音楽

芸術的な陰鬱 映画にも音楽にも人生にも明るさなど要らない

2016年9月30日

日本でもSpotifyが始まって、一番悦んでいるのは私かも~!
素敵な音楽を紹介するのに、もうYouTubeを使わなくていいんだもん。
動画の紹介には便利だけど、音楽だけ紹介するのに絵は要らないからね。

Spotifyが日本に上陸したら、一番に紹介したかったのがこの曲。

ジャック・ニコルソン主演の映画『チャイナタウン』のエンディング・テーマです。

作曲は、Dominik Hauser と Roy Wiegand。

映画に詳しい人なら『チャイナタウン』も作曲者のこともよく御存知なのでしょうけど、私はSpotyfiのユーザー・プレイリストで初めて知りました。

ジャズ・テイストの名曲といえば、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『Taxi Driver』に勝るものはなく、そこから始まり、そこに終わる・・という感じだったのですが、『チャイナタウン』のエンディングを初めて聞いた時の衝撃も忘れられないです。

こんな美しいテーマ曲があったのか……と。今まで自分のアンテナに引っかからなかったのが悔しいぐらい。
トランペットの主旋律と、ピアノのアレンジが素晴らしく綺麗です。

その続きで、いろいろ検索して見つけたのが、こちらの映画音楽(TVテーマ)。

『The Detective』The Dark Song (作曲:Mark Northam)

これもタイトルも知らないし、何の音楽かも分からない。知ってる人は知ってるのでしょうけど。

こちらの『The Vanishing: No Coffee (Ending)もジャズ風の綺麗な曲です。
ちょっと陰りがあって、ピアノソロのアレンジも美しい。
心の隙に、すっと張り込むような、とても上品な小曲です。

世の中、元気だ、ハッピーだ、、、って、「元気をもらいました」みたいな話が多いでしょう。
若い人も、元気で、明るくて、幸せなのが一番だと思ってる。

でもね。

私に言わせたら、「明るいだけの人」って、魅力ないんですよ。
どんなに顔がよくて、仕事もできて、人気もあって、才能もあっても、三日で飽きる。
人生の『陽』の部分だけ強調して、ことさら幸せな振り、できる振り、なんて、おかしいでしょ。

それより、ドロドロ、ゴテゴテ、ウツウツとしたものを、昇華した美しさがいい。

壊れそうに美しい『Love Theme from Spartacus(スパルタカス 愛のテーマ)』ジャズ・ピアノの傑作 by ビル・エバンスみたいに、人生の影に支えられない「明るさ」なんて、ただの浅はかさに思えてならないのです。

多分ね、暗い人や失敗した人、明るいノリになれない人を、ことさら悪く言うのって、裏を返せば、その人自身が一番それを恐れているからだと思います。

早い話、自分でも乗り越えられない暗さや弱さを抱えているから、自分と同じようにウジウジ、ジメジメしたものを見ると、叩きたくなるのね。

でも、それは他者という映し鏡を通して、自分自身を憎んでいるのも同じこと。

もし、あなたが、暗さや弱さを抱えて、それを直視したり、克服する勇気があるなら、自分と同じような弱点を抱えた人間にも優しくできると思うのです。

だから、私は過度に「ハッスル! ハッスル!」みたいなものは苦手だし、そうでないと周りに嫌われる、みたいな雰囲気も苦手。

映画でも音楽でも文学でも、人生の光よりは陰影を美しく描いたものが好きで、これこそ『芸術』と思わずにいません。

そして、人間というのは、本質的には、恨み、悲しみ、傷つき、泥臭くのたうちまわって生きていくものだと認識しています。

だからこそ、「屋根裏のラスコーリニコフ」みたいなのにも、どこか憐れみを感じるし、あんな人間にも愛の救済が訪れるのが、この世の不思議であり、貴さですよ。

SNSとかで、より立派、より明るいキャラクターが求められるのは仕方のない流れにしても、もうちょっと人の心の陰影が、時間をかけて、美しく昇華する場所があってもいいのではないかと日々思います。

私は映画『チャイナタウン』は未見ですが、Amazonによると、

1937年のロス。ミス・モウレーという女の依頼を受けた私立探偵のジェイク・ギテスは、ダム建設にまつわる事件に巻き込まれる。背後には“運命の女”がいた…。ポランスキーの演出、俳優陣の見事なアンサンブル、そして時代の退廃感を切り取った映像美とすべてが超一流のハードボイルドの傑作!!これを超えるサスペンスはまだハリウッドに現れていない。

ジャック・ニコルソン主演なら、これは見逃せないですね。
興味のある方は、ぜひ。

ウォールのPhoto : https://goo.gl/7tIiV6

You Might Also Like