日本語ワープロ『一太郎』を調教する ~ライティングお助けカスタマイズ~

2017年1月4日

日本語のライティングツールといえば、無料のテキストエディタ、アウトラインプロセッサ、オンライン・ノートなど、様々なアプリケーションが出回っていますが、「縦書き」にこだわるなら、やはりジャストシステムの『一太郎』が最適と思います。

ユーザーの数でいえば、Microsoftの『WORD』が圧倒的ですが、WORDは基本的に、アルファベット+横書きのドキュメント向けに開発されているソフトウェアですし、縦書きの体裁にはそこまで対応していません。

日本語の書籍をイメージして文書を作成するなら、『一太郎』が一番便利で使いやすいです。

意外と知られないことですが、一太郎はメニューやショートカットキーを非常に細かくカスタマイズすることができます。

一太郎を自分仕様にどんどん調教して、使いやすい環境を作りましょう☆

ジャストシステムの公式サイト
https://www.justsystems.com/jp/products/ichitaro/

最近、やっと「その気」になった一太郎。

「カクヨム」や「エブリスタ」あたりを意識した新機能と宣伝が痛々しい。

数千円から二万円近く出費して、一太郎を買おうという層がどれほどいるのか、ある意味、試金石のような「一太郎2017」です(T_T)

一太郎 2017 日本語ワープロ ライトノベル

一太郎 2017 日本語ワープロ ライトノベル

WORDにない特徴

1)縦画面+横スクロール

縦書き派で、WORDから一太郎に乗り換える最大の理由は、「縦画面+横スクロール」が可能という点でしょう。
WORDの場合、縦書き文書の入力はできますが、ウィンドウのスクロールは縦方向に限られます。
さーっと文書をチェックしたい時、縦方向のスクロールはまったく役に立ちません。

また、ページ間の隙間をなくし、テキストエディタのように表示できるので、画面が非常にみやすいです。

一太郎 2017 日本語ワープロ 画面スクロール

2)辞書と連携しやすい

文書を作るなら、辞書は必須ですが、一太郎の場合、『ソプラウィンドウ』(旧バージョンの辞書機能)、ATOKイミクル、LogoVistaなど、三種類の辞書機能の連携に加え、Yaboo検索、Wiki検索、ATOKクラウドサービスなど、その他のサービスとの拡張も可能なので、その場で意味を調べるのに大変便利です。

また別売りのATOK専用辞書「大辞林」「角川類語辞典」「広辞苑」「英和・和英」などをインストールすれば、さらに機能が広がるので、辞書好きにもおすすめです。

旧バージョンから引き継がれたソプラウィンドウ。最近、ATOKイミクルが加わりましたが、ソプラも従来通り使えます。私はソプラの方が好きです。

一太郎 2017 日本語ワープロ 辞書

一太郎2016から加わったATOKイミクル。ShiftキーやAltキーの連打ですぐに呼び出せる辞書引きツールです。
でもデザインがいまいちなので、私はソプラを使い続けています。

一太郎 2017 日本語ワープロ 辞書

3)WORDよりインターフェイスが見やすい

WORDを使い慣れた人が一太郎に切り替えると、最初は「見づらい」と感じますが、メニューや編集画面に慣れたら、一太郎の方が圧倒的に使いやすいです。
WORDの場合、あのもっさりしたリボン式のメニューや、書式やカラーパレットのサンプルなど、必要のないものがずらずら表示されて、その度に気が散るでしょう。一太郎の場合、メニュー項目しかないので、目障りになりません。
サンプルが欲しい場合は、「基本編集ツールパレット」を自分好みにカスタマイズして、編集画面のサイドに取り付ければOK。
これもワンクリックで開閉するので、入力作業の邪魔になりません。

一太郎 2017 日本語ワープロ 基本編集ツールパレット

基本編集ツールパレット 一太郎 2017 日本語ワープロ

3)WORDは一枚文書向き

WORDは、「文章」というより、一枚単位の「文書」向きです。契約書、見積書、ちらし、のように、「一枚で完結する文書」を作成するには便利ですが、ページ数が何十枚にも及ぶ「文章の編集」には向いてません。エディタ機能もありますけど、「縦書きの日本語の書籍」をイメージした作りにはならないです。

