子育てコラム

ゴメンネの効用 子供の癇癪

2006年1月25日

癇癪ビデオを撮影した日を境に、不思議と、癇癪が沈静化しました。

今では、ほとんど泣くこともなく、いつもニコニコと楽しそうで、「あの癇癪は何だったのだろう」と不思議なくらいです。

その間、私がまず実践してみたのが、「無言ニコニコ抱っこ作戦」。

無言といっても、完全に沈黙してしまうのではなく、自分の喋りやすい言葉――取って付けたような慰めや励ましの言葉ではなく、心から自然に出てくる言葉を大事に、接してみるようにしたのです。

その為に、「無言」の間が出来たとしても、それはそれで構わない。

その分、心で抱きしめる。

そういうのを試してみたのです。

すると、自分も落ち着くし、子供もずいぶん静かになる。

親の落ち着き=子供の落ち着きみたいです。

元々、こうなった原因の一つには、一時保育でできた時間と距離の隙間を一気に埋めようと、あれこれ働きかけ過ぎた……というのがあると思います。

私の方が、「子供に嫌われるまい、愛想づかしされるまい」と必死になってしまって、何かにつけて不自然で、緊張した面持ちになっていたような気がします。

癇癪が起きれば、余計に、無くしたものを一気に取り戻そうとして、子供の気持ちより、自分の願望優先になってしまってたのじゃないかな。。。

自分がしんどいと感じる働きかけは、たとえ、それが「正しい行い」や「正しい声かけ」であっても、子供にとってはプレッシャーになるのではないかと思います。

子供は一人で遊びたがっているのに、親の方が無理矢理、抱き上げようとするのも、それは「触れ合い」ではなく、「身勝手」なんだな、と。

あと、もう一点は、「ゴメンネ」の一言です。

息子が癇癪を起こすのは、大体、「自分の触りたいものに触れなかった時」で、今までは、

「それは、アチチだからダメ」
「怪我するから、触ったらいけないよ」

というような言い方をしてきたのですが、最近は、「ゴメンネ」の一言を添えるようになったのです。

「これはアチチだから、触ったらダメなのよ、ゴメンネ」
「触りたいのは分かるけど、ナイナイしとこうね、ゴメンネ」

別に、子供に媚びて、謝ってる訳じゃないんです。

子供にしてみたら、ハサミでも、熱い鍋でも、触りたくてしょうがない。

でも理由の分からないまま、一方的に取り上げられる訳ですから、やっぱり悲しし、いじめられているような気分になるだろうなあ、って。

そう考えたら、「ゴメンネ」って、添えた方が、私には自然に感じられるんですね。

そうすると、不思議なことに、子供も納得するのです。

確かに、取り上げられたら、「アーッ」と声を出したり、床に寝ころぶまではするけれど、それから先が無いんです。

「あ、そうなの?」みたいな表情で、むくっと起きあがると、もうニコニコ顔で次の遊びに入っていくんですね。

以前なら、泣いて、転げ回って、ひどい時は、床や壁に頭をゴンゴンして、大変な嵐だったのですが。

なんで急にこんなに物わかりが良くなったのか、本当に不思議です。

「ゴメンネ」の気持ちが通じたのかなあ、って。

もしかして、「子育て」って、こんなに単純なモンなの? って。
小躍りしたいくらいに。

おかげで、私は、気持ちがずいぶん楽になりましたし、今は子供と接しているのが楽しくてしょうがないです。

前は、子供が保育園から帰ってくるのが恐怖で、今日はまたどんな癇癪を起こされるかと思うと、お腹がギューンと張ってくるような時もあったのですが。。。

そして、私の方が、心から「楽しい」と思えば、子供もハッピーになるんですね。

今はホントにホントに始終ご機嫌で、「あ~、以前のHappy babyが帰ってきたー!」って、嬉しくてしょうがないです。

11月、悪阻が悪化した頃から、私もイライラ、ウツウツとしがちで、決して良い状態ではありませんでした。

しんどい時は、子供を追い払う事もあったし。

「も~、頼むから、あと10分、寝かせてよ~っ」って。

子供に手を引っ張られても、振り払って、子供のワンワン泣く声を傍らに聞きながら、ソファに横になってた時もありました。

その頃から、子供と私の間には、どこか固いシコリのようなものが感じられるようになり、とりわけ、一時保育が始まってからは、それを取り除くのに躍起になっていたような気がします。

きっと、私のこと、怖かったんだと思います。

「今までのお母さんと違う!!」って。

やっぱ、二人目を身籠もると、上の子の、「蹴る、飛び乗る、甘える」という行為を、
どうしても遠ざけてしまいますからね。

そして、怒りや不安を感じても、言葉に出来ないだけに、親に訴える術も無く、床を転げ回ったり、頭を打ち付けたりすることでしか、自分を表現出来なかったのだと思います。

私の方で、心持ちを変えることで、びっくりするほど改善したのは、「ちゃんと受け入れてもらっている」という安心感が取り戻せたからでしょうか。

あるいは、この一ヶ月ほど、好きなだけ癇癪を起こして、子供なりに発散できたのかもしれません。

とはいえ、これから先、まだまだ難しい時期はあるわけで、その度に、腰を抜かすような場面に遭遇するかと思いますが、今回、とことん悩んだ甲斐あって、ちょっと自信が付いたというか、「育児の本当の楽しさ」みたいなものが、何となく分かってきたのは、大きな収穫だったと感じます。

100人の子供があれば、100通りの対処の仕方がある訳で、「じゃあ、自分の子供には、どう接すればいいのか」というのを見出すのは、まさにその母親の努めと言えましょう。

そして、誰のコピーでもない、「自分とその子とのオリジナルのやり方」を見出した時、親としての本物の自信、育児の楽しさが実感できるような気がします。

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