自分の目で見ることの意義 ~ラスベガス編

2017年9月15日Notes of Life, 旅行記

この夏、ラスベガスに行ってきました。私のバケットリストには無かったのですが、付き合いで。

それでも、私の大好きな映画『ショーガール』の舞台になったホテルや、作中に登場した場所を目にすると、感慨もひとしおです。

以下、ラスベガスの感想です。

参考URL 最低のクズ映画と批評されても『ショーガール』が好きな理由

ノエミに会ってきた! ラスベガス巡り

いわゆる「ラスベガス」と多くの人が認識しているのが、『Las Vegas Strip』と呼ばれる、South Las Vegas Blvd 通りだと思います。
一本の大通りに名だたるホテル、カジノ、シアターが建ち並び、夜になると身動きも取れないほど大勢の観光客!
ちなみに、夏場は最高気温が40度以上あるので(生まれて初めて摂氏43度を体験)、昼間は全てのネオンが消えて、通りも閑散とし、そこいらのオフィス街みたい。
ところが、日が沈み、夕闇に包まれると、町中のネオンが輝き始め、連夜お祭り状態。人出も午後10時を過ぎると最高潮になり、場所によっては階段から落ちそうなほどの混み具合です。

そんでもって、アジア系の住民と観光客が多い。私が訪問した時は、道を歩いている半数以上がアジア系でした。

『カジノの街』というから大人がメインかと思えば、ファミリーも非常に多い。
午後10時を過ぎても乳児や幼児をベビーカーに乗せて、レストランやカジノ巡り。みな、パワフルです。

ラスベガス ストリップ

そんな中で、一番感激したのが『ミラージュ』。映画『ショーガール』の舞台となった高級ホテルです。

残念ながら中に入ることは叶いませんでしたが、遠目にエントランスが見えて、「ああ、あそこで撮影したんだ」と感無量。

『ロケ地の現実感』は想像以上でした。

ホテル・ミラージュ

こちらも『ショーガール』に登場。青紫のプラネットみたいなネオンはラスベガスの描写によく登場します。

やはり実物より、映像の方が綺麗に加工されて、宇宙的なイメージがありますが。

ラスベガス

こちらは『ヴェネチアン リゾート ホテル』のゴンドラライド。こんなものまで作ってしまうんですね。

ラスベガスの魅力は、一言で言えば、「人を楽しませる、あらゆる要素が詰まっている」という点です。

ピラミッドあり、メルヘンあり、中世風あり、と、やったもん勝ちみたいなノリで、次々に面白いモノが作られる。

ほんと、「浮世を忘れて」とはこの事。エンターテイメントに遠慮も謙遜もないです。

ラスベガス

これも有名な噴水ショーですが、思ったより控えめな印象でした。今は方々にレーザー光を駆使したハイテク噴水ショーがありますから、今時の観光客はこれしきでは驚かないのではないかと思います。意外と、あっという間に終わる。。。登場した頃はアメージング!だったかもしれませんが。

自分専用のシアターを持っているデヴィッド・カッパフィールド。私の訪問時は、一席=108ドルでした。他のシアターは直前に値下がりしても、カッパフィールドの席だけは絶対に値下がりしないのがポイント。やはり生で見ると凄いのでしょうね。

帰ってから、手持ちのブルーレイを見返して、感動新た。

『リヴィエラ』もありました。人通りから察するに、撮影の為に規制したか、明け方直前の、ちょっと人が引ける時間帯に撮影したか、相当にコントロールしてると思います。通常の人通りは梅田の交差点並にありますヨ。

ちなみに、登場人物の服装や空の色から、撮影は秋頃かなと推察しました。そんなのも現地に行って初めて体感することです。

ラスベガス リヴィエラ

ラスベガスのショーって、本当にホテルの中で、こんな花火を打ち上げて、ギンギラギンのトップレスで踊るわけ?? と思っていたら、そういう演目もありました。

たとえば、アダルトショーの『ZUMANITY BY CIRQUE DU SOLEIL

花火は打ち上がりませんが、トップレスで、官能的な内容に仕上がっています。

ここがホテル『ミラージュ』の玄関なんですね。遠目に見ただけなので、断言はできませんが、多分そうだと思います。
ここで撮影したんだな、と思ったら、それだけで嬉しかった……。

