女性と恋愛

雑誌の『モテ特集』はモテない女が書いている

2017年3月11日

モテない女の妄想

昨今のネットの「モテ特集」を見て、しみじみ思うことがあります。

これって、モテない女が、「モテたら、こんな素晴らしいことがあるに違いない」という妄想の上に書いているのではないかと。

私が青春期を過ごしたバブルの時代にも「愛され」特集はありましたが、今ほど露骨ではなかったように思います。

あの頃は、「恋愛より仕事、自立した女がカッコいい」の時代でしたので(それゆえに高齢独女が増えたという説もありますが)、恋愛、恋愛と目の色を変えるのは、むしろ恥ずかしい。そもそも、「愛されたい」という願望自体が負け組の証であり、黙っていても複数の男が言い寄ってくるのが当たり前(アッシー、メッシーの時代)、恋も就職も「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」と迷う状況で、いかにベストなチョイスをするか――というのがデフォルトだったように思います。

ところが、空前の不況や雇用の変化など、様々な社会的な理由により、若い女性はもちろん、働き盛りの男性さえ、将来に希望が持てず、どこを向いても暗い話ばかり、そんな中、恋愛だの結婚だの、お花畑の幸せを描いて夢中になれる方がどうかしてますよね。

とりわけ、若い男性の場合、こうも社会情勢が厳しいと、明るい展望も持てず、不安と憤りに悶々としている人も少なくないでしょう。

そんな状態で、「好き好き、ケッコンして」と思える方が、おめでたい。人並みに世間を知り、社会経済に関心のある男性なら、慎重に輪をかけて慎重になるのが当然でしょう。

そうして男性が内向き、慎重、自信喪失になると、女性を求める気持ちも薄れていきます。

やれ結婚だ、イベントだ、あれくれ、これくれ、要求の多い生身の女を相手にするより、飯はコンビニ、性欲は自家発電、今時は自分で身の回りのことができる男性も増えてますから、そりゃ独りの方が気楽となるでしょう。

そんな中、女性が「結婚したい」「愛されたい」と望んでも、もう一方の性がその気にならなければ、カップリングは成立しません。

動物の世界でも、子種を付ける為に、パンダや馬のペアリングが試みられますが、飼育部屋にオスとメスを閉じ込めても、オスがその気にならなければ生殖は行われません。「この春も失敗しました」と、飼育係のおじさんが残念そうにインタビューに答えるのを聞いたことがあるでしょう。そして、不思議なことに、パンダのメスがオスに馬乗りになって、自ら種付けしたという現象は、これまでに一件も報告されていません(多分)。

つまり、動物界においては、オスが積極的になってこそ初めて生殖が成立するのであり、それは人間についても同様だと思います。女の子がどれほど「愛されたい」と願っても、男性にその気がなければ、目の前で裸踊りしても無理なんですよ。特に今は、社会的にも精神的にも自信を無くして、「自分のことで精一杯」みたいな人が多いから、余計で難しい。バブル時代なら勢いでねるとんパーティーに乗り込んでいったようなFランクの男性でも、もうそこまでの元気はないと思います。(下手に関わりをもって、「ケッコン」とか言い出されたら面倒だから)

となると、どうしても動物的なバランスは崩れて、愛されたいのに相手にされない女性の比率の方が増えていきます。

まして女性の就職は男性よりも難しい。働いても生活が立てられないとなれば、男性の稼ぎを当てにする動きにもなりますね。

精神的にも経済的にも男の力が欲しい女性と、自分を守るのに精一杯で女は要らんという男性が増えれば、物欲しい女性の方があふれてしまうのは当然。その上に、金も力ももった男性が、オットセイのハーレムのように、いい女を独占する傾向にも拍車がかかりますから、いろんな意味で、恋愛や結婚が成立しにくい世の中になっていると思います。

