ポーランドの伝統料理・ビゴスを極める ~バーモント・ビゴス~

ここではポーランドの伝統料理『ビゴス』の作り方を紹介しています。

ビゴスは、一口に言えば、酢漬けキャベツ(Kapsta Kwaszona)をベースにした肉と野菜の煮込み料理で、作り方も千差万別。
レストランに行って注文しても同じものは二つとして出てこないくらい、作り手のセンスとこだわりが伺えます。

私のオリジナルはトマト味をベースにした『バーモント・ビゴス』。
クラクフのレストランで食べた味を自分流に再現したものです。

材料(4人分×2~3日分)

ビゴスの基本は、大鍋にどっさり作って、長時間グツグツ煮込むこと。
1日目よりは2日目の方が美味しくいただけます。

・Kapsta Kwaszona (酢漬けキャベツ) 500グラム~1キロ
 酸味が強いので、好みによって使う量を調整します。

・キャベツ (Kapsta Byała あるいは Kapasta Włochy) 500グラム
 酢漬けキャベツに拮抗して甘みを出すために使います。
 こちらも甘みをみながら量を調整します。

・乾燥キノコ 20~30グラム
 風味を出すのに使います。無くても可。

・豚肉、鶏肉、ハム、ソーセージ 500グラムほど
 私の感覚ではビゴスに一番合うのは豚肉だと思います。
 いろんな種類の肉類を組み合わせます。

・豚骨 200~300グラムほど
 スープを煮出すのに使います。なければスープの素で代用。
 
・白ワイン 500cc
 基本的にビゴスを煮込む時に水は使いません。
 野菜からかなりの水分がしみ出すため、足りない分は白ワインを使います。

・マッシュルーム 300~400グラム
・玉ネギ 2個
・ニンニク 3カケ
・リンゴ 1~2個
・ハチミツ
・トマトペースト もしくはホール缶
・スープの素
・Ziele angielskie、オレガノ、ローレル、クミネク、バジルなどハーブ類

【固形スープの素について】
ポーランドでもスープの素はよく使われます。
メーカーとしては、クノールKnorrとヴィニャリWiniaryが有名なのですが、私個人としてはKnorrの方が好きです。
ビゴスの場合、下の二つを合わせて使うと良いでしょう。

Bulion Grzybowyと呼ばれるキノコ風味の固形スープの素

Rosół Wołowyと呼ばれるビーフ風味の固形スープの素

しかしながら、食の安全面では動物性の油分も多く、調理に多用するのはお薦めしません。
なるべく自然な風味を活かしましょう。

【Ziele angielskie】
直訳すれば「イギリスの草」。
スープや煮物、炒め物によく使われます。

【concentrat pomidrowy】
ポーランドでトマト料理に使われるトマトペーストです。
メーカーとしては、Pudliszkiがおすすめ。

インスタントを使う

どうしても自分で作れない方は、インスタント調味料を使ってみるのも一つの手です。
いわゆる「一般の味」ですね。
Bigos

ビゴスの基本は、乾燥ポルチーニの風味と酢漬けキャベツの酸味をいかに融合させるかです。
酸味が強すぎても食べにくいし、ポルチーニの芳醇さばかりが表に出ても印象が残らなくなる。
コクを出すためにソーセージを入れすぎて、脂でベトベトにしてしまっているビゴスもある一方、
長時間、強火で煮込みすぎて、味が飛んでしまっているものもあったりと、
地元の人でも失敗するぐらいですから、こればかりは自分で食べ歩いて、舌を鍛えるしかなさそうです。
Bigos

手順

日本では「ザウアークラウト」で知られている酢漬けキャベツです。
ポーランドでもサラダ感覚で肉料理に添えられたり、クリーム風に煮込んだり、家庭料理に欠かせない逸品です。
Kapsta Kwaszona

酢漬けキャベツの酸味に拮抗して使う普通のキャベツ。
ポーランドでは一般にKapsta Byłaと呼ばれる大きな白キャベツを使うようですが、私は味や食感が好きではないので、Kapasta Włochyと呼ばれるグリーンの強いタイプを使っています。
キャベツ

