詩想

『現状を好転させるためには何をなすべきか』 #『質問』の答え

2017年9月23日
https://flyingquestions.tumblr.com/post/165616370505/問題が溢れています現状を好転させるためには何をなすべきかたった今考えてみましょうか

問題が起きると、人は一足飛びに問題を飛び越そうとします。

問題が起きると、人は自分を安心すべく理屈を並べます。

問題が起きると、人は自分を庇って言い訳を始めます。

人が問題を解決したい最大の理由は何か。

それは痛み苦しみを早急に取り除いて欲しいからです。

個人の痛みにせよ、社会の弊害にせよ、長引いて嬉しいことなど一つもありません。

だから、どんな人も、一足飛びに問題を飛び越そうとする。

少しでも痛みを和らげようと、こんなのは大した問題ではない、自分のせいではない、と、声を大にして叫びたくなる。

問題の根本を一つ一つ修正するより、一気に解消する方がうんと楽だからです。

だけども、問題の根が深ければ深いほど、一気に解消するのは難しい。

まして、自分から目を背けて、どうして問題が解決できるでしょう。

それは、さながら、正しい食生活も生理学も自分の正確なスリーサイズも何も知らないのに、一ヶ月でみるみる痩せる魔法のサプリメントに飛びつく心理と似ています。肥満の原因やより良い解決策について考察するより、手っ取り早くサプリで10キロ痩せる方が労苦も少ないですから。

でも、魔法のサプリで10キロ痩せても、自分の中に肥満の原因がある限り、また太ります。食べ過ぎとか、運動不足とか。

「もう一品減らす」とか「間食をやめる」とか「一日一時間歩く」とか、非常に遠回りですけど、本当に健康的な肉体を取り戻したければ、地道にそれを続ける以外に方法はないんですね。

問題を一気に飛び越すことを『革命』という言葉で表現するならば、革命とは、毎日の変化の積み重ねです。

フランス革命だって、一夜で成り立ったわけではない。

そこに至るまで、社会とは、国家とは、人権とは、それを日々考え続けた幾千の人がいて、個々の思想を育てる書物やコミュニティがあった。

国家が転覆するのは一夜でも、今日明日の思い付きで社会が変わるわけないのです。

ベルリンの壁の崩壊しかり。

それを人の一生にたとえたら、日々、自分の考えや行動を変えていくしかない。

押し入れを整理する、音信不通の友人に連絡を入れてみる、一日一時間はスマホを閉じて本を読んでみる、十年前にやめた趣味を再開してみる、etc。

「なんだ、そんな事」と思うようなことが、いつでも革命の始まりなのです。

Q. 『自分がいい年になって死ぬような時、何のためにやったのかわからなくても、これだけのものはやれたということでいいんですか。』

A. 
そんな総括する必要はないんじゃないですか。人間なんてある日突然川に落ちて死んだりするんですよ。

≪中略≫

つまり、価値が相対化している社会の中で、いろんなことが激動していて、その中から、自分がこれだと考えて、考えて、六十五歳になって、自分がやることは、女房を可愛がることだとわかった時、女房が死んでいたなんてことになって、そんなことはまったく無意味だと思うんです。

さしあたって自分が今、作る言葉、作る世界、今かかわっている現実っていうものに対して、自分が名付けられるもの、その親しい世界と、自分とが向き合えるという姿勢を持てれば十分だと思うんです。それがほんとうの革命のはじまりなのです。

(1973年4月21日 「新入生歓迎特別講演」記録)

気球乗り放浪記 (1975年) 寺山修司

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