哀しい映画は見慣れたはずだったけど、この作品は、「哀しい」とか「淋しい」とか、ありきたりの言葉で表現するにはあまりに深く、人間の全存在を貫くようなメッセージにあふれ、本当に言葉が出てこなかった。
見終わった後も、何だろう、この胸の苦しさは──。
映画なのに、フィクションなのに、なぜこんなにも辛く、哀しく、沈まなければならないのだろう──。
そんな気持ちにさせられる一本だった。
タイトルは、『レスラー』。
レスラーというと、あれ?
額からダラダラ血を流して、場外乱闘する、あの野蛮で、汗臭くて、悪趣味の骨頂としか思えない、あのレスリング?
特に、女性ならそう思うかもしれない。
私もそうだった。
ああ、どうせ、シルベスター・スタローンがやってるような、堕ちた男の栄光復活物語なんでしょ? と。
だが、予想は見事にくつがえされた。
主演、ミッキー・ロークの顔を見ただけで、それ自体が物語りのようだった。

これが本当にミッキー・ローク?
1980年代、大ヒットのセクシー恋愛映画『
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