだろうが、カート・ラッセルの、あのテキトーにお肉のついた、お茶目な「犯罪の帝王」に惹かれたファンとしては、あまりにもカンペキなヒーローとして演じて欲しくないというのが切実な気持ちだ。

『スネーク』の魅力は腕っ節の強さではなく、やさぐれた眼差し、しかし内面は優しく、正義感が強いという、内面にあるのだから。

映画史上に残る名セリフ、『Call me Snake』――スネークって呼べ。

ジェラールにもぜひぜひ、渋く決めて欲しい。

日本語版では、青野武さんが吹き替えを担当して、ほんと、はまり役でしたねぇ。。

§ 映画『300』について

ところで、『300』のジェラール・バトラーと言えば、服従を求めたペルシャの使者に剣を抜き、

This is Sparta !

と叫んで、井戸に突き落とすシーンが有名なんですけど、これもいろんなパロディが出ております。

これで笑える人は、かなりの事情通。パロディ界の名作と言えましょう。
超オススメです。


『ニューヨーク1997』に関連するCD・DVD

B級映画の旗手、ジョン・カーペンター監督の代表作で、人気ゲームソフトのモデルともなった近未来SFの傑作。
私も最近まで知らなかったのだが、「隠れファン」が相当多数いるもよう。
女性よりも男性に人気がある。
ちなみに、ディレクターズ・カットされ、北米版のDVDには収録されているという幻のオープニングは、運が良ければ、YouTubeで見ることができる。

ディレクターズ・カットで公開時には削除された場面も、「連邦銀行に強盗に入る」という設定なのだが、中学生がどこぞのオフィスビルで万引きしてるようにしか見えないんだよねーっつ。

それに連邦銀行に強盗に入る割には作戦が練られていないというか、無防備というか、地下鉄で逃走して、ぐうぐう居眠りするなっちゅうの。

『犯罪の帝王』だそうですよ……(泣)

しかし、物語中盤、いよいよNYを脱出するにあたって、スネーク達がデュークの知恵袋であるブレイン(本名はハロルド)を訪れた時、

「久しぶりだな、ハロルド。自分ひとりで逃げやがって、あの後、ボブがどうなったと思う? ん?」

と凄むシーンで、

ボブって誰だ?

いったい二人の間に何があったンすか??

と、長い間、謎だったんですけど、これでようやく解けました。。

撮影はされていたけれど、公開前にディレクターズ・カットされていたんですね。

いやいや、カットしたのは正解かも。

だって、どう見ても、中学生の万引きにしか見えないもん(笑) すげー間抜けな捕まり方だし・・。

ちなみに、公開当時、劇場で販売されていたパンフレットには、銀行らしい建物から逃走する3人の男のショットが掲載されていたんですよね。
おそらく、この3人が、スネーク、ブレイン(ハロルド)、ボブだったのだと思います。
このワンシーンも、撮影はされたけれど、完全にカットされたのでしょう。

見たかったなぁ・・

*

と、思っていたら、ずっと以前にYou Tubeにアップされて、数ヶ月で削除されてしまった幻のお宝映像、私の手元にありました~☆

なんで、中学生の万引きにしか見えない、銀行強盗のディレクターズ・カット。
ここにコソっと置いておきますね。enjoy !


それにしても、スネークは大変なものを盗んでいきました。

それは、ティーンの頃の、私の【はあと】です♥

§ スネーク・プリスケン ♥ トリヴィア

私は、高校生の時、京都の有名な洋書専門店で、ノベライズされた『Escape from New York』を購入し、学生向きの英和辞典片手に二日がかりで読破したツワモノでございます(そこまで好きか??)

スネーク大好きな「メタルギア」の小島秀夫さんでさえ、英語のノベライズ本までは読破しておられないはずですよ。

これが、そのノベライズ本 ↓  今でもAmazonで購入可能だけど、『中古商品1点¥ 14,211より』ですって!!

