反抗

「『金が欲しかった』だと?」 土曜の夜に、彼が息子を捕まえて問いただすと、スティーブはふてくされながら、「そうだよ」と答えた。 「何の為に?」 「父さんに関係無い」 「関係無いことはないだろう。酒場でアルバイトなんて、親に隠れてこそこそと。いつからやってたんだ?」 「……」 「いつからやってたと聞い …

 

建築と音楽

「”形”はどうやってお父さんの頭の中に生まれるの?」 「ある日、突然、結晶するんだよ」 「”結晶”?」 「そう……ニーズ、コンセプト、立地条件、周囲の景観、予算、工法……様々な材料を、頭の中の鍋釜にぶちこんで、想像力というサジでかき回しながら、朝夕かけ …

 

己の極限に挑む

「本当に好きなのねえ、ピアノが」 「『好き』なだけなら、まだいい。あの子は本気で己の極限に挑もうとしているから、質が悪い」 「もし、それを突破したら?」 「また次の壁が現れる」 「……」 「芸術は非情だよ。生涯、己の極限に挑み続けなければならない。絶えず新しいものを生み出す為に、我を離れ、精神を飛ば …

 

ピアノと天才

「何であんな奴がいるんだろう。ウォルフガング・アマデウスと同じだ。……神様に選ばれたんだよ」 スティーブは足元の土を蹴った。 「もう『至高の光』を目指すのは止めるか?」 「僕には一生かかっても、あんな風には弾けないかもしれない。弾いても、弾いても、神様は一生、僕には振り向いてくれないかもしれない。そ …

 

原因と結果

現状も、未来も、顧みず、 客の方だけ向いて、 「あれもやります」「これも出来ます」と 安請け合い。 医療も、飲食業も、運輸業も、航空業も、 現場が破綻するのは当たり前。 こんなこと、30年以上前から、現場をよく知ってる係長クラスや専門家は訴えてた。 でも無視されてきたんだよね。 客と同様に、従業員も …

 

社員の気持ち

真面目に勤めているのに、上の不正のせいで「僕は○○社で働いています」と胸張って言えない人の気持ちなど考えたこともないのだろう。 海洋小説『曙光』 -Morgenrood-

 

人間とは想念のもの

人間というのは、突き詰めれば想念のものだ。 どれほど技能に優れても、淡泊な人間に大事は成せない。 海洋小説『曙光』 -Morgenrood-

 

願いと問題の狭間

この世のことは天上の影。 追えば逃げ、逃げれば追うのが必定です。 どうしても焦がれる気持ちが苦しい時は、少し心を他に向けてごらんなさい。 意識を問題から反らすのです。 そうすれば、心と問題の間に空白が出来ます。 その空白に神様の業が起こるのです。

 

想像の翼

やれやれ、君もお祖父ちゃんと同じような考え方をするね。 合理主義というか、 すぐに理屈が先行して、 想像の翼を折りたたんでしまうんだ。 海洋小説『曙光』 -Morgenrood-

 

一人で生きていると

「一人で生きていると、ワッフルを自分だけお腹いっぱい食べることができるけど、それが最上の味かといえば決してそうじゃない。 妹と分け合って自分の取り分が少なくなっても、『おいしい、おいしい』と楽しむ人もいる。 俺はそういう感性が羨ましい。 幸せというのは、きっとそういうところにあるんじゃないかと思う。 …