映画

最低のクズ映画と批評されても『ショーガール』が好きな理由 

2011年12月13日

野心的な流れ者のダンサー・ノエミと、ラスベガスの女王・クリスタルの火花散るライバル争いを描いた映画『ショーガール』と言えば、「お下品」「稚拙」「クズ映画」と誰もが口を揃えてコキおろすラジー賞受賞作。

それでも公開当時は、シャロン・ストーンの出世作にして、ノーパン&足の組み替えシーンで全世界にセンセーショナルを巻き起こした『氷の微笑(セクシー・サスペンス)』、あっと驚くストーリー展開とシュワルツネッガーのパワフルなアクションで大ヒットとなった 『トータルリコール(火星を舞台にした新感覚のSF)』で飛ぶ鳥の勢いだったポール・バーホーベン監督の新作ということで注目度も高かったし、何より『(ベガスの女王・クリスタル役について)シャロン・ストーンが有力視され、マドンナが切望した』という謳い文句で、誰もが期待していたもの。

ところが蓋を開けてみれば、のっけから殴る・吐く・脱ぐ・絡む、etc。 セクシー&バイオレンスを得意とするバーホーベン監督の映画だから、多少の過激さは覚悟していたものの、主役ノエミを演じたエリザベス・バークレーのあまりの「下品さ」と、芸術性もへったくれもないオッパイ&お尻の露出度、何より深みも練りもない少女漫画のような筋書きゆえに、評論家および観客からコテンパンに批評され、その年のラジー賞に選ばれる始末。

そのショックからエリザベス・バークレーはどこかに失踪するし(現在は女優復帰されてるとのこと)、バーホーベン監督の株も急落して、後にも先にも、ただ一作でここまで落ちぶれた監督はあるまい、と思うほどの顛末だった。

でも、「そこまでヒドイ映画だったかなぁ・・?」というのが私の正直な感想。

実際、今でも音楽やダンスシーンは大好きだし、ベガスの女王・クリスタルを演じたジーナ・ガーションも大好き。ノエミの下品さはどうしようもないにしても、見ている分には元気があっていい。

まあ、相手役のカイル・マクラクランが「気持ち悪い」(昔「砂の惑星」で共演したSTINGもアホ呼ばわりしていた)ということもあり、ロマンもへったくれもないエッチシーンや、画面いっぱいに繰り広げられるオッパイ・ブルブル・ダンスにはうんざりさせられるけど(ついでに生理ネタも止めて欲しい)、全体にはテンポがよくて、エンディングのキレもよい。決して最悪な作品ではないんだけどね。

ちなみに、Wikiの解説は次の通り。

アメリカでは劇場公開時に過激な暴力シーンや性的シーンが問題となりNC-17指定で公開された。ショービジネスの虚飾の裏側をダンサーの視点から描いた作品であるが、ストーリーに関する限りジョセフ・L・マンキウィッツ監督『イヴの総て』の稚拙な剽窃との観がぬぐいきれない。
「暴力とセックス」というアメリカショービジネス、ひいてはメディアの暗部を、ストリップ・ダンサーという題材で露骨な悪意を込めて描いたため、観客の総スカンをくってしまった。結局1995年のゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)で10部門ノミネート、最悪作品賞・最悪監督賞・最悪主演女優賞・最悪新人俳優賞・最悪脚本賞・最悪主題歌賞の6部門制覇(後に2000年の特別賞である1990年代最悪作品賞も受賞)した。
だが、通常誰一人取りに来ないラジー賞授与式に、バーホーベンはノリノリで登場するというパフォーマンスを見せた。ラジー賞を受賞者が受け取ったのはビル・コスビー(『ビル・コスビーのそれ行けレオナルド』)以来8年ぶり。実際に受賞会場に現れたのはバーホーベンが史上初となる。それ以降も賞を受け取ったのはトム・グリーン(『フレディのワイセツな関係』)、ハル・ベリー(『キャットウーマン』)、サンドラ・ブロック(『ウルトラ I LOVE YOU!』)の計5名だけであり、ある意味伝説的な作品である。他にも「この十年のワースト作品賞」受賞、「この二十五年のワースト・ドラマ作品賞」ノミネートなどワースト映画賞を総嘗めにしている。またバーホーベン自身もこの作品を自虐的に捉え、一時期は「『ショーガール』の後ならもう怖いものはない」と公言していた。
映画『スクリーム』の劇中、犯人が「この世で最も怖いホラー映画は?」と学生に尋ねるシーンがある。その学生の答えが『ショーガール』であった。これは「ハリウッドでこんな最低な映画を作ってしまう事が何よりもホラーだ」という、製作者の『ショーガール』に対する皮肉である。

