21-6 示談の解消と悪魔の囁き

2017年9月27日公共事業と人間の価値, 建築土木と社会, 意匠とデザイン

結婚指輪を手にしながら思い惑うヴァルターに、ロイヤルボーデン社から示談の解消が持ちかけられる。
不審に感じながら、ヤンに故郷の現状を尋ねると、緑の堤防や36年前の締切り堤防の補強案に関する地元住民の不満が高まっているらしい。

いろんな疑念を感じながら、ロイヤルボーデン社のフェルトマン副社長と個人的に面談する。

社のやり口に違和感は拭えないが、これ以上、争っても、双方に何の益もないと判断し、示談の解消に応じることにする。

だが、それには「帰郷」が前提だった。

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「でも、あなたも当時の様子を直にご存じではないですね。年齢からして、当時、あなたは二十代後半だ。既にロイヤルボーデン社に入社していたとしても、自治体の水管理の上層部で何が話し合われていたか知る術もない」
「それはまあ、そうだが」
「では、なぜそのように言い切れるんです? たとえ、あなたはご存じなくても、当時のことを鮮明に記憶している関係者は少なからず存在します。リロイ・ファン・デル・サールは、そうした生き残りを訪ね歩いて、証言を集めていると聞きました。ロイヤルボーデン社や自治体の関係者から伝え聞いたあなたとは訳が違います」
「今度はわたしに喧嘩を売るのかね?」
「洪水の時、あなたが何所におられたかは知りませんが、あの災害で家や家族を失ったものの無念は計り知れません。リロイ・ファン・デル・サールの記事が被災者を中心に支持されるのも、事実に基づくからでしょう。人気取りの為にセンセーショナルに書かれた記事なら、むしろ被災者の感情を害し、批判の対象になるはずですよ」
 するとフェルトマンは肩で息をつき、
「君も聞きしに勝るね。この話題になると、途端に攻撃的になる。一家の不幸には同情するが、何時もその調子では丸く収まるものも収まらない。とにかくリロイ・ファン・デル・サールのせいで、再建工事まで詐欺だ、陰謀だ、と騒ぎ立てる者があり、我々も自治体もおおいに迷惑している。君が示談の解消に応じ、我々の間にもはや誤解はないことをアピールできたら、それだけでも助けになる」
「それも虫のいい話ですね。結局、保身の為ですが。あの件で、こちらがどれほど痛めつけられたかは後回しで」
「だから、公式に謝罪すると言っている。ロイヤルボーデン社のような大会社にとって『謝罪』がどれほどの意味を持つか、君にも分かるだろう。どうか犬みたいに噛みつかず、良識ある社会人として冷静に話し合えないものかな」

Product Notes

私の中で、オランダは世界で一番素敵な所です。(きれいな国ではなく)

料理はあまり美味しくなかったけど、運河とか、堤防とか、なんでこんな場所に住むかなー、みたいな低地に家屋が密集していたりして、そうまでこの地にしがみつく(?)人の気持ちが不思議に感じたほど。

普通、何度も水害に遭ったら、移住しそうなものだけどね。

それならそうで、よし、堤防強化! 運河拡張! 何が何でも、その地に住み続ける(水をコントロールしてでも)精神が興味深い。

MINI KTE Holland 2012

でも、海はきれいですよー。海岸線が平らで、見渡す限りの海! という感じ。

Holland

そんでもって干拓地(農地)には、いっぱい牛がいて、運河沿いの細長い舗道を自転車に乗った人がビュンビュン走っていくイメージ。
すごいなーと思いながら、ぼんやり眺めていると、いきなり向こうから身長2メートル以上の大男(冗談ぬきで)がやって来て、「げっ」と驚く。

IMG_6052 Holland

チューリップもそんなに綺麗なのかなー、と半信半疑だったけども、春のシーズンの「一面リューリップづくし」は本当に圧巻です。
見渡す限り花の絨毯、よくこれだけ国土という国土にチューリップを植えまくったもんだと感心せずにいないほど。
写真では「きれいだなー」ぐらいにしか感じないけど、実物は息を呑むスケールですよ。

Tulip field - Holland