そんな女の子の焦りを見透かし、手玉にとるような「モテ特集」。

モテ特集や愛され特集が流行るということは、それだけ、女性が一人で立ちにくい時代になっている証でもあると思います。

女性に活力があれば、その気持ちは自己実現や自立に向かい、男性に余裕と自信があれば、その精力は女性に向かいます。

恋愛が成立しないのは、必ずしも「本人の魅力」が全てでは無いんですね。

その力学や社会的背景に対する理解が浅いと、「男性が言い寄ってこないのは、自分に魅力がないから」と思い込むようにもなります。

実際、バブルの青春期には、今から見れば、そんなにイケてないような女の子でも、彼氏がおったんです。二股、三股、シーンに応じて使い分けている女の子もありました(秋の着回しコーデみたい)。そりゃもう、男もイケイケで、車を見せびらかしぃの、ブランドのスーツを着こなしぃの、まさにオットセイが自らの精力を誇示するが如くでしたから、イケてない女の子でもお声がかかったりしたのです。

あの盛りのついた様を知らない今の女の子が、自分に魅力がないと落ち込むのも、いたしかたないかもしれません。

そういう弱みに乗っかって、モテ特集とか、愛されるノウハウがもてはやされるのでしょうけど、はっきり言って、一般女性がモテても、何も得することなどないです。一見、多くの男性にちやほやされているように見えて、その実、「一発狙い(=おだてておけば、ヤラせてくれる)」が目的だったりもしますから、本当に女性として愛されているか……という話になると、見た目だけというケースもありますよ。

男性の注目を集めて得するのは、グラビアアイドルや、歌手など、自分の顔と名前で稼いでいる業界の女性だけです。

日常生活においては、誤解されたり、攻撃されたり、嫌な思いをすることも多いですから、「モテれば幸せになる」というのは幻想です。

一般人の女性に盲目的に「モテ」を推奨する人は、実際にモテた経験がなくて、「モテたら、こんないい事があるに違いない」という妄想の上で、おすすめしてるだけ。これがモテだと勘違いして、男に言い寄られる度に舞い上がっていたら、一発狙いの男に遊ばれて、はたと気付けば「おひとりさま」みたいになってますよ。あるいは不倫男に入れ込んで婚期を逃がすか。

では、実際にモテると、実生活にどのような弊害があるか、簡単に紹介したいと思います。

デフォルメしている部分もありますので、一つの参考としてご覧下さい。

ストーキングの恐怖:怖くて夜道が歩けない

最近も若いアーティストの女性が逆恨みしたファンの男性にナイフでメッタ刺しにされ、生死の境をさまよう重傷を負った事件がありましたが、あれを日常的に経験するのが「真性モテ」です。

相手は職場の同僚だったり、級友だったり、夏期講習でたまたま居合わせた、顔も名前も知らない男子生徒だったり、いろいろです。

ある日、リンリンと電話がかかってくる。取ってみれば、突然、「付き合って下さい。好きなんです。公園まで来て下さい」。
声にも名前にも、まったく覚えがありません。
そもそも、どうやって自宅の番号を知ったのか。(ネットも携帯電話もない時代)
恋愛以前に恐怖を覚えますね。

いつもの帰り道。突然、電柱の陰から、総務部のA君が現れ、「付き合ってくれない?」。
どうして私がこの道を通ることを知っているのか。
そもそも、いつからここで待っていたのか。
一緒に歩いたことなど、一度としてないのに。
恋愛以前に恐怖を覚えますね。

デパートでお買い物。
どれにしようかな~と雑貨に見入っていると、突然、後ろから肩を叩かれ「握手して下さい」。
逃げようとしても、通路を塞がれ、「僕の手を握ってくれるだけでいいんです」。
大声で助けを呼べばいいじゃない、と思うかもしれない。
でも、実際に、自分より体格のいい男性に前を塞がれ、何を隠し持っているか分からないような感じで迫られたら、怖くて声も出ないですよ。
こういう事が何度も何度も繰り返し起きる。
突然、道ばたで抱きつかれる。後ろからバイクで追いかけられる。ポストに手紙がねじこんである。
自宅の住所や電話番号が男子生徒間で共有され、文化祭や体育祭でパンチラみたいなのを隠し撮りされ、自分が座った教室の椅子の臭いを嗅がれ、女子トイレの前でいつ出てくるか観察され、生理の周期やセックスの回数を質問される。

