詩想

僕の居場所 ~僕は淋しい野良猫~

2017年9月26日
犬

僕は淋しい野良猫で、帰る場所を探している。
いつでも、どこからでも、帰って行ける場所だ。

夕べ、犬に言われたよ。
「犬はどこででも眠ることができる。自由を愛しているからさ」

だけど帰る場所のない自由なんて、ただ浮いてるだけだ。
もし君が死んだら、君には泣いてくれる人がいるの?

次の日、交差点で、車に轢かれた犬を見た。

待つ人のない犬は、そこに放置されたまま、誰かに名前を呼ばれることもない。

ずたずたになって、跡形もなくなっても、次から次に人に踏まれて、静かに眠ることさえできない。

これが君の望む自由なら、僕は鎖で繋がれても、僕の帰りを待ってくれる人を探すよ。
二人の間が窮屈なら、鎖は幾らでも伸びる。
肝心なのは、その端っこを、誰かがしっかり握っていてくれることなんだ。

僕は交差点を通り過ぎると、大きな和菓子屋の軒先にうずくまった。

今はまだ誰に気付かれなくてもいい。
とりあえず空腹さえしのげれば。
たとえ雨に打たれても、百夜ぐらいなら一人だって平気だ。
僕はそんな夜にもうずっと馴れているんだ。

そして、いつか僕の帰る場所を見つけたら、僕はもう二度と自由を羨んだりしない。
いつまでも君の側にいるよ。
心地良い距離の間で。

記 2005年? 

*

いつ、何の目的で書いたのか、まったく記憶になし。

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