ラスベガス ショーガール

ラストシーンに登場するこのハイウェイも夜中に通りました。ルクソールのピラミッドが綺麗でした。

ラスト、「ギャンブルに勝ったのか?」という、プレスリーにそっくり氏の質問に、にやっと笑って返すノエミの表情がすごく好きなんですよね。

ラスベガス ショーガール

ラスベガスの街を歩きながら、頭の中ではエンディング『New Skin』がずーっと鳴ってました。

それにしても、なんで、あんな、クズみたいな作品が好きなの? と問われても、私にはなんとも答えようがありません。

皆が皆、名画好きでなければならない理由はないし、「好きなものは好き」それでいいんじゃないかと。

カジノと18禁ルール 大人と子供を区分せよ

ラスベガスといえば『カジノ』。酒、麻薬、売春、マフィアのイメージがありますが、現代のラスベガスは犯罪とは無縁の世界ですよね。少なくとも、観光地として賑わっている表の部分は。

その証拠に、メインストリートを歩いている観光客の大半が家族連れだし、上層階に行けば、地位も名誉もあるお金持ちがいっぱい。
雰囲気的には「大人のディズニーランド」といった感じ。ホテル内のカジノの脇を、ベビーカーを押した家族が行き来し、幼子がパタパタとホールを走り回る、それが当たり前の風景です。ある意味、日本のネオン街より、はるかにクリーンで家族的です。シアター案内のサンドイッチマンはいても、客引きの黒服や風俗のチラシのアルバイト、暴言を吐く酔っ払いや、違法ばりばりのヤンキー車もないですから。

では、世界中から親子連れの観光客がやって来て、真夜中まで楽しく遊べる秘訣は何かと問われたら、『大人と子供の区分がきっちりしている』という点でしょう。

これは私が経験したエピソードです。

あまりの暑さに喉を潤そうと、路上のダイキリ・バーに立ち寄り、いろいろ試飲していたところ、うちの息子が「ママ、何してるの~?」
とカウンターにやって来ました。

その瞬間、カウンターレディが「ここは子供が来る場所じゃない! すぐに立ち去りなさい!」と一喝。

私と夫は「うちの子が様子を見に来ただけです」と説明しても、「我が子だろうが、なんだろうか、ダメなものはダメ! そこの看板に書いてあるでしょう。子供はロープの内側に入るな、と。アルコール売り場に立ち寄ることは絶対に許されないの!」と厳しく叱責され、私も夫も認識の甘さに反省することしきり。

そりゃもう、すごい剣幕でしたよ。

多分、アルコールの売り場に子供が居るのが見つかったら、カウンターレディも親も即行で逮捕(拘束)されるのでしょうね。

それはホテル内のカジノ場も同様でした。

カジノ場は、ホテルの一階や地階に、まるでレストランかゲームセンターみたいな感じで、普通にオープンしていて、大人なら誰でも気軽に立ち寄ることができます。一般向けのカジノは、許可も、ドレスコードも必要ありません。

私たち家族も「これが本場のカジノか。すごいねぇ」と、色とりどりのマシンに目を見張りながらホール内を廻っていたのですが、歩き疲れたうちの息子がスロットマシーンの椅子に腰掛けた途端、警備員が飛んできて、「子供はカジノの席に就いてはいけません!」と、またも叱責。

警備員いわく、「遊ぶつもりはなくても、カジノの席に腰掛けること自体が違法なのです。脇で見る分には構わないけど、絶対に子供を座らせないで」。

ホテルのカジノ場も、家族連れが行き交うホールのど真ん中にあり、ロープで仕切られているわけでもなければ、チェックインのシステムがあるわけでもない。まるで旅館のSEGAマシーンみたいに、ほんと目の前にルーレットやポーカーのテーブルがあるんですね。そして、幼児が大人が遊ぶ様をすぐそこで見ている。そこまではOKだけども、賭け事の席に就くことは、たとえ「数分の休憩」でも絶対厳禁なのです。

言い換えれば、そこまで徹底した区分があるから、赤ちゃん連れでも安心して遊ぶことができる。

もし、酒場もカジノも「なぁなぁ」で、高校生が大人の振りして酒を飲み、賭け事を楽しむような雰囲気なら、世界中から家族連れが訪れることなど、まず無いし、まして地位も名誉もあるような富裕層は近寄りもしない。

「なんでもOKすれば皆よろこぶ=客が増える」というのは大間違いで、世の中の大半の良識ある大人は、ルールの無い遊び場には行かないのです。

日本でもカジノ構想が盛んに言われていますが、ラスベガスのように「大人のディズニーランド」として機能させるなら、シアター、レストラン、路上のカウンターバーまで、徹底したルールが必要だし、その基本となるのは何かといえば、やはり「大人と子供の区分がはっきりしている」という認識でしょう。