異性に興味を持たれると、嫌な事もセットで付いて回ります。

交際をお断りした男性に逆恨みされ、明日には殺されるのではないかと、本気でおびえるのが、モテの代償です。

「モテる(美しくなる)といいことがある」と盲目的に思い込んでいる人は、そこまで粘着され、たえず男の視線を浴びてきた経験がないんでしょう。

男性の友人や尊敬する上司を失う

「友達として付き合うのはいいけど、恋人としてはちょっと・・」というのは、どこの世界でもよくある話です。

こればかりは仕方ない。

だけども、好きだと告白されて、お断りしたら、今まで通りに付き合えなくなるのが現実です。
相手の気持ちが真剣であればあるほど、ぎくしゃくして、話をするのも難しくなります。
相手も距離を置いて、無視したり、わざと他の女性と付き合ったり、すんなりとは収まりません。

女性に限らず、男性もそうだけど、その人が魅力的であればあるほど、相手の気持ちが恋心に発展する確率は高くなります。

だからといって、双方が同じテンションで恋に落ちることはなく、たいてい、どちらかがお断りする流れになるのではないでしょうか。

そしてまた、相手が独身であればいいけど、中には既婚者が恋に落ちることもあります。

黙っててくれたらいいのに、お酒が入ったり、なんとなく雰囲気がよくなると、ぽろっと口に出してしまう人もありますよね。

そうなると、やはりゲンメツしてしまう。

あの一言さえなければ尊敬できる上司だったのに、「ブルータス、お前もか」の心境です。

そこは大人のなんとやら、割り切ろうとしても、なかなか難しい。まして奥様が職場に出入りするような環境ですと、針のむしろですよ。妻って、ものすごく勘がいいですからね。

そんな感じで、必ずしも魅力的な女性が愛や幸福に恵まれるわけではない。

中には、せっかくの友情や信頼を失うこともありますので、むしろ変に興味を持たれない方が、仕事に、遊びに、楽しめるのではないでしょうか。

モテることは、人を傷つけること

世の中には、多くの男性に愛されると幸せになると信じて憚らない女性もありますが、よほど深く想われた経験がないか、三股、四股も厭わない鈍感なタイプか、どちらかでしょう。あるいは、言い寄ってくるのは一発狙いの男ばかり、振られても、痛くもかゆくもないとか。

モテるということは、多くの男性を傷つけ、悲しませることです。

相手がいい人で、想いが真剣であればあるほど、罪悪感はいつまでも心に残ります。

そういう痛みの部分を考えずに、言い寄った男の数とか、振った回数とか、まして知り合いの間で「あの人に告白された」とか得意げに言いふらす人は、よほどモテないコンプレックスがあるのかもしれません。

本当にモテる人、異性に真剣に愛される人は、しみじみと言います。

「振られた方より、振る方が辛い」

「一人の人だけに愛されたらいい」

単純に数だけみて万歳の人は、モテることに幻想を抱いているか、相手の男性が泣いて悲しむほど恋された経験がないか、どちらかです。

「死ね、ブス」に耐えられるか

どこの世界にも、自分の思う通りにならないと逆恨みする人、自分の欲しいものを持っている人に嫉妬する人、一定数存在します。

中には、振られた腹いせに「死ね、ブス」と言う人もありますし、まったく関わりのない人が「どうして、あんな良い人を振るの」と絡んでくることもあります。あの女はヤリマンだの、誰それと寝ただの、あることないこと、言いふらす人もありますし、誰かが褒めたら「それは表の顔ですよ。あの人はね~」とかネガティブキャンペーンにいそしむ人もありますし。

