寺山修司 海の詩 1月 8日, 2010年 by 阿月 まり
なみだは
にんげんのつくることのできる
一番 小さな海です
つきよのうみに いちまいの
てがみをながして やりました
つきのひかりに てらされて
てがみはあおく なるでしょう
ひとがさかなと よぶものは
みんなだれかの てがみです
ぼくが死んでも 歌などうたわず
いつものようにドアを半分あけといてくれ
そこから 青い海が見えるように
いつものようにオレンジむいて
海の遠鳴りを教えておくれ
そこから 青い海が見えるように
かなしくなったときは
かなしくなったときは 海を見にゆく
古本屋のかえりも 海を見にゆく
あなたが病気なら 海を見にゆく
こころ貧しい朝も 海を見にゆく
ああ 海よ
大きな肩とひろい胸よ
どんなつらい朝も どんなむごい夜も
いつかは終わる
人生はいつか終わるが
海だけは終わらないのだ
かなしくなったときは 海を見にゆく
一人ぼっちの夜も 海を見にゆく
どんな詩人が
自分の書いた海で
泳ぐことができるというのだろう
寺山修司少女詩集 (角川文庫)
「少女」と銘打ってはあるが、世代や性別を超えて人を惹きつけるロマンティシズムにあふれている。
まさに「詩人の溜め息」と言うにふさわしい、美しくも儚さを感じさせる傑作。
ポケットに名言を
説教くさい、堅苦しいものでなく、人の心の淋しさや人生の奥深さを謳った言葉が集められている。
手軽に読める一冊。
友情、恋愛、社会、身の回りのことなど、高校生のたわいもない質問に寺山が独自の感性と人生観をもって答える。
その大人の機知に富んだ回答には唸らされるばかり。必読のオススメ本です。
詳しくは、寺山修司の人生相談をご参照下さい。
※こちらで寺山修司のタイトル一覧が参照できます。→ Amazon.jp 寺山修司の本
寺山修司 (平凡社新書)
詩人、小説家、エッセイスト、シナリオライター、競馬評論家、映画監督・・様々な分野で才能を開花させた寺山の生涯を、彼の残した様々な言葉と共に綴る本。
寺山を深く知りたいならば是非。
幸福論 (角川文庫)
「あなたにとって幸福とは何ですか?」という問いかけに、大勢の人々が「昼寝」や「テレビをみること」、「美味しいものを食べること」と答えているのを見たならば、あなたはそれをどう感じるだろう。“私たちの時代に失なわれてしまっているのは「幸福」ではなくて、「幸福論」である”と記す著者が、古今東西の「幸福論」に鋭いメスを入れ、イマジネーションを駆使して考察した新たなる「幸福論」。
戯曲 毛皮のマリー・血は立ったまま眠っている (角川文庫)
美輪明宏の舞台で非常に有名な戯曲。美しい男娼マリーと養子である美少年・欣也とのゆがんだ激しい親子愛を描いた寺山の美学が冴える傑作。





Posted in ポエム & 心に残る言葉