中学生が煙草をふかして、飲酒もOKみたいな遊び場を「自由でいいね♪」と喜ぶような層と、ラスベガスの一流ホテルで数百万を使うような層は決して一致しないし、デヴィッド・カッパフィールドのショーを見て、スカイラウンジでフランス料理を楽しむようなカップルは、警備員が見て見ぬ振りするようなカジノでは遊ばない。

良い金を集めたければ、良識あるルールの徹底は必須だと思います。

「何でもOK」というのは、自由に見えて、その実、真面目に社会の規範を守っている人に対して非常に不公平であり、どこにターゲットを合わせるかで商売の行方も大きく違ってくるのではないでしょうか。

レオ様に釣られて、つい遊んでしまった『TITANIC』のスロットマシーン。10セントだけ勝ちました^^;

自分の目で見ることの意義

私もさほど乗り気でないながら、付き合いで行ったのですが、やはり映画や巷の噂を通してラスベガスを知るのと、自分で実際に行って体感するのでは大きな違いがあるとしみじみ思いました。
正直、あれほどたくさんのアジア系観光客がいるとは思わなかったし、カジノも規制が厳しいとはいえ、旅館のゲームコーナーみたいに非常にオープンで家庭的な場所だと分かったし、実際にあの地に行ってみないと、観光地としてのカジノ町の凄さは理解できないと思います。カジノというと、どうしても「マフィア」「犯罪」のイメージが強いですからね。確かに、そういう筋もあるのだろうけど、クスリやオンナが欲しければ地下でやって、庶民の健全なパブリックスペースに未成年の飲酒やユスリ・タカリを持ち込まないで、という表社会の徹底した管理が人気の秘密ではないかと思います。

日本でもカジノ論争があって、多分、悪いイメージを抱いている人が圧倒多数だと思いますけど、それもラスベガスに行けば考えが変わるでしょう。
そして、カジノ推進者も、ラスベガスみたいなエンターテイメント区域を作りたいのだろうけど、一度も行ったことのない人に「家庭的なカジノ場」を説いても決して理解されないし、果たしてラスベガスみたいに「大人と子供の区別」「白と黒の分離」が徹底できるかなという疑問もあります。普通の盛り場でも、チンピラが路上でクスリを売って、ヤンキーの改造車が往来を行き交って、黒服が客引きするような社会ですのに。

なんにせよ、説得する方も、される方も、実際を知らずに論議はできないし、推進するなら「実際」というものを形にして示さないと、イメージだけで拒否されて終わりでしょう。

そういう意味でも、自分の目で見て体感するというのは本当に大事だし、皆が皆、内向きで、海外経験もナシという人が増えると、いろんな意味で国家的損失だと思います。

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なぜエンターテイメント大国と成り得るのか

ラスベガスといえば、カジノ以外にも、一流のパフォーマンスが手頃な値段で鑑賞できるのが大きな魅力です。

数年に一度の来日公演など待たなくても、マライア・キャリー、ブリトニー・スピアーズ、セリーヌ・ディオンといった大物のショーが数千円から一万円ぐらいで普通に楽しめて、それも年中やってる。

各シアターでも、シルク・ドゥ・ソレイユみたいな芸術性の高いパフォーマンスが連日催行され、観劇だけでも十分に価値があります。
それも一つや二つではない、大仕掛けなスペクタクルから個人のコメディまで、数十と演目があって、数日の滞在期間にどれを見るかで悩むほど質数ともに充実しています。

こんな一流のパフォーマンスが、すぐ隣の町、あるいは飛行機で2~3時間ほどの所で手軽に鑑賞できるとあれば、必然的に観客の目も肥えるし、観客の目が肥えれば、パフォーマーもますます切磋琢磨するようになる。この双方向性があるから、エンターテイメントの世界も果てしなく広がっていくのでしょう。

人にも様々な能力がありますが、世界の極みを目指すなら、やはり幼少時から「一流のものに触れる」というのが重要なポイントだと思います。

ラスベガスの芸術的なスペクタクルに日常的に親しんでいるのと、学芸会ぐらいしか経験がないのでは、発想も感性も全く違いますし、世界の数千万人が熱狂するようなものを作ろうと思ったら、○○村歌謡コンテストのレベルが最高だと思っている程度では、到底、太刀打ちできないですからね。

