自分を語る少女たち 内なる孤独から解放されて

2017年9月15日メルマガ書庫

先日、NHKの『クローズアップ現代』で、自分の内面を歌う浜崎あゆみchanや鬼塚ちひろchanと、それに共感する少女達をテーマにした番組が放送されました。
自分の心の傷や闇をストレートに言葉に表現するAyuやChiro嬢の歌には、たくさんのファンがあり、その世界を共有することで、安心感を持ったり、連帯感を深めたりしているそうです。

今は、ホームページもそうですけど、自分の心情をありのままに吐露したものが多いですよね。
番組の中で、某氏は「自己紹介の世界」とコメントしておられましたけど、大部分がそういう種類のものだと思います。
「私って、こういう人なのよ」
「私の葛藤を解ってちょうだい」
世界の中心は、あくまで『自分』なんですよね。

ただ、気になるのは、その「心の世界」の大半が、孤独や淋しさを歌ったものであるということ。

私も、授業中に、ノートの隅に、鬱屈した若い感情や大人社会に対する疑問や矛盾を延々と書き連ねていた類なので、彼女たちが、
「私の居場所がない」「誰も答えてくれない」「死にたい」
みたいな、内にこもった焦りや孤独を切々と書き連ねる気持ちはよく分かります。
自分という人間が何者か解らない上に、誰にも解ってもらえない苦しさや切なさ。
どこに自分の心を預ければいいのか、何を信じればいいのか解らない、もどかしさ。
呼べど、叫べど、誰も応えてくれない虚しさ。

今となっては、懐かしいくらいですけれど・・。

十代、あるいは二十代の前半に、そうやって徹底的に自分の内面を見つめ、自分の弱さや脆さを何らかの形でさらけ出す時期を持つということは、とても大切なことだと思います。
というより、大人になるための、一種の通過儀礼だと思うんですよね。

言い換えれば、それこそ「若さの印」みたいな。

とりわけ今は、皆が愛に餓えている。
人との繋がりは増えても、実が伴わない、というのでしょうか。
大人からして、愛に渇いた淋しい人が多いから、子供はもっと渇いている、そんな印象を受けます。

でも、突き詰めれば、その虚しさも苦しさも、すべて自己愛がもたらしていると思うんですよね。

少女達も苦しい。
その淋しさもよくわかる。
死んでやろうかと思う、その気持ちも、決して否定はしません。

だけどね、そこから抜け出す方法って、たった一つしかないんですよね。

似たような境遇の人間を何百人、何千人と自分の周りに集めたところで、心の中の空洞は決して埋まるものではありません。
たとえ世界中の人間が、あなたの淋しさに共感し、励ましをくれたって、それは一時の慰めでしかないんですよ。

なぜなら、人に愛や理解を求めること自体が、心に空洞を作るから。

「私って、こういう人間なのよ」「私の淋しさを分かってちょうだい」
それは、あくまで、自分を満たすだけのものなんですよ。

そして、世界中の人間が、心の空洞を満たして欲しいと求めている。
皆が、自分のことで頭がいっぱいなのに、どうして、あなたの事にまで一生懸命なれるかしら……クールな言い方をすればそうです。

皆、自分のことで精一杯なんですよ、この世界では。
そして、それが当たり前。

だから、人に満たしてもらおう、愛を与えてもらおうと待っている間は、決して心の闇から逃れることは出来ません。

自分が与える側に回った時──与える喜びを知った時──
はじめて、生まれ変わるんですよね。

多くの人は、自分から人に尽くしたり、優しくしたりすることは損だと思っている。心を与えたら、自分のエネルギーが減ると思っている。
そんな感じがします。

真実は、まったく逆で、与えるほどに与えられるものなんですけど。

愛する悦びを知れば、人は変わるわ、ホントに。

淋しい言葉を書き綴っている少女たちも、今、自分に向けている深い自己愛を、惜しみなく注げる相手を見つけたら、きっと生まれ変わると思うんですよね。

言い換えれば、自分の淋しさや悲しさでいっぱいの時は、誰も愛していない証拠なんですよ。

突っ張ったり、尖ったり、自分で自分を傷つけてみたり……
彼女たちも、苦しく、もどかしい思いで一杯なんだろうなと思います。
個性的だの、人気者だの言われても、根は、淋しんぼうの、甘えったの子供のまんまなんですよ。渇いてる──というんですかね。

だからこそ、いつかこの時期を脱して、輝かしい未来を手に入れて欲しいなあと思うんですよ。
愛という心の糧を得てね。

「自分」にそこまで純粋な愛情を注げるのだもの。
ふさわしい出会いがあれば、愛にあふれた美しい女性に生まれ変わると思いますよ。ホント。

「餓える」という感情は、「与えられない」事実から発生するんじゃない。「求める」欲望から発生するの。

その点に、早いとこ気付いて、内なる孤独(自己愛)から解放されて、幸せをつかんで欲しいなあと思います。

若い女の子がじめじめとポエムを綴るのは、やっぱり淋しいですよ。
それよか、素敵な恋をして、美しく輝いて欲しいです。