デリカコーナーで売られているkośćと呼ばれる骨。おいしいスープを煮出します。
基本的に豚の骨を使いますが、牛や鶏、肋骨などでもOK。
写真は豚のkość。
豚骨

風味づけに欠かせないのがポーランド特産の乾燥マッシュルーム。
少量でも高価なので、決め料理の時に使います。
使用前、しばらく水につけてもどし、お汁ごと鍋に入れます。
乾燥マッシュルーム

ビゴスのもう一つの主役、豚肉と鶏肉。
私は豚肉を少し大目に使っています。牛肉は使いません。
肉類

kiełbasaと呼ばれるポーランド特産のソーセージ。
こちらは知人の方が自宅でこしらえた100%自家製です。
肉は上質、香りもよく、既製品のように脂ぎった部分がありません。
通常、赤いソーセージを使用しますが、白いソーセージを混ぜても美味しいかも
ソーセージ

ビゴスの隠れた主役、白ワイン。
さらに手慣れた人になると、野菜からしみ出す水分だけを上手に使い、水気はいっさい加えないとか。
私はそこまで蒸気の使いが上手くないので、白ワインを加えています。
ポーランドには「調味用ワイン」はないので、安価な家庭用ワインを使っています。
白ワイン

作り方

・材料は少しずつ、重ねるようにして加える
 煮込んでは加え、煮込んでは加え、味を徐々に重ねていくのがコツです。

・弱火使いに気を付ける
 ビゴスの調理の基本は、「熱しすぎず、冷ましすぎず」。
 火力が強いと香りが飛んでしまうし、弱すぎてもじっくり火が通らず、ビゴス特有の「ひたひた感」が出ません。
 
・調味料による味付けは最後に
 材料を重ねるごとに味が変わっていくのがビゴスの特徴。
 また煮込んでいる間にもどんどん変化していくので、調味料による味付けは最後にします。
 豚骨=スープの素と、素材からしみ出す天然の味を生かしましょう。

熱した鍋にバター50グラムを溶かし、刻んだニンニクを入れて香り出しします。
次に細切りにした玉ネギをじっくり炒めます。
玉ネギ

塩コショウした肉類を炒めます。
ソーセージはキャベツがしんなりしてから加えてもOK。
肉

よく水洗いした豚骨を入れて、表面を軽く炒めます。
ちょっと香りが立つぐらいでOK。
豚骨

肉の上に被せるようにして酢漬けキャベツを入れます。
フタをして密閉し、鍋の中がスチーム状になって、中までしっかり熱が通るまでそのまま様子を見ます。
かなりの水分がしみ出してくるので、水を加える必要はありません。(が、気を付けて!)
酢漬けキャベツ

酢漬けキャベツがしんなりとしたら、普通のキャベツを入れます。
これも先ほどと同じ要領で、フタをして密封し、スチームを利用して調理します。
キャベツ

キャベツがしんなりしたら、乾燥マッシュルームをお汁ごと入れて、白ワインを1カップ、スープの素、ローレル、マッシュルーム、Ziele angielskieを入れます。
さらにトマトペースト大さじ4杯、もしくはホール缶詰のトマトを細かく刻んで加えて、本格的に煮込みを開始します。
水気が不足すれば、白ワインを少量ずつ補います。
煮込み開始

時々かきまぜながらじっくり煮込み、材料がかなり柔らかくなったら(目安1時間)、ダイス状に切ったリンゴとハチミツ大さじ3を加えます。
リンゴとハチミツ

さらに2~3時間煮込んで、塩・トマトペースト・ハチミツを加減しながら味を調えます。
出来上がり

ビゴスは、新鮮なパンとビールを片手に頂くのがポイント。
出来たてよりも、時間を置いた方が美味しい(カレーと同じ)。

酢の影響でお腹が緩む人もいるので、食べ過ぎには注意しましょう。

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