70年代AORに酔う ボズ・スキャッグス『ミス・サン』 / ホール&オーツ『キッス・オン・マイ・リスト』『マンイーター』 / TOTO『99』

2016年8月25日音楽

「AOR」と聞いてビビっと来る人は、多分、私が夢見る夢子していた時分に、ビリー・ジョエルのラブソングに憧れ、ブロンディやオリビア・ニュートン・ジョンの歌声に元気をもらい、FMラジオから毎日のように流れる「ホール&オーツ」のヒット曲に耳を傾けていた人だろう……と思う。

今ではあまり話題になることもないけれど、当時のAORというのは、とにかくお洒落だった。

「大人の恋」だった。

アタシもいつかこんな素敵な大人の恋をするのよ……と、憧れずにいなかった。

AORを知らない人のためにWikiから引用すると

70年代から80年代初めにかけて、米国で「Audio-Oriented Rock」という言葉が使われた。 この「音を重視するロック(音志向ロック)」は、パンクムーブメントやHM/HRといった方向とは違い、歪みのない楽器音と怒鳴らない声が特徴で、TOTOやクリストファー・クロスに代表される。 「AOR(Audio-Oriented Rock)」として日本に伝わったが、あまり普及しなかったため、日本では「AOR」が何の略であるか知らない人がほとんどであった。

AORのシンガーとして挙げられているのが、「マイケル・マクドナルド」「ボビー・コールドウェル」「マイケル・フランクス」「クリストファー・クロス」……etc。

うわぁ~、もう名前を聞いただけで目の前が爽やかになる懐かしい顔ぶれである。

そういや、高校生の時分は、NHK-FMの究極の癒し番組「クロスオーバー・イレブン」で、ボビー・コールドウェルが流れるたびに胸キュンでしたものねえ。
ナレーターの津嘉山 正種さん、「私の彼氏になってぇ~」状態ですよ。

AORみたいな大人の男性に憧れて、溜め息ばかりついてました。

中でも、私の一等お気に入りだったのがボズ・スキャッグス。
AOR界の草分けというか、代名詞のようなアーティストです。

ボズといえば、当時、究極のラブソングと言われた「We are all alone」が非常に有名なのですが、私のお薦めは何と言っても「Miss Sun」。日本でもかなりヒットしました。

世の中には聴いているだけで頭クラクラ、涙が出るほど胸がときめいて、その世界に引きずり込まれる曲があるのですが、ボズの「ミス・サン」もその一つ。
お洒落でロマンティックなメロディもさることながら、後半、ボズに代わってリードをつとめる女性ヴォーカルのソウルフルな歌声も溜め息もの。
確か、有名な女性歌手なんですね(当時のベスト盤のライナーにはそう書いてあった)

「なんでそんなに好きなの?」――と首を傾げたくなる人もあるかもしれない。

でもね、あの高校生の時分によ。。

生身の恋愛も、現実のオトコも、何も試したこともない頃によ。。

こんなにスウィートでロマンティックな男性の歌を聴いてご覧なさいよ。

そこいらのオトコなんか見向きもしなくなるじゃないの。

彼氏は欲しいけど、生臭いのはイヤだわ

そう思っちゃうじゃない。(……思わねーか)

夜、寝る前に、目を閉じて「ミス・サン」を聴いていると、いつか私の目の前にも背が高くて、ハンサムで、バラの花束をいっぱいに抱えて、トワイライトの海岸線にドライブに連れだしてくれるような素敵な彼氏が現れるんじゃないか――と、夢に描かずにいなかった。いわば、「ミス・サン」は、高校時代の「憧れの彼氏」そのものだったのです。

今聴いても、十分にいい曲です。
もう一度ヒットしてもいいんじゃない、って思うくらい。


歌詞もいいですよね。恋人を「太陽」にたとえたラブソングです。

Been thinkin’ ‘bout you all night
Guess you got me in your spell
But I think that I’ll be alright
Even if I don’t get well

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
but the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms

I can still remember
What you told me with your eyes
One kiss
Now it’s down to this
Guess it’s time you realize

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms
Has you back in my arms

[Instrumental Interlude]

