Notes of Life

『少子化社会を生きる』のエッセーコンテストより

2006年12月8日

こども未来財団では、毎年、「少子社会を生きる」というテーマでエッセーコンテストを主催されているのですが、17年度の作品を読んで、「あ~、ホントにその通りだな~」と考えさせられることがたくさんありました。

私がすごく気に入ったのは、「おばあちゃんの言葉」という作品にあった一文。

その不安を解消することなく育児生活に突入した私を待っていたのは、夜泣きに悩まされ一睡もできずに過ごす夜と、いったん寝てもすぐに目を覚ますので、物音ひとつたてられない朝。その繰り返し。

仕事が控えている夫に迷惑をかけるわけにもいかず、まさに戦いの日々だった。うまく育てなければ。ちゃんと子育てしなければ。そう思って知らないうちに自分を追い込んでいた。

「大丈夫だ。放っておいても子供は育つんだから」

そんなとき、泣き止まない子供をあやしながら散歩をしていたら、近所のおばちゃんにそう言われた。

「泣き疲れれば寝るから構わないほうがいい。泣いて死んだ子供はいないから」

泣き止まそうと躍起になっている私におばちゃんはそう言った。

今と昔では、環境が全然違う。したがって育児法も必然的に違ってくる。年配の方の助言はあまり聞かないようにしている、というお母さんたちも多い。それは、ある意味においては正しいと思う。昔はよしとされていたことが、研究の結果やめるべきだとされるようになった例も多い。だから、おばちゃんたちのアドバイスのすべてを鵜呑みにはできない。でも、私はおばちゃんと話していて、私は肩の荷が下りた。適当でいいんだ、と安心した。話の内容よりも、子供を一人前に育て上げた経験のある誰かがそう言っているということが、私を非常に安心させた。

これって、まったくその通り。

ヘタに、何冊もの育児書を読み漁るより、実際に、一人前に育て上げた人の何気ない言葉の方が、どれだけ参考になり、心の支えになることか。

私も、思い返せば、育児の危機的状況を救ってくれたのは、義姉さんの言葉であったり、日本から仕事で来ポされたサラリーマン・パパの一言であったり、、、でした。

中でも、一番のヒットは、上の子のヤキモチ&ストレスがピークで、「最近、よくダダをこねるんですよ~、朝から晩まで」と、知り合いの女性(息子一人)にこぼした時、

「そりゃ、子どもだもん。子どもは、みんな泣くものよ。あっはっは」

そんで終わり(笑)

これほど痛快な回答はございませんでしょ。

そういうことを、育児書のノリでほじくれば、「母親の接し方が・・」「日常生活のあり方が・・」云々、これでもか、これでもかというほど、問題視されてしまいますが、経験者から言わせれば、「みんな、そうだし、だからといって、何ほどのものでもない」んです。

そして、そういうことを、日常的に言ってもらえば、ママさん達もずいぶん楽になるのでしょうけど、哀しいかな、子育て中の者は、外に出て人と話す機会が少ないし、相手を間違えば、逆に説教をくらって、傷口に塩を塗られるハメになる。

どうしたって、貝のように、心も身体も閉ざしがちです。

が、そんな時に、「実践した者」が現れて、「何でもないこと」を教えてくれれば、それが100倍の薬になるんですよね。

もっともっと、こうした交流が盛んになれば、育児ストレスも、それによる深刻な問題も減るでしょうに、そのあたりの支援策はどうなっているのでしょうか。

ともあれ、いいエッセーが掲載されていますので、興味のある方はどうぞ。

http://www.kodomomiraizaidan.or.jp/syoshi/17jusyo.html

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