善人には善人の運

Facebookからの転載です。

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医療や福祉の現場にいると、「なんで、こんなにいい人が、こんなに苦しまないといかんのかなー」と思うことがよくあります。
ほんと「善人の上に光り差さず、大欲、これ王の如し」で、病院でも婦長や院長にネジこんで要求する人が、他よりいい待遇をされて、この世はほんと、不条理の塊ですワ。

でもね、じーっといろいろ見てると、やはり善い人には、善い人なりの「助け」が訪れるのね。医者も看護師も人間ですから、やはりつらくともニコニコ、「おかげさん」の気持ちで頑張る人には、みな手と心が吸い寄せられるのです。
みな「この人は救わねば!」という気持ちで診るから、早期に病巣が見つかったり、患部の異常に気付いたり、その道の権威みたいなドクターに手術してもらえたり、何かしら、医学的にラッキーな事が起こりやすいのです。

福祉もそう。身よりもなく、絶体絶命みたいな人が、非常に運良く特養老に入れたり、誰某のツテでベテランのケースワーカーに巡り会えたり、やはり周りが一所懸命になるんですね。

「嫌な患者を差別する」ではなく、「より一所懸命に心を注ぐ」という意味です。

苦境に陥ると、誰でも投げやりになるし、人間やめたくなることもあるけれど、最後まで愛情や良心を持ち続けると、いい事もあります。
きっと、今この瞬間も、漫画の女性のように、絶体絶命の状況に置かれた方、たくさんいらっしゃると思いますけど、この世は利己的な悪人ばかりではないですから。頼れるところは頼って、最後には「あの時、一所懸命に看病したから」と思えるような運が巡ってくることを願っています。

この「夜廻り猫」さんて、いいですよね(^^)

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追記。

私が今でも忘れられないのは、ほぼ同時期に、同じような血管閉塞の症状を呈した患者さんのことです。

どちらも50代男性で、同じ病気で通院されていた方でした。

ある日、Aさんが「足先が冷えるので、湯たんぽして欲しい」と仰ったので、ベッドシーツをめくって、湯たんぽをセットしました。その際、足先の冷たさが尋常でない、しかも、はっきりと左右差があるのに気付いて、すぐに足の甲の動脈の血圧を測ったら、冷たい方の足が極端に低くて、脈の触れ方も弱い。

これ、足の上の方の、太い血管が詰まってるんじゃないかと思い、話を聞いてみたら、「最近、歩いていると、足がだるくなるので、マッサージに通ってるねん。座骨神経痛やろか」。

ちゃうちゃう!!

その重だるさは血管だよ!!

すぐにドクターをつかまえて、紹介状を書かせて、市内で一番の専門病院に行って頂きました。

そしたら、受診したその日に入院と手術の段取りが決まって、二ヶ月後には完治して、「冷え性が治った」って。
おまけに、血管外科の権威みたいな先生に手術してもらえて、ほんとシャンシャンの事例だったのです。

でも、最大の要因は、こちらの指摘を重く受け止め、すぐに受診されたこと。

あんたら(医療スタッフ)が、そうまで言うからには、大変な事態なのだろうと信じて、こちらの指示通りに動いて下さったのが幸いしたんですね。

対して、Bさんは、同じ症状、同じ年齢、条件はほとんど変わらないのに、「あの病院はイヤ」「入院するなら特別室」「執刀するなら、市会議員の○○さんの紹介のドクターで」と、話が二転三転するうち、どんどん長引いて、結局、血栓が詰まって、亡くなってしまったのです。

あの時、うちの紹介状を持って、さっと受診して下されば、もっと早くに適切な手当ができただろうに、(言葉は悪いけども)ゴネて、ゴネて、ゴネまくって、市会議員やら、何やら、振り回すうちに、完治する機会を逸してしまったのです。あるいは、ココが最高と思って指名したドクターや病院との相性がイマイチだった、という面もあるかもしれません。

人間って、ほんと、些細なこだわりや見栄で、幸福になる機会を逸してしまうし、猜疑心が強いと、救いの天使も詐欺師に見えて、遠ざけてしまうのね。

私もいろいろ見てきて、つくづく思うけど、善人には善人の運の巡りがあって、何かしら、物事が上手く運ぶようにできてると感じます。

こういう言い方をすると、語弊があるかもしれませんけど、入院患者さんでも、医師や看護師が「うわー、この人、クレイマーだ。あんまり関わりたくない」と感じると、訪室の時間も少なめになるし(突っ込まれる前に逃げたいので)、当たり障りのない対応しかしなくなるのね。

でも、素直で可愛いおじいちゃんとか、リハビリに一所懸命なおばあちゃんとか、病棟でも人気者で、医療スタッフの方が癒やされるぐらい。用事がなくても、「●●さんとこ行ってこよ~」って、お喋りに花が咲いたり、同じように入院しても、病室の明るさが違うんですね。たとえ、余命一ヶ月で人生を終わるとしても、最後まで周りに愛されるのと、傍に敬遠される中で孤独のうちに死ぬのと、全然違うと思うのです。そして、人生のステージも、そこまで来ると、金持ちも社長も関係ない。ただただ、『山田太郎』という、一人の人間があるだけです。

生きている間、皆が皆、物事に成功して、あれもこれも手に入れられる訳ではないけれど、善人には善人なりの、善いものが付いてきて、最後は案外納得できるものです。

自分に何もなくても、人間の善性というのは、必ずどこかで報われますから(それは本当に人生の最後の最後かもしれないし、死後いつまでも語り継がれる優しさかもしれない)、自棄を起こさずに、運の巡りを信じて欲しいなと思います。

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