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「オタク」と「ザイタク」をごっちゃにしないで~

2016年8月12日

Record Chinaさんで、「近頃の大学生がオタク化して困ってます」的な記事が配信されていたので、「意味不明な世界観にどっぷり浸かって、一般社会の普通人と話が噛み合わなくなっている」という状況なのかしら、と想像していたら、ちゃうちゃう、内向き志向、在宅傾向が強まっているというだけの話で、それは「オタク」ではない、と、つい心の中で反発してしまいました。

こういう文脈で「オタク」という言葉を使われると、真性オタクはますます居場所がなくなっちゃうし、これから革新的な事を始めるかもしれない「黄金の卵」たちが、「オレって、やっぱり異常なの?」と懐疑的になり、チャレンジ精神も削がれてしまうことがありますからね。

これは「オタク」ではなく、「ザイタク」でしょうに。

中国で多くの大学生が夏休みになると「オタク化」―中国メディア

大学生の半数以上が、夏休み中「ほとんど外出しない」、または「外出しない」と答え、「オタク」状態になっていることが分かった。

夏休みの計画について、回答した大学生の56%以上が、「様子を見て決める」、または「何も考えていない」と答えるなど、2カ月の休みの間、はっきりとした計画もないまま、することもなく、ただなんとなく過ごしている大学生の姿が浮かび上がった。また、お金がない、興味のある活動があまりない、インターネットやスマホに夢中などの理由から、5割以上の大学生が夏休み期間中、全く外に出て活動することはなく、毎日目が自然に覚めるまで寝て、不規則な時間に食事をし、デリバリーやおやつばかり食べている。そして、7割近くが、夏休みにあまり満足しておらず、退屈と感じたり、後悔の念を感じたりしている。

「真性オタク」って、他人が考えている以上に忙しいんですよ。

・欲しい本・読みたい本・見たい作品 → 山積み(一日24時間、人生80年では足りない)

・欲しい情報(感動)を求めて、一日中本屋巡り、図書館巡り、史跡巡り、美術館巡り、は当たり前。
 ○○様ゆかりの地となれば、海外でも平気で行っちゃう、しかも、そんなマイナーな場所は旅行会社でも旅程に入れてくれないので、必然的に個人旅行になる、となると、英語の勉強や法律等の予備知識も必須になる。

・旅費やチケット代欲しさにアルバイト三昧。みな趣味に注ぎ込むので一銭も残らず、またアルバイト。

・突然、体力増強の必要性に目覚め、ジム通いなどを始める。(聖地巡礼は体力勝負)

・親に文句を言われたくないので、必然的に自活を選択。すると、余計で金が掛かるので、働く、働く、働く。

傍から見れば、「お前、バカじゃね?」「そんな事やって、何になるの?」と言われるような、古本や古レコードの買い漁り、ガイドブックにも載ってない聖地巡礼(墓地参拝)、マイナーな語学の勉強、誰も知らない歌手の追っかけ、などを粛々と続ける、それがオタク。

一冊の漫画、一本の映画、一つの史実、一人のアーティスト、のせいで、人生の全てを捧げて、ちょっと狂ったんじゃないの、この人、と思われるような生き方ないし、仕事を選んでしまうのが、オタク。

友人はおろか、家族にも理解を求めない。というか、常人には理解不能な価値観に生きていて、皆がディズニーランドに行く時に、一人で新潟県○○村とかに行ってしまうのが、オタク。

正直、家で、やることなくて、ボーッとしてる暇もないよね。

「何をすればいいのか分からない」「自分の好きなことが分からない」人の気持ちが分からない、のがオタクだもん。

だから上記のケースは「ザイタク」だと思うのですよ。

昨今、「ディープなファン」「ライトなファン」「収集マニア」「怠け」「青春のモラトリアム」あたりが、全て一括りに『オタク』として語られるのが、どうにもこうにも悲しいのです。

ほんとね、科学でもITでも芸術でも、金の卵はオタクの中に相当数含まれると思うわけ。

で、その人たちのやってること、頭の中身、相当にヤバくて(偏った過激思想ではなく、脳細胞の99%がそれに染まっている)、普通に生活している人には、驚異を通り越して、狂異でしかない。その為に、傍は真っ当な道、真っ当な人生に連れ戻そうとするけれど、時すでに遅しで、解毒剤などなくて、「じゃあ、そのまま狂ってろよ!」と突き放された果てに、ドカンと凄いものを発明したりする。100人に1人か、1000人に1人かは分かりませんけども。

そんでもって、そのオタク人が凄いか否かは、これまたオタクにしか分からないところがあって、「その他99名」の押し上げる層まで潰してしまったら、The Oneになる人の足場まで崩れてしまう。それって、凄い損失なんですよね。

