そりゃね、ワタクシの年代で、ヤマトも999も見てない――という人は、希有ではないかと思います。
これをリアルタイムで見た時のインパクトというのは、今の子供達の比ではないですよ、本当に。
私はもともと、天文学とか星座物語なんかが大好きで、ほとんどの星座は記憶していたし、小学校の頃には、貯金をはたいて大型反射望遠鏡(今の価格で30万ぐらいですか)を購入しようとしたぐらいですから、大変な熱の入れようだったのです。
望遠鏡については、親に、「こんな都会のど真ん中で何を見るねん」と反論されて、泣く泣く諦めましたけど。
それだけに、宇宙を舞台にしたヤマトや999を見た時は、「私の夢が本物に!!」って、そりゃあ感激したものでした。
誰だって一度は、宇宙船に乗って、銀河という銀河を旅してみたいと思うじゃないですか。
あるいは、最新鋭の銃を片手に、悪い宇宙人をバッタバッタ倒したりね。
そういう誰もが夢見ることを、子供にも分かりやすい勧善懲悪の形で描いてくれたのがヤマト、そこにロマンスを加味して、さらに発展させたのが999だと私は思っています。
公開当時は並びましたよ、劇場周囲に、3時間も!!
そして、そういう待ち時間さえ楽しかった、子供心の名作でございます。
宇宙戦艦ヤマトも999もそうだけど、やはり声優さんがよかったですね。
今はもうお亡くなりになった富山敬さんの「古代進」、大人の渋さを演じればピカ一の納屋悟郎さんの「沖田十三」、非常に味のある伊武雅刀さんの「デスラー総統」など、音声ドラマだけで十分に楽しめるほど素晴らしい演技でした。
こちらは、惑星ガミラスとの闘いがいよいよ佳境を迎え、「このままでは勝てない」と悟ったデスラー総統が、『宇宙の狼』と称されるドメル将軍を召還し、七色惑星団での宣戦を布告をするエピソードの一部です。
全宇宙にこだまする、「ドメル、ドメル」の叫び。
顎の割れ方が、なんとなく長嶋茂雄に似ているのは気のせいか。
彼を迎える副官のゲイルは、ドメルに逆らいながらも、最後までよく仕えた。
(日本の企業にたとえれば、天下りの、自分より若い官僚が社長として赴任して来たようなもんだよなー)
敗北を悟ったドメルが、
「ゲイルくん、自爆装置を用意してくれたまえ」
と命じた時、
「じっ、自爆装置……」
と声を詰まらせるシーンが同情を誘う。故郷に妻も子もあるのだろう。
999もそうだけど、何と言っても宮川泰さんの音楽が素晴らしかった。
サウンド・トラック盤も、「ヤマト」と「さらば」と二つとも持っていて、毎日、レコードが擦り切れるほど聴いたものです。
TV版のエンディングの「地球滅亡まであとXX日」というテロップもよかったですね。
にもかかわらず、無節操に、続編だの、何だの、バカバカ作りやがって!
……という怒りの声が、後方の記事です。
お次は、999。
これも文句なし、名作ですわな。
私の周囲では、ヤマトより999の方が好き、という人が多かった。
メーテルに対する「お母さんに似てるから好き」という鉄郎の気持ちも、非常に分かりやすかった。(男の子は感情移入しやすいのではないかな)
私はメーテルというより、女王プロメシュームに近いけどな。
こちらは、映画版の私の一番好きな場面。
これも音楽が秀逸で、高中正義でも雇ったのか? というようなギターソロが非常に聴き応えがあります。
惑星が崩壊するという悲劇のシーンにもかかわらず、非常にロマンチックな演出は、さすが「りんたろう」さん、って感じですね。
惑星メーテルの崩壊
↑ 残念ながら、こちらの動画は削除されたので、後半部のみ続けてどうぞ。
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このサントラ盤もよく聴いてましたっけな。
それにしても、なぜメーテルは鉄郎と別れなければならなかったのか──。
「私は青春の幻影」ってどういうことなのか──。
子供の頃は理由が分からなくてずいぶん考えたものですが、大人になって、松本零士さんのコメントを読んでから、理解できるようになりました。
「私は時の流れの中を旅する女」――
一度でいいから、こんなセリフ、言うてみたいですな。
子供の頃、仮面ライダーやウルトラマンなどのヒーロー物を見ていて、おきまりの勧善懲悪の結末に、しばしば釈然としないものを感じることがありました。死神博士やゾルゲ魔神にも妻子がいるだろうと思うと、「何も殺すことないじゃないか」と反発せずにいなかったからです。(おるわけないやろうが)
