キスとハグ

2月 9日, 2003年 in 海外生活エッセー blog

日本人がほのかに憧れるもの。
それは「キス」と「ハグ」の習慣ではないでしょうか。

ともかく、感激すればキス、ありがとうの気持ちを表すのもキス、初めて出会った人にもキス、敬意を込めてキス・・・。
特にポーランドでは、相手が初対面の人であっても、相手の頬に交互に三回キスをするのが正式なご挨拶。
「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」etc、様々な意味を込めて、右、左、右、とキスを交わします。

またハグ(抱擁)も欧米では欠かせない愛情表現。
嬉しい時、愛しい時のみならず、悲しい時、辛い時、苦しい時、さりげなく相手の身体を抱きしめる行為がどれほどお互いを力づけることか。

一説によると、触れ合いのない哺乳類は、常に触れ合っている哺乳類より寿命が短いそうです。
老若男女を問わず、人が人を抱きしめる「ハグ」という行為は、言葉よりも確かな愛情表現といえるでしょう。

私も最初はずいぶん抵抗がありました。
今でも、初対面の人に抱きしめられ、プチュ、プチュ、プチュ、と頬にキスをされると、何だか腰が引けてしまいます。
まるで嫌がっているように見えるので、相手の方にも気の毒なのですが、「他人に触れられる」事に馴れていない私には、どうしても照れや抵抗が感じられてなりません。

加えて、ポーランドでは、男性が初対面の女性に対し、手の甲にキスをする習慣があります。日本の若い女の子が「おっさん」と呼ぶような世代の方でも、まるでディズニー映画の王子様みたいに、さっと女性の手を取って、キスをされます。
それがポーランドの女性に対する礼儀なのです。

だから、ポーランドでは、結婚指輪は右手の薬指にします。
男性が初対面の女性の手にキスをする時、「私は結婚しています」という事を暗に示す為だと言われています。

最近では、日本でも若いカップルが公共の場所でいちゃつく、と年配の世代からクレームがあったりしますが、別に若いカップルに限らなくても、人と人が触れ合うことはとても大事だと思います。
キスはともかく、ハグはどんな人間関係においても非常に重要なものではないでしょうか。

欧米では、両親が子供を強く抱きしめる光景をよく目にします。
たとえ強く叱った後でも、抱擁する時は優しく、ためらいなく、抱きしめたり、キスしたり、、、。
そのせいか、子供達も、情緒が安定しているように見て取れます。
いつでも親が抱きしめてくれる、という安心感があるからでしょうか。

日本でも、もっともっとハグの習慣が浸透すればいいと思います。
なかなか難しいとは思いますが、愛情のこもったハグは、どんな美しい言葉より、優しく、温かくて、安心できるものですから。

記:03/02/06 (木)

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