縦書きするなら、一太郎の方がはるかに綺麗で、イメージしやすいです。

キー割付・メニュー割付のカスタマイズ

「一太郎、使いにくい」という方は、多分、キー割付・メニュー割付の機能を十分に使いこなしておられないのではないかと思います。

脚注、傍線、段落スタイル、移動、辞書引き、再変換、ファイルからの挿入など、よく使うコマンドをキー割付(もしくはメニュー割付)すれば、何でもワンクリックで設定・解除するので、非常に便利です。
ちなみに、一度変換した漢字を再変換したい場合、「再変換」のコマンドは「ツール・オプション」の中に入っています。(辞書引き、ナレッジウィンドウ辞書<ソプラウィンドウの意味>も同様。語句の統一がされてないのが欠点)

※一太郎2017から、傍点や脚注などのファンクションキーが使えるようになりましたけど、一番頻回に使うコマンドを自分で割り当てた方が便利だと思います。

ぜひ取り入れたいキー割付。(ツール→割付)

昔から少しも変わらない、使いにくいインターフェイス。どこに何があるのか、恐ろしく探しにくい欠点がありますが、一度設定してしまえば大丈夫。
自分の使いやすいショートカットを作成します。(項目はメニューの通りに並んでいます)

一太郎 2017 日本語ワープロ キー割付

コツは、一番よく使うコマンドをファンクションキーに当てること。「再変換」(=漢字の再変換)、「全画面表示」「ツールパレットの表示/非表示」「付箋」など。

一太郎 2017 日本語ワープロ キー割付

一番便利なスクロール設定。「右スクロール」と「左スクロール」をキー割付すれば、キーボードだけで画面をスクロールすることができます。
一太郎 2017 日本語ワープロ 画面スクロール

脚注、傍点、縦横中、フォントの設定など、入力中によく使用するコマンドも、キー割付すると便利(ルビは、「ふりがな一単語の設定」になります)。

一太郎 2017 日本語ワープロ 脚注

一太郎 2017 日本語ワープロ 脚注 付箋

一太郎 2017 日本語ワープロ 脚注

段落設定もキー割付すると、ツールパレットやメニューを探さなくていいので便利。

一太郎 2017 日本語ワープロ 段落スタイル

一太郎 2017 日本語ワープロ 段落スタイル

いくつもウィンドウを開いて作業する時は、文書切替を設定すると、ショートカットだけで画面移動することができます。「前文書」「次文書」をナンバーキーに振り当てると分かりやすいです。

日本語ワープロ 一太郎 文書切替

一太郎 2017 日本語ワープロ

ウィンドウの表示倍率を利用する

一太郎の便利な点は、ウィンドウ(文字)の表示倍率が自在に調整できる事です。

文章を入力する際は「印字長」「印字全面」を利用すると非常に見やすく、作業もしやすいです。

一太郎 2017 日本語ワープロ 倍率変更

ウィンドウの全画面表示+印字長の場合、上下の余白が消えて、ウィンドウの縦横いっぱいに文字が表示されます。

一太郎 2017 日本語ワープロ 倍率変更 印字長

ウィンドウの大きさを変えると、それに応じて文字倍率も自動的に変わります。ウィンドウからはみ出た文字を表示するのにスクロールしなくていいので便利。

一太郎 2017 日本語ワープロ 倍率変更 印字長

これもキー割付すれば、一発で表示倍率を調整できるので、入力作業がいっそうラクになります。

一太郎 2017 日本語ワープロ 倍率変更 印字長

「表示倍率を大きくする」「表示倍率を小さくする」も +や- あたりに割付けると、キーボード上で文字の表示を拡大&縮小できるので、便利です。

一太郎 2017 日本語ワープロ 倍率変更 印字長

校正機能を使おう

意外と優秀なのが校正機能。ツール→校正機能 で、校正チェックをかけると、カギ括弧の組み合わせミス(『と」など)、送り仮名や「ら」抜き表現、カタカナ文字の綴り間違いなど(シミレーション→シミュレーション、エクスビジョン→エキシビジョンなど)、徹底的に洗い出してくれます。参照URL→『一太郎』の校正機能を活用する

一太郎 2017 日本語ワープロ 校正

一太郎 2017 日本語ワープロ 校正

右クリックのメニューをカスタマイズ

右クリックのメニューも細かくカスタマイズすれば、欲しい機能がワンタッチで出てくるようになります。

キー割付と同じく、ツール → 割付 から呼び出して、自分の使いやすいように項目を追加・削除します。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

余白で右クリックした時のメニュー。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

文字を選択した場合の右クリックのメニュー。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

他にも、メニューバーの項目を変えたり、罫線やHTML関連のメニューを変えたり、ここに書き切れないほどの、膨大な量のカスタマイズが可能ですので、ぜひチェックして下さい。