それだけに、「宇宙戦艦ヤマト」で、ガミラス星との死闘の後、古代進が
「我々に必要なのは戦うことじゃない、愛し合うことだったんだ」
と叫んだことは、私にとって、けっこう感動的な出来事でした。
「闘いにおいて、敵を滅ぼすことが全てではないのだ」という考え方は、当時としては、非常に新しかったのではないかと思います。
ところで、宇宙戦艦ヤマトといえば、一番印象に残っているのがデスラー発案の「通信衛星作戦」。
強力な通信衛星を打ち上げることによって、地球との通信圏外に達したヤマトの交信を奇跡的に回復し、乗組員の戦意を喪失させて一気に攻撃を仕掛けるという、これまた当時のヒーロー物としては画期的な心理作戦です。
デスラーの思惑通り、突然地球との交信が回復したヤマト乗組員は、思いがけなく故郷の家族や友人と話をすることが叶い、誰もが泣き崩れる始末。
中でも、ベイビーフェイスの通信士、相原勇人クンは通信士である立場を利用して、時間外に通信室に入りびたり、信州だか新潟だかの、雪深い田舎に住むお母ちゃんと会話するうちに重度のホームシックに陥り、ついには宇宙遊泳して地球に帰ろうとするんですよね。
異変に気付いた森ユキ嬢の進言により、古代進がブラックタイガーを乗り付けて相原クンを救出し、次いで、科学班長の真田さんとアナライザー・ロボットが通信衛星を破壊してしまう――という結末だったのですが、私はこの回を見ながら、「デスラーって何て頭のいい奴なのかしら」と子供心に尊敬するとともに、「制作者はさぞかし頭のいい人に違いない」と、すっかり感心しきっていたのです。
ところが、プロデューサーの西崎というおっさんは、『さらば宇宙戦艦ヤマト』のエンディングで、「ヤマトを愛して下さったみなさん。これでヤマトとは永遠にお別れです」などというお涙頂戴のテロップを流したにもかかわらず、その舌の根も渇かないうちに(ちょっと渇いてたかも)、「宇宙戦艦ヤマトⅢ」だの「新・宇宙戦艦ヤマト」だの、取って付けたような続編を次々に製作した上、
・「ヤマトⅢ」のテレビ版で、デスラーに「愛しているよ、スターシャ」と言わせた。
・劇場版の新作で、古代進と森ユキのエッチ・シーンを流した。
→挿入歌『ラブ・シュープリーム』を八神純子が歌っていた。
・沖田艦長を無理矢理クローン技術で蘇らせた上、再びヤマトの艦長に据えて、膨張する恒星だか何だかにヤマトごと突っ込ませ、またも殉職させた。
……などの横暴を繰り返した挙げ句、事業に失敗し、「ヤマト沈没」という恥ずかしい見出しで京都新聞に報じられた、とんでもなくお茶目なオジサンだったのです。
ドラマ版LPとサントラ盤2枚、あわせて3枚も関連レコードを買って、毎日聞いていた私の少女時代がガラガラと崩れ落ちるようなオチでした。(あ、今でも、たいがいの名場面はソラで言えますよ。北島マヤちゃんみたいに)
そんな私はポーランドに来てから、しばしば相原クンのエピソードを思い出すんですよね。
だって、気持ちはすっごく分かるから。
なまじっか日本のみんなと連絡が取れると情が残って、ずっと「日本人」みたいな気持ちになっちゃうんです。
現地の人になりきれない――とでも言うのか。
だから、私も旦那と大喧嘩した時、パスポート片手にプチ家出を試みたことがありました。
その時ばかりは、宇宙服の相原クンよろしく、駅の周辺をウロウロしながら、「ああ、シベリアを歩いて横断してでも、日本に帰りたい」と思ったものです。
以来、パスポートは、旦那によって厳重に管理されていますけど
↑ まるで暴力団直営フィリピン・パブみたい(笑)
もし、日本とポーランド間に強力な通信衛星が打ち上げられて、フジテレビは見放題、家族や友人ともTV電話で喋りまくりという状況になったら、私みたいに、カネはないけど日本には帰りたいという輩は、真っ先に国境警備のご厄介になりそうだなー。
ともあれ、デスラー総統、ばんざーい!
私の一押しキャラは、宇宙の狼、ドメル将軍でございます。
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うそつき……
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