女性と恋愛

鏡恐怖症と美容院嫌いとフォビアの為のコスメサロン

2016年10月6日

世の中には、「醜形恐怖症」、あるいはその派生として「鏡恐怖症」を抱えておられる方がいます。

私も「鏡恐怖症」の一人です。

怖くて、鏡が直視できない。

鏡に限らず、自分の顔が映るものは、大半ダメです。

きっかけは、美容院での、この一言。

十八歳の時に、初めて一人で美容院に行きました。

美容師さんというのは、その子に一番似合う髪型を作ってくれる人だと思っていたので、順番で呼ばれて、椅子に座った時も、「髪、切って下さい」と言って、そのまま切ってもらえるのを待ってたんです。

するとね。

相手は男性の美容師だったんですけど、「どれぐらい切るの?」と聞かれて、「3センチぐらい」と答えたら、「それだけじゃ分からない。どこを、どうしたいのか、ちゃんと説明してくれないと」と言われました。

でもね、私はその意味が分からなかったんですよ。

それを考えるのが、美容師さんの仕事じゃないの? って。

それで、しどろもどろになってたら、

女の子なのに、自分で自分の髪型も決められないの? ファッション誌とか、見ないの?

と言われて、ものすごくショックを受けたのです。

実際、ファッション誌とか全然興味なくて、おっさんの読むようなビジネス誌とか、Newtonみたいな科学雑誌とか、心理学の本とか、少年ジャンプとか、そんなんばっかり読んでたからね ( ´Д`) 

「なりたい髪型」なんてのも無くて、「この先、何をして生きていけばいいんだろう。どうしたら、一生食いっぱぐれることなく、自分の好きな事を続けていけるだろう」って、将来設計で頭いっぱいだったし。

でも、「女の子のくせに」みたいな物言いが、(18歳のデリケートな)胸にものすごく突き刺さったんですね。

その後、その美容師さんは、「じゃ、適当に切っとくから」って。

本当に適当に切って、私に手鏡を手渡して、「こんでいい? 3センチ」って。

でも、その時には、もう恐ろしくて、鏡が見られなかった。

「自分で自分の髪型も決められなくて、ファッション雑誌も読まない女の子はダメなんだ」って、頭の中に刷り込まれて、以来、美容師という美容師が、にこにこお世辞をいいながらも、心の中では「ダメな女の子」と嘲っているように感じて、美容院も、化粧品売り場も、ブティックも、鏡を見ることさえも苦手になった。

今もそうだけど、メイクやヘアセットに五分以上かけたことがないし、ブティックで試着しても、鏡はほとんど見なくて、身体に合うか合わないかをチェックするだけ。

極力、鏡を見ないように暮らしてるし、今でも美容院に行くのは地獄のような心境。

化粧品を買う時も、カウンターの数メートル手前からサンプルを眺めて、「あの色なら合うだろう」と勘で選んで、店員さんに「○○番の口紅を下さい」と伝えるだけ。「お試しになりますか」とか言われても、「いいです」と断って、即行でその場を離れるの。

化粧の話とかされても、ほんと、分からんし、また受け答えできなかったら、「女性のくせに、ファッション誌も読まないんですか」とかバカにされそうでね。怖くて、逃げ回り ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ

「じゃ、メイクする時、どうしてるんですか?」と問われたら、鏡を斜めに見ながら、ファンデーションと頬紅だけ塗って、最後に、唇だけ鏡に映して、口紅を塗って、終わりです。

アイシャドウは付けたことがないし、グロスやアイブロウなども、使ったことがない。

たまにビューラーで睫毛を巻いて、マスカラもやってたけど、その時も、顔全体を鏡に映すことはなくて、目だけ。

メイクに何十分もかける人から見れば、信じられないかもしれないけれど、鏡恐怖症の人って、ちらとでも自分の顔が視界に入ると、過去の嫌な体験がフラッシュバックして、すっごく惨めな気持ちになるんですね。