モテたらハッピーになる、というのは幻想です。

モテた数だけ恨みもかって(男女問わず)、すれ違いざまに「死ね、ブス」と言われるのが人気者の現実です。芸能人でもそうですよね。

「死ね、ブス」と言われたぐらいで落ち込んでいるようでは、とてもモテ女性にはなれません。

「ナイフで刺されないだけまし。悪口で人は殺せない」ぐらいの余裕がないと、現実社会で生きてはいかれないです。

恋愛コンテンツから離れなさい

恋愛系のコンテンツは、お金になるんですよ。

雑誌でも、ネットでも、恋愛ネタをやっておけば、コンスタントに集客できて、しかも中毒性がある。

男性でも、自己啓発セミナーにはまる人があるのと同じ。

すごく納得した気分になって、一瞬でも満たされるんですね。

でもね。

真に向き合うべきは、交際中の彼氏であり、周りの男性です。

「彼氏の気持ちが分からない」といって、占い師に尋ねても、彼氏の代わりに答えてくれるわけじゃないし、恋愛サイトやカリスマ何ちゃらのコラムを読んだって、思う通りに愛されるわけではないです。

占いやコラムで気を紛らわせるヒマがあるなら、彼氏にしっかり自分の気持ちを伝えて、お互い、言いたいことを言い合った方が100倍自信が付きますよ。たとえ、その為に喧嘩別れしたとしても、次からは必ず経験を生かせます。

実際、「彼氏にもっと愛される10の法則」とか「いい女になるメソッド」とか、読んでいる自分を周りの人に誇れますか?

一度や二度は、そういうコンテンツを手に取ったとしても、朝から晩まで恋愛サイトや女性向けのコンテンツにどっぷり浸かって、目の前の男性とがっつり向き合うことなく、自分の悩み苦しみを分かってくれそうな人の話に頷くだけで、現実から逃げ回っている人に、劇的な未来など訪れないと思うんですよ。

男性でも、足繁く自己啓発セミナーに通って、すぐその気になるけど、実際は理屈を並べるだけで何もしない奴とか、「カリスマホストに学ぶ女の口説き方」とか「女を5分でイカせるベッドテクニック」とか、そんな本ばっかり読んでる奴とか、ドン引きでしょう。

女性誌やSNSで、キラキラした女性を見る度に、焦ったり、落ち込んだり、いろいろ不安にかられる気持ちも分かるけど、そういう時こそ、自分のやりたい事、将来に向けての準備などに目を向けた方がいいですよ。

今のご時世、男も、女も、自分が生き延びるのに必死です。

結婚してラクしてるように見えても、経済的な不安を抱えながら、育児や介護、子供の反抗期、心身の疲れなどと必死に闘い、よりよく生きようと頑張ってる人が大半でしょう。

みな、日頃の苦労を顔に出さないだけ。

いつか何か起きても、路頭に迷わないよう、独身時代にやるべき事はたくさんあるはずですよ。

どうせなら、Instagramで見つけた海外のイケメンに、憧れの気持ちを英語でいかに伝えるか、例文集でも眺めてた方が将来の役に立ちそうだし、女性が女性の生き方の指南を説くセミナーに通うより、意識高い系の大卒者が集まる経営セミナーなどに起業する振りして潜り込んだ方が、いい男と出会う確率ははるかに高いのとちゃいます? 

「思い通りの恋をする10のルール」を鵜呑みにして、いい女ぶるより、叶恭子の本でも読んで、「私には到底無理だわ・・」と真顔で言う方が、はるかにキャラ立ちするでしょうしね。

自分の夢や志を追いかければ、男は後から付いてきます。

たとえ付いてこなくても、あなたの手の中には、一生の支えとなる技術や仕事、生き甲斐が残るでしょう。

「モテたら幸せになる」というのは、女性の弱みにつけ込んだ売り文句に過ぎません。

本当の愛は、自分が誰かを心から愛した時、初めて実感するものです。

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