恋愛と受験と宗方コーチ

週刊朝日dotの『息子3人を東大に入れた佐藤ママ「受験に恋愛は無駄です」』を読んで、漫画『エースをねらえ!』の宗方コーチの言葉を思い出しました。

高校生テニスプレイヤーの岡ひろみは、さあ、これから自分のテニスを極めよう!という時に、憧れの藤堂先輩と恋に落ちてしまいます。

恋心でぼ~っとなり、テニスにも身が入らなくなったひろみに対し、宗方コーチは次のように諭します。(今、本が手元にないので、うろ覚えになりますが)

恋をしても、溺れるな

一気に燃え上がり、一気に燃え尽きるような恋はするな。

女に価値があれば、男は待つ。

待たせるだけの女になれ。

そして相手の藤堂先輩には、

宗方コーチ「岡を好きなのか」

藤堂先輩「好きです」

宗方コーチ「そうか。では、同じ女に打ち込む者として言おう。男なら、女の成長を妨げるような愛し方はするな。それだけだ」

高校生にして、この訓戒(^_^;

私も小学生の時に読みましたけど、とにかく深い言葉で、大きくなってからも折に触れ思い返したものです。

*

『エースをねらえ!』というと、「努力」と「忍耐」がキーワードのスポ根テニス漫画と思われがちですが、ただ特訓するだけでなく、『恋の情熱』や『女ならではの迷い』をどのように昇華するかという、「恋と仕事」の哲学を説いた先駆けみたいな作品なんですね。

上記のお母さんの物言いも極端ですが、言いたいことは分かります。

本当に一事を成そうと思えば、他の何をも顧みない強さと図太さは必要です。

結婚もしたいわ、子供も欲しいわ、なおかつ、周りにも「いいお母さん」と思われたいわ・・で、あっちにもこっちにも尻尾振って、なんとか私の都合良く回そうとしても、回りません。

時には子供に背を向けてレポートを仕上げる、商用メールを書く、堂々と出張もする。

問答無用で突き進むぐらいの強さがないと、到底、大きな事は成せないです。(小さい事は達成できても)

そういう意味で、『一事成就』というのは非情なものですよ。

成功者がどこか我が侭で冷たい印象を受けるのも、己の目的の為なら何をも顧みないようなところがあるからでしょう。

皆が皆、そうとはいいませんが、それくらい強く、激しい意思がないと、エベレストの頂上に旗を立てるような一事は成し得ない・・という話です。

*

とはいえ、「本当の恋」は自分の意思でコントロールできるものではありません。

止めることも、終わらせることもできない。

どうしようもなく好きになってしまうから「恋」というのです。

ここは有吉京子『SWAN』の受け売りになりますが、やめようと思って、やめられるなら、それは恋でもなんでもないのです。

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ゆえに受験生が恋をすることもあるし、恋をしたから落第するというものでもない。

要は、溺れない。

自分で自分をコントロールできなくなるほど盲目になるな、という事ですね。

恋愛に限らず、受験生の気持ちを掻き乱すものは山のようにあります。

漫画、ゲーム、カラオケ、SNS、X-VIDEO。

自分との戦いというなら、恋愛中の人も、それとは無縁の人も、同じじゃないでしょうか。

ただ、恋愛は「相手あってのこと」ですから、TVみたいに「見なければいい」では済みません。

お付き合いすれば相手への責任もあるし、思いやりも必要です。

その部分で、ゲームや漫画にはまるより、もっと負荷が大きいでしょう。

でも、ホントに相手が好きで、大切にしたい気持ちがあるなら、「受験だから、別れる」という話じゃなくて、お互いにとって納得行く方法を探し出すこともできると思うんです。

その上でお互いに合格したら、達成感もひとしおでしょうし。

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どのみち、セルフコントロールを試される場面は、これから先の人生、数限りなく訪れるし、その度に頭を抱えて安全策ばかり追い求めても、結局、何も出来ずに終わるかもしれません。

ある意味、他の受験生より「早くそれが訪れた」と覚悟を決めて、二つ同時にドライブするぐらいの器量を磨くことも、受験と同じくらい、精神力やノウハウを高めてくれるのではないですか。

そしてまた、己の目的達成のために非情になるのも、確かに一つの道だとは思います。

非情になるにも、知性と精神力は必要ですから。

*

私の体験を申せば、ラブラブの時より、失恋して、地獄の底から蘇ってきた時の方が、はるかにエナジーは高いです。

交際スタート → 受験 → 恋愛の修羅場 → 失恋 → 絶望 → 負けてたまるか → 合格

という道筋も、早めに経験しておくと、後々の人生に大きく生かされるのではないでしょうか。

*

これからという時に、恋してしまうなんて・・

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それが『恋』というものです。

*

若い皆さんは、恐れず、躊躇わず、いろんな事を経験して、大きく育って下さいませ。

アイテム

若い娘さんに、ぜひ♪

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阿月まり

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