Escape from New York by Mike McQuay
ニューヨーク1997 

ちなみに著者のMcQuayさんはアイザック・アシモフの翻訳本などを手がけておられるよう。

*

で。

このノベライズ本によると、

スネーク・プリスキンの本名は、【 S.D.Prissken 】(名前の雰囲気からして、セルゲイ・ドミートリエヴィチ・プリスキン)←勝手にロシア名。

Special Forces Unit(特殊部隊) 【 Black Light 】の Lieutenant(中尉)

ま、これはオリジナルの映画の中でもボブ・ホークが口頭で説明してるんですけどね。

しかも、このノベライズでは、どうしてスネークが特殊部隊の中尉から悪の道に走ったか……という背景が細かに描かれていて(今はもう忘れたけども)、その最大の理由が、共産圏との戦争だったんですよ、確か。

だから、エンディング、大統領の高圧的な態度に対して、痛烈なしっぺ返しをするわけだけど、それもこのノベライズを読めば、スネークの行動がより納得できます。

*

私がこのノベライズ本で学んだ最大の英単語は、Molotov Cocktail = モロトフ・カクテル (火炎瓶&煙幕弾 )

スネークは、特殊部隊の中尉だった頃、テロリストの放つモロトフ・カクテルに苦しめられ……みたいな記述があったんだけど、「モロトフ・カクテルって何よ~~!!」って、高校生向けの辞書を片手にウンウンうなってね。

でも、何となく前後の文脈から「火炎瓶のこと……?」と閃いて。

そう言えば、映画の中でも、火炎瓶が登場するでしょう。(アーネスト・ボーグナイン演じるタクシードライバーが町のネズミどもに投げつける)

モロトフ、ロシア、プリスキン、この三者には深い関わりがあるんですよ。

ちなみに、なぜ「Prissken」と書いて「プリスキン」と発音するのか……と言えば、外国では「e」を「イ」になることが多いからだと思います。

たとえば、Karaoke は「カラオキ」。

Pokemon は 「ポキモン」って言うし。

だから、Prissken も 「プリスキン」。 多分。  確率、5%ぐらい。

*

それからもう一点。

スネークが地下に住み着く集団に襲われた時、命からがら逃げこんだビルの中で、一人の美しい女性と遭遇する場面がありますよね。

女「タバコ持ってるかい?」

スネーク「……あいつら、一体、なんだ」

女「ドブねずみさ。夜になったら、ああやって出てくるんだ。それより、あんた、どこかで見たことが……そうだ、スネーク・プリスキン、確か死んだって聞いたけど」

スネーク「生きてるさ」

女「こんな所で何をしてるの」

スネーク「大統領を捜してる」

……の、あの相手役の女性ね。あれはカート・ラッセルの最初の奥さんなんですよ。かなり前に離婚して、今は女優のゴールディ・ホーンと事実上の夫婦してるけども。

あと、ブレインの情婦マギー(エイドリアン・バーボー)は、カーペンター監督の前妻さん。

*

いろんな歴史があります・・

★おまけ★

「Matrixに続く映像革命」というふれ込みで公開された、筋肉マッチョなアクション映画。
セットは一切使わず、全編、スタジオ内で撮影された、アニメーションちっくな作品。
テルモピュライの戦いについて知らなかった私は、「100万人対300人」と聞いて、超人的な戦士がドラゴンボールのような戦いをして、奇跡的に勝ってしまう「なんちゃってヒーローもの」かなぁと思っていたら、史実と聞いてビックリ。
地の利を利用して徹底的に抗戦する姿は感動もの。
でも、腕が刃になったカニ男の死刑執行人とか、お面をかぶった忍者隊とか、「んなわけねーやろ」と思うような演出も多く、歴史物というよりは、少年ジャンプ系・アクション映画として割り切った方が楽しめる。
(マジで見て、マジで怒ってはいけない)
この監督に「北斗の拳」の実写版をぜひ制作してもらいたい。

ちなみに、リメイク版のジェラール・スネークはこんな感じ・・えらい垢抜けてますな。

リメイク版「ニューヨーク1997」
リメイク版「ニューヨーク1997」

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