Notes of Life

オタクとマニアとファンの違い

2015年3月24日

本来、オタクというのは、非常に高尚で、ユニークで、向学心にあふれ、普通の人の何十倍も何百倍も味のある人生を送れる特典があったはずなんですけど、一般のマンガ好きや愉しいファン・サークル等と何もかもゴッチャに語られているようなので、ちと分類してみます。

『汝みだりにオタクの名称を口にするなかれ』

『ベルサイユのばら』を例にあげますと

ファン(愛好家)

「オスカルさま、かっこいいよね~」
「コミック、買った! 毎晩読んでます!」
「宝塚、サイコー! 次の公園も一緒に行こうね!」

好きな気持ちを仲間で共有し、楽しく盛り上がる。

*将来

新しいものが出てきたら、そっちに移行する。
ブームが過ぎれば忘れる。
作品そのものよりも、友達とワイワイ盛り上がった思い出の方が大切。

マニア

ベルばらに関するものなら、何でも持ってる。
付録のパンフレット、消しゴム、塗り絵、雑誌の切り抜き、コップ、マスカラ、入浴剤。
宝塚の役者さんのことも隅から隅まで知っている。
池田理代子先生の講演やイベントを追っかける。
生活をそれ一色で塗りつぶしてもいいほど、作品と先生が大好き。
その為に、何万円、何十万円とお金をかけても惜しくない。
幸せのバロメーターとコレクションの数が比例する。
仲間はなくても構わない。(むしろ、ライバル視するかも?)
団体ツアーでベルサイユ観光に参加する。

*将来

他に新しいものが見つかれば、移行する可能性がある。
年をとると「良き思い出」に変わり、「結婚するから」「東京に転勤になった」等々で、ある日突然、コレクションを整理(処分)することがある。
別の趣味のものを手に入れる為に、コレクションを売却ことがある。

オタク

ツヴァイクの「マリー・アントワネット伝」は言うに及ばず、「フランス史」「ヨーロッパ王室史」「西洋美術史」「ナポレオン伝」「エカテリーナ伝」「ルードヴィヒ二世」など果てしなく枝葉が広がる。
その過程で突然枝分かれして、全く違うものにハマることがある。いきなり「メソポタミア文明」。周りにはその関連性がまったく理解できないが、本人の中では整合性がとれている。
仲間は求めない。というより、他人には理解できない世界観に住んでいる。
個人でベルサイユ宮殿を訪ね、一般の観光客が行かないような場所に行って悦に入る。

*将来

自分が夢中になったものは虫に食われようと、カビが生えようと、絶対に捨てずに家宝にする。
好きが高じて、大学→フランス語専攻→フランス外資系に就職
大学→世界史専攻→そのまま残って講師
フランスに行ったきり帰らない→今もパリ在住
べるばらのウェブサイトを立ち上げて、その分野で知らない人はないほどの有名人になる。

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「ファン」と「マニア」と「オタク」は似て非なるものです。

それぞれに楽しさがあり、それぞれの思い入れがあります。

なかでも「オタク」というのは、本来、非常にクリエイティブで、博識で、行動力があって、傍から見れば、どう見てもオカシイ、理解できない異様な世界に住んでいるけれど、ものすごいものを生み出すポテンシャルを秘めた、素晴らしい存在のはずなんですけど、なんかこう「キモチワルイ」「犯罪予備軍」に分類されているようで悲しいです。

というより、「オタク」の名を使って、みだりに商売するな。

純粋に、それを愛好している人間の世界に土足で入って、商業化するな。

真性オタクを舐めるな。

キャラを使ってもっと儲けたいのかもしれないけれど、やってることは逆効果。

真性オタクは、そういう風潮に嫌気が差して、ますますアングラに潜っていく。

そもそも、真性オタクは、直裁的なところにお金を使わない。

一般のファンとは、お金の使い所も、自己の探求にかける額も違うのですよ。

そんでもって、自分の愛する作品が、単なる金儲けに使われることに激怒するのです。

それが全て先生のところに行くなら別ですけど。

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私は若い人にはもっと「オタク」であって欲しい。

これ面白いネ、で終わるんじゃなくて。

もっとディープな世界に足を突っ込んで、あちこち見て回ったり、読んだり、聞いたり。

それは決して周りに理解されないかもしれない。

ヘンな奴と言われて終わりかもしれない。

でも、一つだけ、断言できることがある。

普通のサラリーマンであっても、専業主婦であっても、

真性オタクにとって、この世界は飽くことがない。

退屈も知らず、限界も知らず、本一冊で世界中を旅する楽しさを味わえるということ。

それはもしかしたら、何年後、何十年後かに報われて、大きな成功に繋がるかもしれない。

存在自体が、大きなポテンシャルだということ。

そして、その原点にあるのは、一冊のマンガだということ。

みなが夢中になった「作品」とは、そういうものであった、と思います。

『汝みだりにオタクの名称を口にするなかれ』

今、オタクを自称・他称する人たちも、一度、原点に立ち戻って、考えていただければと思いまス。

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