随分な言われよう・・。
でも、私は、ショーガールのサウンドトラック持ってましたよ。音楽はよかったですからね。

ショーガール サウンドトラック

それに「姐さん」と呼びたくなるような個性派女優のジーナ・ガーションも色っぽい。
シャロン・ストーンやマドンナでなくても十分に存在感があるし、かえって大スターじゃない分、ノエミと釣り合いがとれて、バランスが良いのではないだろうか。
実際、彼女の公式サイトには、「僕の好きな作品は『ショーガール』です」という書き込みが多い。
作品自体はクズでも、ジーナの魅力は少しも損なわれていない証だ。

ジーナ・ガーション ショーガール

にもかかわらず、ブログの映画評を見ても悪口ばっかりなので、ここでは『ショーガール』の魅力を書き綴ることにしました。

一応、18禁映像です。大半がトップレスです。人によっては大嫌いかもしれません。

若い方はご注意ください。

物語と見所

流れ者のダンサー・ノエミは、ヒッチハイクで車を乗り継ぎながらラスベガスにやって来る。

途中、エルヴィス・プレスリーにそっくりな若い男のドライバーと出会い、「ベガスのプロデューサーを紹介する」という甘言に乗せられ、まんまとバッグや持ち金を騙し取られてしまう。

そんなノエミに救いの手を差し伸べてくれたのが、ベガスのショー『女神(Goddess)』の衣装を手がけるデザイナーのモリー。彼女のトレーラーで仲良く暮らしながら、いつかショーの舞台に立つことを夢見ていた。

ラスベガスで注目のトップレス・ショー『女神』。主演をはるのは、ベガスの女王クリスタル・コナーズ。
ゴージャスな舞台と圧倒的なクリスタルの踊りに観客席から見惚れるノエミ。

本場ラスベガスの有名プロデューサーが演出を手がけただけあって、ダンスシーンは圧巻。

トップレス・ショー

showgirls1

ノエミはモリーに案内されてクリスタルの楽屋を訪れるが、クリスタルに「ストリップダンサー」と揶揄され逆上。
「なによ、えらそうに!」と食って掛かるノエミに、クリスタルはかつての自分を見るような思いだった。

モリーは、むしゃくしゃするノエミを連れて、馴染みのクラブへ。
そこで出会ったのが、女たらしでダンサーくずれのジェームズだ。

世界でも有数のダンススクール「アルヴィン・エイラー(実在します)」で学んだジェームズは、すぐにノエミの素質を見抜くが、自己流の荒削りな踊りを指摘して、ノエミに股ぐらを蹴り上げられる。
この場面の振り付けや音楽もカッコいい。

普通のダンス

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ノエミは「チーター」というトップレス・クラブでダンサーとして働いていた。
そこにハンサムなエグゼクティブで、ショー『女神』の制作スタッフでもあるザックを伴って現れたのが、クリスタル。
彼女は一目でノエミの踊りを気に入り、ザックと三人でプライベート・ダンスをリクエストする。
ノエミは嫌がったが、500ドルという金額を聞いて、チーターの店長が一方的にセッティング。
腹を決めたノエミは、ザックを相手に過激なプライベート・ダンスを踊ってみせ、クリスタルを挑発する。

このプライベート・ダンスは、あまりの「お下品」さに批評の的となったが、BGMはすごくいい。
振り付けも「スッポンポン」という点を除けば、けっこう曲にあっている。

オールヌードの激しい絡みあり。ここは写真だけ

showgirls

ノエミに興味をもったクリスタルの手回しもあり、『女神』のオーディションに参加することになったノエミ。
彼女の踊りは群を抜いていたが、老練なプロデューサー、トニー・モスの「乳首を立たせろ」という言葉に反発し、途中でオーディションを投げ出してしまう。

普通のオーディション

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それでも踊りの才能が認められ、ついに『女神』の舞台に立つことになったノエミ。
レッスンは厳しさを増すが、プロのダンサーへの階段を上り始めた充実感で胸はいっぱいだ。

ダンスのレッスン

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ノエミの初舞台。
女王クリスタルの傍らで、スターへの挑戦が始まる。

トップレス・ショー

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やがてザックの心を掴んだノエミは、並み居るライバルを押しのけてクリスタルの代役に選ばれるが、これを快く思わないクリスタルの計略で、代役の座からおろされる。

ボンテージのショーの中、女王クリスタルとノエミの女同士の争いはついにクライマックスを迎える。

それにしても、ラスベガスって、本当にこんなハードなショーをやってるんですかね。
コスチュームも演出も圧巻です。

トップレス&SM風のショー

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そうして女王クリスタルを押しのけ、ついに『女神』の座を掴んだノエミ。
自信と野心に満ちた、新たな女神の誕生。

