拝啓、バナナラマのお姉さま方。『大人の女』って何ですか?

2017年11月15日音楽

昨今──というか、昔からそうだけど、女性の場合、とにかく「若く見える」というのが重視されますよね。

「とても40代には見えない」とか。「少女みたいなツルツルのお肌」とか。

でも、しょうがない。

綺麗な人と、そうでない人では、 厳然たる差がありますもん。

これ現実と受け入れて、そう思われたくなければ、仕事でも、人付き合いでも、子育てでも、何かしら一所懸命に努力して、自分自身も周囲も納得するような方向に持って行くしかない。

私も、もう、さすがに年齢を感じるようになって、「やっぱ若いって、イイナ」とつくづく思うし、若い子がとにもかくにも「おばちゃんになったら終わり」と思う気持ちも非常によく分かります。

それは社会がどうこう、というより、女性としての素直な気持ちですよね。

あの頃に比べたら、「目尻に皺」「頬にたるみ」「瞼に腫れ」等々、だんだん容姿が衰えていくのを目にするのは、やはり残酷だし、悲しいこと。

「女性は年齢じゃない!」とか言っても、所詮、負け犬の遠吠え。

若い子の、立ってるだけでキラキラ、プリプリには、絶対に勝てないし、その頃にも戻れない。

あとはただただ白髪が増え、皺だらけになっていく自然の摂理を受け入れるしかなく、それは元が美しいほど落差に傷つくと思います。

だから、見た目でバカにしないで。おばちゃんと一括りにしないで。という流れになるんですけどね。

でも、やっぱり、若い娘さんには勝てないですよ(笑)

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そのせいか、「大人の女」に憧れる風潮もだんだん廃れているような印象を受けるのですが、気のせいでしょうか。

私は幼稚園の頃から「超絶おませさん」でしたから、「大人の女」への憧れもひとしお。

早く大人になりたい

小学校、中学校を通じて大人願望は非常に強くて、高校を卒業するのも楽しみで仕方なかった。

18歳になったら、自分の裁量で好きな事ができる!

とにかく大人の女になりさえすれば、自分の好きなことが思い切りできて、好きな人ともロマンティックなデートを楽しんで、誰にも踏まれず、痛めつけられず、誇りをもって人生を生きて行けるものと頑なに信じていました。
大学に行かずに高卒社会人デビューを選んだのも、一日も早く大人になりたかったからです。たとえ大学生でも「親に養われる」=「子供」でしたからね、私の場合は。

そしてまた、TVには素敵な大人の女性のローモデルがいっぱいあふれてました。

桃井かおり、大竹しのぶ、倍賞千恵子、倍賞美津子、田中裕子、田中良子、浅野温子、太地喜和子、阿木燿子、岩下志麻、ジュディ・オング、、、、

桃井さんとか、化粧品のコマーシャルで「湯上がり、卵肌と言われていた桃井がよ~」とか言った瞬間、マックスファクターのSK-Ⅱ(でしたっけ)が飛ぶように売れて。

田中裕子がチューハイのCMで、浴衣の裾をはだけて「タコが言うのよ~」と言うだけでチューハイが飛ぶように売れて、おっちゃんサラリーマンが鼻の下を伸ばして。うちの父親でも画面に釘付けになってたくらい。

そりゃもう、今の美魔女など逆立ちしても敵わないほどの存在感と影響力。ついでに演技力も桁違いに素晴らしく。私などは「日本女性」といえば「倍賞美津子」というくらい憧れていました。

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しかしながら、いつ自分が「大人の女」になったか、そもそも「大人の女」と「小娘」「ガキ」の違いはどこにあるのか。

その境界線は今もよく分かりません。

「強くなった」といえば、超合金ロボ並になったのは確かだけども、それ以外・・桃井先生や倍賞美津子さまに比べたら・・遜色しまくってるし、今でも気持ちは「ババ嬢」というか、カラオケパブで「I can’t stop the loneliness.. どぉしてなの~ 悲しみが止まらな~い」とか歌ってた頃のまんまなんですよね。

どうやら、私の志す大人の女路線からは大きく逸脱し、「こんなはずじゃなかった」の生き字引と化してるようです。

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戻れるなら少女の頃に……ではなく、「大人の女に憧れていた頃」に戻りたい。

大人の女って、何やら素晴らしいものに思えた、あの頃の気持ちですよね。

そんな大人の女への憧れを掻き立ててくれたのが、バナナラマの『ヴィーナス』をはじめとするヒット曲です。

代表作の『ヴィーナス』。日本では長山洋子が日本語訳で歌ってました。


これも典型的な80代ディスコのヒット曲。さびの部分が、ああ、ミラーボール・・って感じ。


I can’t Help It これも、ああ、振り付け・・って感じ。


非常にノリのいい曲。Precher Man。メロディとコーラスがすごく好きです。


他にも、I Want You Back とか Love In The First Degree とか、おっちゃん・おばちゃんには耳に馴染みのある曲ばかり。

明るく、パワフルで、「負ける」とか「衰える」とかいう言葉とは全く無縁な80年代の女性の象徴ですよね。

今の10代20代から見れば、「なんで、あの頃の女性は、あんな元気で、根拠のない自信に支えられているのですか」と首を捻りたくなるだろうが、それは別に景気がいいからでも、社会全体がイケイケだったからでもなく、まだまだクラスの人数も多くて、「芋の子を洗う」ような中で育っているというのも大きいと思います。

みなが「バナナ、100円均一、叩き売り状態」で、周りの大人も、親も、そこまで一人一人に構ってなかったし、なんせ、みんなチャンコ鍋みたいにぐしゃぐしゃしてたから、一歩でも前に出よう、自分を主張しようと思えば、強くならざるを得なかった部分が大きいですよね。受験にせよ、恋愛にせよ、遊びにせよ、何でもそう。そこまで「子供の権利」の意識もなくて、教師には叱られ放題だし、出来の悪い子は全校生徒の前で晒されるし、学校でいかにしてヤンキーに絡まれずに生きて行くかも身をもって学ばないといけない。それでだんだん反射力や忍耐力や、いろんな力が培われていったような気がします。

それでも、やはり憧れは「しっとり、おしとやか、だけども芯が強くて、優しい」という、倍賞美津子が体現したような日本女性で、そうなろうとした時もあったけど、やはり私には無理だった。

そして今はバブルの敗残兵として、東欧の片隅に生きています。

まあ、それもよかぁたい、と思いつつ。

あの時、お立ち台で踊る勇気も持ち合わせればよかったと、ちょっぴり後悔しているこの頃です。

大人の女とコドモの違い

・自分で物事の始末がつけられる

・「誰かに幸せにしてもらおう」という発想がなくなる

・キモいおじさんにも優しくできる

・ムカつくことがあっても、まあ、いいかと気持ちを切り替えることができる

・自分にYESと言える

・自分の欠点を他人に知られても気にならない

・人間には、どうしようもない事もある、が理解できるようになる

・イライラしない。慌てない。

・万事、いつかは収まるところに収まる、と泰然と構えることができる

・人間、みな、それぞれに愛しい、という境地に立つことができる

アイテム

BANANARAMAのVENUSは『True Confessions』というアルバムに収録されていますが、アルバム全体としてはPop Lifeの方がおすすめ。

日本で聞けるかな?

Photo : http://www.newarkfestival.co.uk/line-up/saturday/bananarama