だから、何でもかんでも、「この人、オタク! 頭おかしいです!」と否定せずにさ。

なんか傍には理解不能なことやってるけど、とりあえず、真面目に社会生活は営んでるし、税金も年金も払ってるし、子供も養ってるし、家のローンも払ってます・・みたいな感じで、一般社会に溶け込もうと努力しているオタクの方々まで白い目で見るのはやめてあげて欲しいなと思います。

私、10代、20代で、聖地巡礼とか(ちゃんとマナーを守って、地元の皆さんにも気配りを忘れないような方々)、同人誌の制作・販売とか、本屋と図書館の巡回とか、自分の部屋を「聖なるもの(その人にとっての)」で飾り立てている人とか、コスプレの衣装を一所懸命に手縫いしてる人とか、「こういう販売サービスがあったらいいよね」と仲間内で組織して、拙いなりにも「○○、始めました!」にチャレンジする人とか、大好きです。

きっと、あなた方の中から、次代の役に立つものを作る人が出てくるでしょうし、たとえ芳しい結果は得られなくても、「あの時、全力を尽くして楽しかったね♪」と一生の誇りになること、いっぱいあると思います。

変にオタク同士で落とし合い、けなし合うのではなく、「それはそれ、これはこれ」と割り切って、いっそう自分の世界観に没頭することで、花開くこともありますし。

他人は、所詮、他人。あなたの人生を代わりに生きてくれるわけではない。

普通の人に誤解されることがあっても、『引かぬ! 媚びぬ!省みぬ(この場合、「諦めぬ」ですが)!』、で、頑張って欲しいと思います。

何事も、心が折れたら、そこで終わりです。

聖地巡礼

レンブラントは私が一等好きな画家です。
これを見たさに、オランダにも行きましたよ。

海外の有名美術館に行かれた方なら、みな御存知と思いますけど、あっちの美術館は値段の付け用のない絵画でも壁にぽーんと掛かってるのね。

日本の美術展の場合、ガラスケースの中に厳重に管理されて(湿気などの問題で仕方ないのですが)、とても遠い存在だけども、ルーブルでもロンドンの美術館でも、時価数十億だか数百億、人類の遺産みたいに言われている名画が、ほんと、手を伸ばせば届くところに、まるで「相田みつを」の「人間だもの」の複製画みたいに、ぽーんと掛かってる。

初めて見た時、私はそれが一番ショックでした。(さすがにモナリザはガラスケースの中でしたが)

レンブラントの肖像画もそうですが、なんでこんな窓際の壁に! というような所に掛かっていて(ガラスケースも一切なし)、肖像画の中のレンブラントと目が合った時(オタクにはそう見える)、ほんと、涙が込み上げたものです。

またキャンパスに塗られた絵の具の厚み、筆の跡、自然光の中での色彩、一つ一つが今も生きているみたい。

画集や日本の絵画展では絶対に味わえないものです。

で、その事を普通の感覚の人に話すと、「えっ、一枚の絵を見るため(だけ)にオランダまで行くの? そんなんに旅行費40万? 何処それ? 有名なん? 何しに行くの?」→ 変な人・認定。それでもめげずに行って、一人で満足して、無事に帰国して、「次はあの絵を見に行こう。旅行費20万。コートもスーツも要らん、全部旅費に回すのじゃ!」で、働き、節約し、時には飯代をケチっても、ひたすら自己満足を追及して動き回るのがオタクってもんですよ。職場の人がみんなパリに行くから、私も・・なんて、有り得ない選択です。

だから、めげずに頑張って。

ちなみにルーブルもこんな感じでぽーんと名画が飾ってあって、その前で、美大生らしき方が胡座かいてスケッチブックを広げて、必死で模写してたりします。それを咎める警備員もいません。観客も、それも一つの美術館の風景として受け止めてます。だから芸術の都と言われてきた。裾野が違うよね。今は「パリもぶっそうになったな・・」の雰囲気になってますが。

大好きなジョゼフィーヌの肖像画。この絵に会えたのも嬉しかった(^^)

ルーブル ジョゼフィーヌ

ベルばらファンは、ここまでやるんです♪ 「民衆を率いる自由の女神」=オスカルさまの原型。

ちなみに、池田理代子先生は、フランスにもパリにもベルサイユ宮にも一度も訪れたことなく、手元の資料(百科事典とか伝記とか)だけで、あれだけの作品を描いておられる。Google Earthも、ウェブサイトも無い時代です。それが創造力ですよ。

ルーブル 女神

私も、学校や職場の人に「阿月さんて、変わってますよね」と面と向かって言われること多数だったし、「この人、頭おかしぃで~す」とか、しょっちゅう笑いものにされたし、「お前は人生を誤っとる」とか説教もされたし、まあ褒められたことは、私の記憶する限り、二度しかないです。

そんでも、人生の後半になって、つくづく思うのは、

行ってよかった、やってよかった、貫いてよかった

それだけです。

勇気を出しましょう☆

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