The Paris Macth / スタイル・カウンシル 世界で三番目に好きなラブソング

雨に煙るような夜の街。
いとしい男の面影を追って、さまよい歩く女の姿が浮かぶ。

それほど愛している訳ではない。
だけど、求めずにいない。

雨に濡れたトレンチコートのポケットに冷えた手を突っ込み、「またここで、あの人に会えるのではないか」と淡い期待を抱きながら、バーを渡り歩く女のイメージが浮かぶ。

そんな女の淋しい恋の情景を、気怠く歌い上げたのが、ポール・ウェラー率いる伝説のブリティッシュ・バンド、スタイル・カウンシルの『The Paris Match』。
歌っているのはポールではなく女性シンガーだけれども、少しかすれたようなジャジーな歌声が、雨に濡れるパリの下町を思わせて、非常に印象的だ。

安っぽいドレスに、手抜きの薄化粧を重ね、「またここで、あの人に会えるのではないか」と淡い期待を抱きながら、あちこちのバーを渡り歩く女のイメージが浮かぶ。

恋の歌はいくつもあるけれど、『The Paris Match』は、忘れようにも忘れられない恋慕の想いに満ちて、まるで一編のフランス映画を見ているよう。

霧雨に煙るパリの下町を思わせる、隠れた名曲です。


Empty hours spent combing the streets
In daytime showers they’re become my beat
As I walk I knew where you are
because you’ve clouded my mind
And now I’m all out of time

Empty skies say try forget
Better advice is to have no regrets
As I tread the boulevard floor
Will I see you once more
Because you’ve clouded my mind
Till then I’m biding my time

I’m only sad in a natural way
the gift you gave is desire
The match that started my fire

Empty nights with nothing to do
I sit and think every thought is for you
I get so restless and bored
So I go out once more
I hate to feel so confined
I feel like I’m wasting my time

街を捜し歩いた空しい数時間
昼間の雨は私の鼓動を刻んだわ
カフェからバーへと足を運びながら
あなたの居場所を知ってたらと悔やむ私
あなたが私の心を曇らせてしまったのよ
今の私は何もかも調子っぱずれ

うつろな空は忘れろというし
くよくよするなって忠告ならマシな方
こうして通りの下を歩いて行けば
もう一度あなたに逢えるかしら
私の心を曇らせてしまったあなた
そのときまで私の時間はとまったまま

私が悲しいのはいつものこと
時にはそれを楽しんでいることもあるわ
あなたがくれた欲望という名の贈り物
もうマッチに火が点いてしまったのよ

何もすることのない夜の連続
想いはすべてあなたにつながってしまう
不安と退屈がまじりあい
たまらずまた外出してしまう
こんな息苦しい思いはイヤ
とっても時間を無駄にしてるみたい

UK is best

この曲も、フレンチ・バージョンや他のアーティストによるカヴァー曲があるところを見ると、やはり熱烈なファンが数多く存在するのでしょう。
ほんと、イマジネーションをかきたてられる曲ですから。

スタイル・カウンシルにもいろんな作品がありますが、これだけは際だって歌い継がれるような気がします。

Pops&Rockは、やはりUK(ブリティッシュ)に限りますね。

同じ英語圏でも、ヤンキーの作るポップスとはひと味もふた味も違う。

ジェームズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場(NY)で、いまいちオペラを観る気にならない所以である。
(あと、アメリカン・バレエ・シアターの『白鳥の湖』とか)

アメリカ人を歯間ブラシにたとえれば、英国人は爪楊枝。

実利より風流。

ケミカルより青竹なのだ、英国人のポップスは。

そんなわけで、UKを代表する天才アーティスト、ポール・ウェラー率いるスタイル・カウンシルもぜひぜひ聞いて欲しい。

この世界が分かれば、○○とか○○の音楽なんて、ただのウケ狙いにしか思えなくなるから。

イギリスの国民的バンド「ザ・ジャム」解散後、ポール・ウェラーが自分自身の趣味性と音楽的資質を思う存分爆発させたのが、キーボーディストのミック・タルボットと結成したこのユニット。
R&B、ソウル、ジャズ、ファンクなど、黒人音楽のエッセンスを英国的センスで仕立てたファッショナブルなサウンドは、世界中の音楽シーンに大きな衝撃を与え、ウェラーは再び時代の中心に立った。

【Amazon.comより】
The Paris Matchはここ20年でも最高の曲のひとつ。アンニュイだけど、ぎりぎりで美しい。

↑ まさにその通り。メロディといい歌詞といい、一枚の絵画を見ているようで、頭の中で一つのドラマが出来てしまう。
『カフェ・ブリュ』を買ったのは、当時の世界的ヒット曲で、ピアノだけで歌われるジャズ・テイストの『My ever changing moods』が目的だったのですが、トレイシー・ソーンが歌う『The Paris Match』の方に見事に転んでしまいした。

これが私をノックアウトした『My ever changing moods』絶えず移り変わるボクの気持ち。

この曲は、ポップ調のものと、動画のジャズ・ピアノバージョンと二つあって、世界的にはポップ調の方がヒットしたのですが、『カフェ・ブリュ』にはピアノ・バージョンが収録されています。
初めて聞いたのは高校生の頃でしたが、まるで自分の心情を物語っているような感じで、毎日のように聞いていました。


この『The Lodgers』も大変ヒットしました。
さびの部分がとても印象的です。

There’s only room for those the same
Those who play the leeches game
Don’t get settled in this place
The lodger’s terms are in disgrace


「Walls Come Tumbling Down!」もヒットチャートを制したいい曲でした。
この頃のポップス・ベストテン、本当に色鮮やかな「天才戦国時代」という感じでしたね。


関連アイテム

とりあえず気に入った曲だけ拾いたいならMP3アルバムがおすすめ。
一曲から購入可能、試聴もできますヨ☆

ポール・ウェラーは、英国の美男俳優ルパート・エヴェレットと親しいんですよね。
このジャケットの背景に飾られているのは、ルパートの代表作『Another country』のポスターです。
このCDは彼らのベスト盤的な一枚です。

Lodgers(邦題:『ロジャース』)は、こちらのCDに収録されています。

でも、私が一番好きなのは、こちらのCD。

ジャズともクラシックともつかぬ上質なサウンドと壮大なスケールを感じさせる一枚。
音楽全体に透明感があり、宇宙的な広がりを感じさせる。
ジャケットや中身のイラストも大変凝っていて、ポールの才能を余すことなく表現した珠玉の一枚。
イラストだけでも見る価値があります。
特に『エデンの庭師』の美しさは白眉のもの。まるでクラシックの小組曲でも聴いているような感じです。
ストリングスが非常に素晴らしい。

エデンの庭師 ~ The Garden of Eden A Three Piece Suite ~

二曲目の女性ヴォーカルが神秘的。


最後に、このアルバムに収録されている、夢のように美しいヴォーカルをどうぞ。


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