そんなに私のことが好き ?

「私ね……あなたが私に恋してることに気付いた時、最初は可笑しくてたまらなかったの。
お堅いクリスチャンがなんでまた私みたいな女に、って思ったわ。
あなたったら、私のことを清純無垢な乙女みたいに思い描いて、すっかりのぼせ上がってるんですもの。
この人、私の正体を知ったらどんな顔をするだろう……私が進んで裸をさらけ出し、人肌恋しさ気軽に抱かれるような女だと知ったら、どんなに軽蔑するだろう、って。あなたの初な横顔を見る度に思ったわ。
だけど、あなたは私を嫌わなかった。私の絵を見て、心から綺麗だと感動してくれた。
あなたのこと、とことんからかってやろうと思ってたけど、あの瞬間に止めたわ。
同時に、いいかげんな自分を初めて恥ずかしいとも感じた。
だから私、『彼』に出会うまでずっと自分を大切にしてたのよ。
だからこそ『彼』と本物の恋愛ができたのだと思う。
……それなのに、あなたったら私にずっとずっと恋して……結ばれるまで十年も待って……あげくに私の真似をして足に怪我までしちゃうんだもの。あなた、そんなに私のことが好き?」

「好きだよ」

「……どうしてなの?」

「僕の傷に優しく触れてくれたのは、君だけだから」

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