東北大震災 半年後、一年後を思いやり

私も阪神大震災の経験者なので、あの時の異様な重く苦しさと不安、絶え間ないフラッシュバックの恐怖、昨日のことのように思い出します。

そして東北・関東大震災も、たとえようのない苦痛、困難、絶望、孤独が、人々の心にも暮らしにも、重くのしかかっていることと思います。

だけど本当の困難が具体化し、人の心と生活を圧迫するのはこれから。

今は「生きているだけで有り難い」と思えるけども、やがて言いようのない悔しさ、怒り、絶望感に変わってくるでしょう。

九死に一生を得たにもかかわらず、一ヶ月か二ヶ月先に心がポッキリ折れて自殺してしまう人が少なくありません。

自殺とまではいかなくても、仕事も家族も希望も失い、誰にも助けを求めることなく、仮設住宅で孤独死を迎える人もあります。

「助かる」ことと「生活する」ことはまた別で、人がまことの苦しみを感じるのは後者の方なんですよね。

そして、人々の生活が新たに始まる頃には、世間の方はすっかり落ち着いて、「さあ、これから頑張りましょう、今まで停滞していた分、取り戻しましょう」というムードになる。

被災した側はその取っ掛かりの部分さえ見当たらないのに、周りはもう復興一色で、「いつまでも泣いて落ち込んでる場合じゃないでしょ」といった空気さえ漂っている。

この温度差にますます苦しめられ、不可抗力な災難だったにもかかわらず、「自分が何か悪いことをしたような」気持ちにさえなってくるんです。

家や仕事を失ったのは津波のせい……にもかかわらず、ですよ?

今は一人一人の命を生かすのに精一杯、それが最優先だけども、同時に、半年後、一年後を思い描いて、今みんなが抱いている共感の気持ちが、ずっと先も同じように続けばいいなと願っています。

復興ムードの中で、どうしても立ち直れない人間の苦しみや悲しみを思いやるのが一番難しかったりしますから。

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阿月まり

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