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms
In my arms
(Whoooooa)
Whooooa-hooo-hoooo
(Ooooooh, yeah)

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in my way
It won’t be long before the morning
Has you back (in my arms)

[Intrumental Interlude]

(One kiss is what I need)
(One kiss give it to me)
(It won’t be long until the mornin’)
(It won’t be long until the mornin’ has you)
(Won’t be long until the mornin’)
(Has you back in my arms)

(One kiss)
(I realize)
(One kiss I can see it in your eyes)

(Oh, it won’t be long before the mornin’)
(Has you back in my arms)

一晩中、君のことを思っている
まるで呪文にとらわれたよう
が、たとえ解き放たれることはなくても、僕はそれで構わない

ねえ、ミス・サン
言うべきことばが見つからない
君を抱きしめようとするけれど
月は遠くに沈み
君を腕の中に取り戻すには
朝まで時間がなくて

今も思い出す
君が眼差しで語ったこと
ただ一度の口づけ
今は遠い記憶だけれど
今こそ君が叶える時が来たと思わないか

ボズのヒット曲といえば、「Lowdown」も素敵な曲でございました。
イントロのドラムソロが流れた段階でノックアウト。

AORはまたの名を「アダルト・コンテンポラリー」とも言うそうですが、ボズの音楽はまさにお洒落で都会的。
女子高生には刺激が強うございました(笑)


§ 関連商品

ここで紹介している「ミス・サン」「ロウ・ダウン」に加えて「ジョジョ(ジョジョ立ちのジョジョじゃないよ)」「we are all alone」「スロー・ダンサー」など、AORを代表するヒット曲がずらり。ああ、これぞ70年代!なヒット・アルバムでございます。
今も時々来日しているらしいボズ。今でもこの声が出るのかなー。だとしたら奇跡。
いつまでもお元気で、長生きして下さい、デス(^^)

§ ダリル・ホール&ジョン・オーツ

さて、この時代のヒット・チャートを語る上で絶対に欠かせないのが、ダリル・ホール&ジョン・オーツ。
略して「ホール&オーツ」と言うのだが、どっちがホールで、どっちがオーツ、ダリル・オーツ&ジョン・ホールじゃないの、みたいに勘違いする人も多く(中には「ダリル&オーツ」と言い切るトホホな人もいた)、日本人にはちょっと覚えるのが難しい名前ではありました。
しかし、彼らの代表曲である「Private Eys」をはじめ、「Sarah Smile」「I can’t go for that」など、FMファン(ラジオFM放送の大ファンのこと)でなくても、「誰でも必ず一度は耳にしたことがあるはず」と言い切れるほどのヒットメイカーでもあり、まさに70~80年代を代表する歴史的アーティストと言っても過言ではありません。

そんな彼らのヒット曲の中でも私が一等好きだったのが、「キッス・オン・マイ・リスト」。
ヒット・チャートとしてはそれほど長く上位にいたわけではないけれど、歌詞とメロディの美しさにおいては他のどんなヒット曲にも勝らずとも劣らず。
ファンの間でも根強い人気を誇っています。

そしてまた、この曲は、私が本格的に「英語の歌詞をマスターしたい」と心に思ったきっかけでもありました。

それまでアメリカン・ポップスは「いいな」と感じても歌詞を口ずさむほどではなかったのですが、この曲だけは「自分で歌いたい」と思い、雑誌に掲載されていた歌詞を切り抜いて必死で覚えたものです。

英語の専門教育などほとんど受けていないにもかかわらず、ダンナと初めて出会った時、わりとスラスラ英語が出てきたのも、UKロックやアメリカン・ポップス、そしてハリウッド映画のおかげなのですよ、ありがとー♪

これは本当にいい曲です。


My friends wonder why I call you all of the time
What can I say
I don’t feel the need to give such secrets away
You think maybe I need help, no, I know that I’m right
I’m just better off not listening to friends’ advice

When they insist on knowing my bliss
I tell them this
When they want to know what the reason is
I only smile when I lie, then I tell them why
(Because your kiss) your kiss is on my list
(Because your kiss) your kiss is on my list
Because your kiss is on my list of the best things in life
(Because your kiss) your kiss is on my list
(Because your kiss) your kiss I can’t resist