私も「気にしない、気にしない」と自分に言い聞かせ、馴れようとしたけれど、やっぱりダメでした。

十八歳の時に美容院で言われたこと、二十三歳の時にも男性美容師に「(髪の分け目が)起きた時のままでセットするの? クスッ」と嗤われたこと、そして、行く先々で「髪の毛が薄いですよね」と言われたこと。

極めつけは、子供を産んで間もない頃、旦那が子供を抱いている私の後ろ姿をビデオ撮影したことがあるんですけど、ビデオに映っている自分の後頭部がハゲみたいに薄くなってて、「ホルモンのせいかな~」と言ったら、「いや、前からこんなものだよ」と言われて。

それで、決定的にダメになりました。

みな、心の中では、私のことを「ハゲ」「薄毛」「ファッション誌も読まないダサ女」と思ってきたんだな……と。(特に、美容師) 

かくのような事がありまして、私は今でも立派な鏡恐怖症です。美容院の椅子は生き地獄です。

多分、直ることはないだろうし、今さら、直す気もないけども ┐(´∀`)┌ 一生に一度くらい、美容院というものを心から楽しんでみたかったです。

多分、世の大勢、特に美容師さんや化粧カウンターの方々は、女性というものは皆、お洒落や化粧が好きで、それを楽しんで鏡を覗いている……と思っておられるでしょうけど、世の中には、このような鏡恐怖症や醜形恐怖症、美容院フォビアで苦しんでいる女性もいます。

そんでもって、真面目な美容師さんからすれば、「このお客さん、なんでずっと黙ってるのかな。下ばっかり向いて、鏡も見ない。僕の腕が気に入らないのかな」と思うかもしれません。

が、もしかしたら、その女性は、醜形恐怖症か鏡恐怖症かもしれません。

仕方なく美容院に来てるけど、できれば一生、鏡とも美容院とも無縁で生きたいタイプです。

聞けば聞いたで嫌がられ、話せば話したで煙たがられ、客扱いも難しいとは思いますが、「もしかして、鏡が苦手なの?」と聞いてもらえたら、女性も答えやすいし、鏡が苦手と分かったら、「じゃあ、私達に任せて」と、その人が一番素敵に見えるようにセットして下されば十分。

鏡が苦手な人は、毛先がどっち向こうが全然気にしなくて、とにかく、この場から一刻も早く逃れたい気持ちでいっぱいですから、「とても見映えが良くなりましたよ」と自信をもって送り出して下されば、それで安心して外に出て行けるのです。

そういう女性客もいる、ということで。

フォビアの為のコスメサロン

恐怖症の人のためのコスメサロンとか、けっこう需要があると思いますよ。

鏡のない美容院とか。

鏡を見なくていい化粧品売り場とか。

とりわけ、今は容姿コンプレックスの子が多いでしょう。

「SNSに自分の写真をアップしても、誰もいいね!してくれない」「だから、私はブスなんだ。魅力がないんだ」みたいに思い込んでいる女の子。(うちの知り合いもこのタイプ。すごく可愛いのに、本人は自分が一番、仲間内でダサイと思い込んでいる)

そういう子って、最後には鏡恐怖症、醜形恐怖症、もっと悪くなれば、摂食障害や対人恐怖症に陥りますから、要注意なんですよ。

そんでもって、フォビアになりかけの子に「大丈夫」と言っても、なかなか信じない。

その子の人生の基準は、Facebookの「いいね」であり、権威ある人(プロの美容師や化粧品屋、SNSの人気者なども含む)の承認になってしまってるから、もう傍が何を言っても、慰めにも励ましにもならないんですよ。

そういう子に自信を付けさせるために、美容院とかブティックとか連れて行っても、かえってプレッシャーになるだけだから、いっそ鏡のない美容院に連れて行って、恐怖にさらされない中で、「お似合いですよ」「可愛いよ」と励ましてもらった方が救いになるような気がします。

ま、ひとつの人間雑学として、心に留めて下さい。

You Might Also Like