ルパート・ホルムズの「ヒム」でも聴こう

中学から高校時代にかけて、私が大変な洋楽ファンで、山のようなエア・チェック(FMラジオからカセットテープに録音する)コレクターだったことは、こちらの記事『FMラジオ少女だった私 -エア・チェックとカセットテープとクロスオーバー・イレブン-』 に詳しく書いているが、最近MP3プレイヤーを購入し、なにげに思いついたのが、違法の巣窟『YouTube』を使って、失われたアークならぬ、懐かしのエア・チェック・コレクションを復活させる方法である。

まず、YouTubeやニコニコ動画をラクラク落とせる『SmileDownloader』という無料ソフトウェアをダウンロードする。

このソフトは、シンプルで、メモリーを食わず、さくさくダウンロードしてくれるので、本当におすすめ。

次に、動画ファイルから音声だけを落とす『えこでこツール』をダウンロードし、PCに保存した動画のFLVファイルをMP3ファイルに変換すればOK。

もちろん、YouTubeにアップされている動画の音質は決して良くないので、オーディオのステレオで聞くのは辛いが、MP3プレイヤーのイヤホンやPCで聞くだけなら十分ではないだろうか。

むしろ、もやもや、びちびちとした音声がが、いかにも「70年代から80年代初期」といった感じで、ノスタルジーにひたるにはいいかもしれない。

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それにしても、こんなことしていいのかなー、と思ってしまう^_^; <2008年の時点では・・>

今ではアーティストも開き直って(?)、この違法ツールをプロモーションとして利用するようになってきた。

誰もが簡単に見聞きできて、ネット上でもあっという間に広がるからこそ、上手くやれば最高の宣伝ツールになるし、送り手が期待する以上の反応を得ることもできる。

もちろんYoutubeで満足した消費者の買い控えも生じるかもしれないが、好きなアーティストの作品なら、あんな小さな質の悪い動画で納得しないし、Youtubeの動画をきっかけに購入を決めた人も少なくないだろう。

下手に「違法、違法」と騒ぎ立てるより、ユーザーに圧倒的に支持を得ているツールと仲良くしてプロモーションに利用した方が、むしろ戸口が広がり、アーティストの好感度が増すように思う。

私は「プロ」と名の付くものではないので、自分の作品で生計を立てている人の気持ちや立場は分からないけれども、もし純粋に「クリエイター」としての生き甲斐を追求するなら、自分の作品がこうしたツールを通していつまでも世界のどこかで愛され続ける……というのも、一つの悦びに感じる。

たとえば、次に紹介するルパート・ホルムズの「him」なんて、YouTubeがなかったら「誰が思い出すねん」「どうやって聞くねん」という往年のヒット曲である。

私も、つい先日思い出すまでは、この二十年ほどすっかり忘れていたし、仮に思い出したとしても、YouTubeが無かったら再び耳にする手段もなかっただろう。

ルパート本人にとっては、自分のかつての演奏がどこかの素人の手によってYouTubeにアップされ、何万回と視聴されたとしても、一銭の得にもならないかもしれない。

でも、彼の歌が今なお多くの人に愛され、ヒットしていた時代を知らない若い人でも手軽にそれを聞くチャンスがあるとしたら、それはやはりYouTubeのおかげだし、アーティストのルパートにも「何の得にもならない」――とは言い切れないのではないだろうか。

良い作品を何でもかんでも著作権の向こうに封印することは、作り手の立場は理解できるけども、人類の文化遺産(?)という見地においては、「いつでも人の目に触れるところにおいて欲しい」――というのが正直な気持ち。

まあ、奈良の大仏も見料を取っていることだし、ルパートも何らかの利益を得るべきだとは思うが、今は気持ちだけ・・。

でも、その「気持ち」で、メシは食えないんだよね(笑)

§ ルパート・ホルムスの『ヒム』

上記に紹介したルパート・ホルムスの『Him』。

メロディの美しさに惹かれて、中学生の時、ドーナツ盤(33回転・・)を購入。

さびの部分の、「him, him, him」というフレーズが妙に印象的な70年代のヒット曲。

日本のヒットチャートとしては一発屋で消えてしまったような感があるが、覚えている人は覚えている。

思い出すのにちょっと時間はかかるが、この曲も確かに日本のFMラジオを席巻していた時があったのだ。

歌詞の内容は、「二人の男に一人の女」。

見つけてしまった「僕以外の誰か」のタバコから物語は始まる。


Over by the window, there’s a pack of cigarettes.
Not my brand you understand,
Sometimes the girl forgets
She forgets to hide them
I know who left those smokes behind
She’ll say, oh, he’s just a friend,
And I’ll say, oh, I’m not blind
to..

(chorus)
Him him him, what’s she gonna do about him?
She’s gonna have to live without him,
It’s him or it’s me, me me,
No one gets to get it for free
It’s me or it’s him.

窓のそばに タバコの箱を見つけたよ
僕が吸っているのとは違うブランドだ
時々 女の子は忘れてしまう
こういうものを隠しておくことを
僕には分かっている
誰がこのタバコを置いていったのか
彼女は言うだろう
「彼は、ただの友達よ」
そして僕は答える
「僕だってバカじゃない」

彼 彼 彼
彼女は彼のことをどうするつもりなのだろう
彼なしで生きていけるのか
彼 あるいは僕なのか
誰も自由にはならない
僕 あるいは彼

いい曲が多いですよ

ルパート・ホルムズは案外いい曲をたくさん歌ってるんですよ。私の一押しはこれ。

いかにも当時のAORといった感じの曲風。でもメロディが美しいし、チャーチャチャという間の手がよろしい。


ドキドキしながら恋人に電話して、プロポーズのメッセージを吹き込もうかどうしょうか、と戸惑う男性のキュートな胸の内を歌った良作。


関連アイテム

ルパート・ホルムズならベスト盤もいいですが、上記で紹介した「Partners in Crime」「Answering Machine」の収録されているこのアルバムが超オススメ。
「ヒム」も入ってます。
事実上、ルパートの最高傑作、80年代AORを代表する名盤です。

もうちょっといろいろ聞いてみたい方は、こちらのベスト盤をどうぞ。

Photo : http://www.rupertholmes.com/newsletter/

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