I go crazy wondering what there is to really see
Did the night just take up your time, ‘cause it means more to me
Sometimes I forget what I’m doing, I don’t forget what I want
Regret what I’ve done, regret you? I couldn’t go on
And if you insist on knowing my bliss

I’ll tell you this
If you want to know what the reason is
I’ll only smile when I lie, then I’ll tell you this

歌の背景を語れば、「僕の友だちは、僕が彼女にしょっちゅう電話して、彼女を求める気持ちを不思議がっている。僕にアドバイスしようとする友だちもあるけれど、そんなお節介は聞かない方がマシさ。彼らが理由を知りたがったら、僕はただ取り繕って微笑み、こう答えるんだよ。『僕の手首に触れた君の口づけは人生の中で最高のものだから』」

彼女のことが好きで好きでたまらない男性が、自分の好きな気持ちを「Kiss on my list」という一言に託して説明してるわけです。ロマンティックですね☆

あともう一曲、ホール&オーツを語る上で欠かせないのが「マンイーター」。
直訳すれば、「オトコ喰い」ですな。


「Kiss on my list」もそうだけど、AORとか、いわゆる昔のヒット曲って歌詞がシンプルなんですよね。
ラップやクラブミュージックのようにまくしたてないし、一言一言が明瞭で、高校生でもある程度、聞き取れる内容が多いです。
ビリー・ジョエルやビートルズ、エルトン・ジョンなんかでもそうですよね。

これは音楽に限らず、ハリウッド映画も同じこと。
「ローマの休日」や「風と共に去りぬ」といった名画の時代は、セリフがシンプルで、これも一言一言が明瞭として、現代の作品に比べたら俗語も少なく、本当に聞き取りやすいです。

ちなみにこちらの「Maneater」も、さびの部分が「here she comes, She’s a maneater」と高校生でも分かる簡単なフレーズで人気ありました。

Shell only come out at night
The lean and hungry type
Nothing is new, Ive seen her here before
Watching and waiting
Shes sitting with you but her eyes are on the door
So many have paid to see
What you think youre getting for free
The woman is wild, a she-cat tamed by the purr of a jaguar
Moneys the matter
If youre in it for love you aint gonna get too far

Oh here she comes
Watch out boy shell chew you up
Oh here she comes
Shes a maneater
Oh here she comes
Watch out boy shell chew you up
Oh here she comes
Shes a maneater

I wouldnt if I were you
I know what she can do
Shes deadly man, and she could really rip your world apart
Mind over matter
The beauty is there but a beast is in the heart

Oh here she comes
Watch out boy shell chew you up
Oh here she comes
Shes a maneater

高校生の時、私がどうしても聞き取れなかった箇所、それは「Mind over matter」。
こうして歌詞を見ると、どうってことない単語なのに、どうしても聞き取れない部分ってありません?

その昔、私は、「Man is matter」=オトコが問題だと思っていました(笑)

まあ、それでもいいじゃないか、ホール&オーツ!

出ましたね~「The very best」。往年のファンが泣いて喜ぶベスト盤です。
ちゅうか、タイトルに「The very best」が付くようになったら、相当、年季の入ったアーティストと見てよろしい。
ラインナップを見ているだけで高校生の頃を思い出すなぁ。
まさに青春の曲です。

最後にTOTOでも紹介しましょう。TOTOと言っても、トイレメーカーじゃないっすよぉ。

タイトルの「99」は、恋人の呼び名です。
確か、SF作品にインスパイアされて、人の名前を数字で呼び合う未来社会を想定したラブソングなんですよね。
(と、レコードのライナーには書いてあった)

一時期、この曲が大好きで、ドーナツ盤も買いましたねぇ。

この曲が流行っていたのって、79年なのか……。なんかウソみたいですね・・。

ちなみに、日本人にはニュアンスの違いが難しい『現在完了進行形』= I have been ~ing は、この歌で理解しました。

99, I’ve been waiting so long

恋する男の子の心情を想像すれば、「99、僕はずっと君を待ってたんだよ(過去にずっと待っていた状態)」がすぐにイメージできます。