トップレス・ショー

showgirls8

だが、モリーの強姦事件を通じて、華やかな世界の裏側を知ったノエミは自らショービズの世界を去ることに。
ベガスを発つ前、クリスタルの病室を訪れたノエミに、「階段の後ろには、常に、あなたより若くて野心的な女の子が座を狙っている」とアドバイス。
ノエミが現れた時から自らの限界を感じていたクリスタルは、弁護士の申し分ない措置もあり、潔く引退を決意する。
カーボーイハットを通じて、ベガスの女王から新しい女王へのバトンタッチ。

だが、ノエミの決意は固く、ベガスのさらに向こうへと旅立って行くのだった──。

ドラマ

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感想

設定や露出度はともかく、話し運びはやっぱり上手いと思う。

確かに、嫌いなダンサーの足元にスパンコールを撒いて骨折させるとか、楽屋で女同士で乱闘するとか、ダンスショーの臨時アルバイトと言うので行ってみたら実は「売春」の要請だったとか、少女漫画みたいなエピソードのオンパレードだけども、「ロボコップ」や「トータルリコール」でパワフルなアクションを展開したバーホーベン監督らしいスピード感がある。

もしかしたら、業界からの痛烈な批判は、飛ぶ鳥の勢いのバーホーベン監督へのやっかみ? と突っ込みたくなるぐらい。

特に「第二のシャロン・ストーン」と目されていた主演のエリザベス・バークレーは本当にお気の毒。もしかしたら、シャロンの気に障るような、挑発的な言動でもしたのかね?

ともあれ、ダンスシーンはパワフルで個性的、単純に楽しめる娯楽作品として、私の中ではけっこう位置づけの高い『ショーガール』。

これ以上、悪口を言われないことを祈ってまス。

関連アイテム

ショーガールはブルーレイ版も出ていますが、吹替えが入ってないんですね。安いけど、「言語: 英語 字幕: 英語, フランス語, スペイン語」なので、吹替えが欲しい方は、少し高くてもプレミアム・エディション、もしくは中古落ちした旧版を購入した方がいいです。

2016年に日本語吹替え収録のブルーレイが販売開始しました。

日本語吹替えを担当した小山裕香さんの声が全くイメージと違う!
まるで夢見る少女みたいな、すっごく可愛い声です。
でも、それはそれで楽しめるし、小山さんの声の演技も上々(米倉・剛力よりは5万倍くらいマシ)

Amazonレビューでも声があがってますが「一枚で二度美味しい」、なかなか興味深い仕上がりです。

Amazonの商品ページを見てもらったら分かるけど、けっこう五つ星つけてる人、多いでしょう? 中には褒めすぎ?みたいなレビューもあるけど、これに高評価付けてる人は女性が大半じゃないでしょうか。

ショーガールの『サウンドトラック』もあります。

現在は政治家として活躍中のアーノルド・シュワルツェネッガーが主演を務めたSFアクション。自らの記憶が植え付けられたものだと知ったひとりの男が、真実を追い求めていく。オスカーを受賞したSFXシーンが話題となった。

この作品も今やクラシック。公開当時は斬新な映像とまったく先の読めない脚本(SFアクションとは思えない秀逸なトリックでした)で大ヒットした作品です。今でも様々なSF大作が公開されているけど、トータル・リコールほど脚本と設定のすぐれた作品もないですよ。
おそらく、誰でも、シュワちゃんが火星に行くまでは想像つくけど、そこで衝撃の事実が明かされる! これは本当に予想外でした。
夢か現実か、観客に謎かけするようなエンディングも秀逸。
シャロン・ストーンが注目を集めた作品でもあります。(シュワちゃんの愛妻にして女スパイを演じる)

シャロン・ストーン&ポール・バーホーベンと言えば、コレ。
特に、シャロンの足の組み替えシーン(ノーパン)では、「見えた、見えない」と巷で大騒ぎに。この場面のパロディも数多く作られました。
映画自体もスリリングで、結局、誰が犯人か、私には分からなかった。
通に言わせれば、「オッパイの形で分かる」のだとか。普通、そんなとこまでジックリ見ないよね?


ポール・バーホーベンと言えば「ロボコップ」も面白かったです。

ギャングとの銃撃戦で命を落とした警官の肉体を秘密裏に改造し、ロボット刑事として町の防犯に当たらせるもの。
しかし、失われた記憶が徐々に戻って来たことからロボの苦悩が始まる、けっこうシビアなお話です。

これら一連の映画制作を手がけているマリオ・カサールも、たいしたヒットメーカーで、80年代から90年代前半にかけて世界的ヒット作が目白押しだったんだけど、彼の設立した「カルロコ・ピクチャーズ」も1995年に倒産して、すごく淋しかった記憶がある。Wikiで彼の手がけた作品リストを見てください。まさにバブル期の顔! って感じです。

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