きまるスタイル

WORDから一太郎に移行して、面倒に感じるのは「書式スタイル」だと思います。

こういう場合は、迷わず「ファイル」→「文書スタイル」→「きまるスタイル」から選択しましょう。
細部は使いながら調整すればOK。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

自分の書式が決まったら、スタイルの「登録」で保存します。(一太郎の場合「保存」が「登録」と表記されるので、使い始めの頃に戸惑うんですね。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

環境ファイルの保存場所

環境ファイルは自分の使い勝手のいい場所に保存しましょう。何かでクラッシュした時も、再インストールの時も、使い慣れた環境が簡単に復元できます。
一番おすすめは、クラウドの共有フォルダ。OneDriveやGoogle Driveなど利用すると、別のPCでも一太郎を使う場合、簡単に環境ファイルを共有できます。

一太郎 2017 日本語ワープロ 右クリック メニュー

一太郎のデメリット

とにかく重い。SSD搭載+メモリ16GB+Core™ i7 プロセッサーを搭載しても、ページ数が100ページを超えると、しょっちゅうフリーズします。

検索→フリーズ。

文字のコピー&ペースト→フリーズ。

段落スタイルの変更→フリーズ。

さくさく動くのは、ページ数が数十ページぐらいまで。

それ以上の規模になると、作業の度にフリーズするので、一太郎を使うのは、推敲して、体裁を整える「最後の最後」。

下書きの段階では、「秀丸エディタ」やフリーのエディタを使った方が無難です。秀丸エディタなら、縦書き編集も理想的な環境でできます。

一太郎のエディタ機能も、アウトライン機能も、秀丸さまの足元にも及びませんので。

プロットを立てる時は、オンライン・コルクボード(自前のカード)が便利です(ScrivenerでもOK)

フリーのオンライン・コルクボードもいろんなサービスが出ていますが、listhingが一番便利でシンプルです。

コルクボード

一太郎はエディタではない

「気合いを入れて一太郎を買ったけど、いまいち使い勝手が悪く、後悔している」という方は、エディタ的な役割を期待しすぎではないでしょうか。

宣伝には「エディタもアウトライン機能も充実」とありますが、せいぜい、ページ数30枚レベルの話。

100ページ単位のボリュームのある文章を書こうと思ったら、一太郎のエディタ機能では、到底おいつきません。

なぜかというと、文章の切り貼りや置換に必要な「軽快な動作(フリーズしない)」、要修正や不要部分が一目でわかる「マーキング機能」「行の折りたたみ機能」などが無いからです。付箋も使えますが、秀丸エディタのマーキング機能に比べたら30点ぐらいです。

文章を書く時は、俯瞰 → フォーカス → 俯瞰 → フォーカス といった、「全体の見直し」「細部の修正」の繰り返しが必要ですから、一太郎のように「どこに何を書いたか探しにくい」と、そこでいちいち流れが止まってしまうんですね。

おまけに、文章量が増えてくると、しょっちゅうフリーズしますし。

「これ一台で」というのは、あくまで、小さなスケールの話であって、実際には一太郎で全てをこなすのは非常に難しいです。

そのあたり、複数のツールを組み合わせて使いこなせる人に、一太郎はジャストフィットするのではないでしょうか。

その点ではWORDも同様だと思います。

ワードプロセッサはあくまで「文書」という体裁を整えるものであって、エディタとは異なります。

そこを分けて考えないと、一太郎は、高額なだけの、無用の長物になってしまいますので、購入前によく考えましょう。

標準版かプレミアム版か

一太郎を購入する際、標準版かプレミアム版かで悩むと思いますが、標準版もプレミアム版も「一太郎」そのものの機能は同じです。プレミアム版だから、さくさく動くという事はありません。

プレミアム版のメリットは、セットで付いてくるフォント(単体で買うと非常に高い)や辞書機能でしょう。

頻回にPDF印刷を利用するなら、ジャストシステムの「PDF編集・作成」が付いてくるので、一度、買っておいても損はないですよ。
ジャストシステムの「PDF作成」は、意外とフォントが綺麗に印字されます(特に明朝体)。

ちなみに、フォント、辞書、PDFなどは、「2016年」のプレミアム版で購入して、一太郎は「2017」にバージョンアップする場合でも、引き続き使えますので、買い損になることはありません。(ライセンスがある限り、いつでも再インストールや継続使用が可能)

手順としては、「一太郎2017をインストール」+「一太郎2016プレミアムのフォントのみ、PDFのみを再インストール」みたいな流れです。シュリケンや花子も同様です。

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