オランダ人船長

3-5 そして運命の女神が手招きする ~商船学校へ

2016年9月5日
オランダ人船長

同世代の若者にドラッグを売りさばいていたマルコが逮捕され、ヴァルターも警察の聴取を受ける。
情状酌量され、書類送検で済んだが、母の心痛と継父の怒りは半端ない。

「君は辛いことから逃げているだけだろう。災害で親や家を亡くしたというなら、そんな子供はこの世にごまんといる。その全てがドラッグに救いを求め、いつまでも辛いの、淋しいのと弱音を吐いているわけじゃない。わたしの知り合いにも幼少時に父親を亡くした者がいるが、君の年には学園の総代に選ばれて、今では立派な事業家だ。だが、君は母親に当たり散らすだけで、警察に補導されても反省の色もない。一流の教育、一流のセラピー、着る物も食べる物も存分に与えられて、まだ何を不足することがある? 今まで口に出さずにきたが、わたしに対しても多少は礼儀を正せばどうだ。先日も人前で『ムッシュー・ラクロワ』と呼んだな。気に入らないにせよ、十五歳にもなったら、場に合わせて繕うぐらいの知恵を持ち合わせたらどうだ」
「……」
「だいたい君の父親が嵐の中に妻子を置き去りにするから、こんな不幸になったんだ。正義漢ぶるのは勝手だが、父親としてあまりに無責任だろう。――なんだね、その顔は。恨むなら、自分の父親を恨め」

「あんたなんか『父親』じゃない。一生かけても『父さん』とは呼ばない」

継父と諍ったヴァルターは家を飛び出し、マルセイユの港にひた走る。

自転車ごと突堤から飛び込もうとした時、助けてくれたのは、船会社の作業員だった。

オフィスで目にした「商船学校」のポスターが彼の人生を大きく変える――。

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Product Notes

ナポレオンも今風に言えば、スクール・カーストの底辺にいた「いじめられっ子」です。
田舎者だわ、発音はおかしいわ、フランスの上流の子弟から見れば、「ヘンな奴」「キモチ悪い」の一言ですわな。

校庭での雪合戦で勝利した「ナポレオンの雪合戦」は有名なエピソードです。
あとで取って付けたような英雄譚の印象もありますが、現代にも通じる様々な示唆があります。

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Photo : http://www.napoleonicsociety.com/english/Life_Nap_Chap1.htm

コルシカ島も一度は行ってみたい名勝。後述の「ローランド島」はこれをイメージしています。

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ウォールのPhoto : https://journeyingtothegoddess.wordpress.com/2012/04/11/goddess-fortuna/

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