そう考えると、「すぐ隣の町で」、世界レベルのパフォーマンスを毎日のように催行していて、それが当たり前の日常に住んでいる社会の子供たちがが、大人になった時、一流のエンタテイナーになるのは自然な流れですし、○○村歌謡コンテストの世界しか知らない子供が知識や感性のギャップを埋めようと思ったら、相当に努力しないと難しいのではないかと思います。

マライアやブリトニーが世界の一流と成り得たのは、もちろん、プロダクションなどの力もあるでしょうけど、ディオンヌ・ワーウィックやドナ・サマーといった一世代前のスターを間近に見て育った影響も大きいでしょうし、いくらTVやネットが発達しても、生の声量、ステージの存在感、会場の熱狂までは伝えられないですからね。

ラスベガスの近所に住んでるとか、ほんと羨ましいし、あのスペクタクルを見る為なら、バイトも節約も厭わない。

エンターテイメントの極意は、やはり、『観る人に夢を売る』かもしれないですね。

ちなみに、真夏のラスベガスは、連日、摂氏40度以上。人間が耐えられる気温ではないです。屋外でじっとしているだけでも水分を失って、体力を消耗します。だから、昼間、町中を歩いている人がほとんどない。そのくせ冬は零度を下回るのだから、自分から好んで住みたいとは思わないですよね。よほどの理由がない限り。

でも、週末ごとにマライアみたいな大スターがやって来て、素晴らしいスペクタクルを年中通して楽しめるとなれば・・老後の楽しみにいいかもしれません。お金があれば、の話ですけど^^;

まあ、ラスベガスを本当に楽しみたければ、一晩に百万ぐらいサクっと使える財力がないとダメだね。

庶民は、ブランド店も、一流ホテルも、指をくわえて通り過ぎるだけ。

ヒヤヒヤしながらルーレットに20ドルを賭けたって、何も楽しいことなどないです(´д`)

笑わないディーラー

せっかくカジノに来たのだから、一度は賭け事を体験しようとルーレットにチャレンジしたのですが、結果は……内緒です(^x^)

ちなみにディーラーの大半はアジア系。

それも非常に訓練されていて、こちらが冗談を言っても笑わない(微笑んでも、アハハと笑うことはない)。質問しても応じない(遊び方は説明してくれるが、それ以外の質問はガン無視)。

問答無用でルーレットを回し始め、勝っても無言、負けても無言。

淡々とゲームを進める。

『カジノロワイヤル』ならぬ、『カジノ禅宗』の世界です。もしやあなたは達磨大師? みたいな。

まあ、べらべらとお喋りなディーラーも気持ち悪いですが、ここまでプロ意識に徹底されると、私みたいな人間は逆に落ち着かないというか、「場違いな人間が遊びに来て、すみません^^;」という気分になります。

ちなみに記念撮影も禁止。お愛想も歓迎されません。

客は黙々と賭け、ディーラーは淡々とルーレットを回す。

間違っても、『007 カジノ・ロワイヤル』みたいな、お洒落な世界を期待してはいけない。少なくとも、庶民向けのカジノでは。

そんでもって、スティーブ・マックイーンの『シンシナティ・キッド』みたいな世界も特殊ですよね。

庶民向けのカジノでは、全てはコンピューター制御され(ポーカーは別だと思うけど)、ルーレットもスロットマシーンも客が何百万と勝つことはないし、聞いた話では、儲けが10万円を超えると店側から「待った」がかかるみたいです。監視カメラの数も凄いです。

それでも賭けをして遊びたいか?? と問われたら、一生に一度、1万円ぐらいで十分ですね(-_^;)

私は賭け事にも宝くじにも向きません。

私も、シルク・ド・ソレイユの『Ka』が見たかったのですが、残念ながら、チケットが取れず。

https://www.cirquedusoleil.com/ka

デヴィッド・カッパフィールドも見たかったのに、「一席、100ドル?? 無理、無理ぃ」と家人に言われ、断念(値段は季節により変動。やはりサマーシーズンは高い)。

悔しいから、MGMのライオンだけ撮ってきた。そういえば、『ショーガール』にも「MGMを逆さに言えば?」「MGM」という、オーディションのシーンがありましたな。

ラスベガス MGM

自由の女神あり、ディズニー城みたいなメルヘンホテルあり、ジェットコースターあり、作ったもの勝ちのラスベガス。

ラスベガス