『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』 ~あなたにはラブ・ウィズダムがありますか

独りで不安な時。

恋を失って辛い時。

いつも枕元において、繰り返し読んでいたのが、キャロリン・テムジン&キャロ・ハンドレイ(訳・栗木さつき)の『Love Wisdom(邦題 :恋に揺れるあなたへ 56の処方箋)』でした。

心から愛し合える人とめぐり会い、満ち足りた結婚生活を送ることこそ人生の幸福。そしてその権利は誰もが持っている…。自らの体験を踏まえて、著者がすべての女性にやさしく語りかける愛のアドバイス。

邦題のタイトルは『恋に揺れるあなたへ』とあり、いかにも恋愛指南本のようですが、内容は女性のライフスタイル全般に対する癒しと励ましのメッセージです。

この本で取り上げられている「53の処方箋」のうち、いくつかをピックアップすると、

・信じれば、夢はかなう ――自信や勇気を失ってしまっている人へ
・たくさん話をしよう ―― 自分の気持ちをはっきり伝えられない人へ
・愛や生命の誕生を祝おう ―― 新しい始まりの予感を感じている人へ
・現実を直視する ―― 自分だけの世界にひたっている人へ
・旅の過程を味わおう ―― 新しい一歩を踏み出そうとしている人へ
・男女関係の基本は安らぎにある ―― 暴力をふるわれている人へ
・冷静に考え、家族の理解を得る ―― 結婚を反対されている人へ
・これからは自分に尽くそう ―― 他人のことばかり気にしている人へ
・出口のないトンネルはない ―― 希望をなくしそうな人へ
・癒しの力を信じよう ―― 心に深い傷を負った人へ
・「さよなら」は新しい始まり ―― 恋人と別れようとしている人へ
・大いなる存在を感じよう ―― 人生に行き詰まっている人へ

この本は決して「恋愛だけ」に偏った内容ではないし、「彼氏と上手く行く方法」を示したノウハウでもありません。

恋愛に限らず、仕事、人間関係、漠然とした将来への不安……等々、女性なら誰もが経験するであろう葛藤や苦しみについて、「それはこういう意味だよ」「こんな風に考えてみよう」と語りかける、お姉さまのメッセージなんですね。

この本にとても好感が持てる理由は、著者のキャロリンさんとキャロさんが、どちらもシングルマザーで、「今度こそ結婚生活を成功させ、夫と信頼試合、深く愛し合うこと」「たとえどんなに時間がかかっても、どれほどそれが難しいことであっても、理想の男性を見つけるまでは絶対にあきらめないこと」を誓い合い、二人で支え合い、励まし合いながら、ついに愛情に満ち足りた、幸せな人生を叶えた背景があるからです。

とんとん拍子できた人の「あなたも頑張ったら出来るわよ」という強気な話は、落ち込み、傷ついて、どうしても自分に自信がもてない時は、かえって苦々しく心に響くでしょう。

でも、キャロリンさんとキャロさんのメッセージは、「人生にはそんな時もあるわ。でも、こんな風に抜け出せるわよ」という、凹み系の女性の立場に立った優しい内容なのです。

前書きにはこう書かれています。

誰もが、誠実で、愛情に満ち、官能的で、責任のある一夫一婦制のもとで、お互いを尊敬し合う結婚生活を送るにふさわしい存在であると、私たちは信じています。

それはあなたの権利であると、私たちは信じています。

原題である「Wisdom」の意味するところは、『知恵』。

この本は、いかに賢く自らの望む幸せを叶えるかについて綴った「知恵袋」なんですね。

また、『この本を読むためのヒント』として、

・「イエス」か「ノー」かどちらかの答えを求めるのではなく、アドバイスを求めるような気持ちでページをめくる。
・あなたの気持ちに何らかの変化が起こっても、おそれず心を開き、新しい経験に挑戦する。
・最初に開いたページには、あなたのいま現在の気持ちが書かれています。
・二回目に開いたページには、これから先にあなたが経験する喜びや不安が説明されています。
・三回目に開いたページには、あなたの心の奥底に潜んでいる根本的な問題が書かれています。

私が一番気に入っているのは、「あなたの気持ちに何らかの変化が起こっても、おそれず心を開き、新しい経験に挑戦する」という言葉です。

たとえば、悩みを相談する人は、すでに腹の中に確固たる望みや回答を持っていて、思う通りの答えが返ってこないと逆ギレすることがありますよね。

相談された側にすれば、その人の悪い所も物事の顛末も手に取るように分かるから、「じゃあ、言いますよ」と回答するのですけど、相談した方は、自分でも薄々感じているだけに余計でプライドが傷つけられて、「何も分かっていない」と怒りだすわけです。

ここで書かれている「何らかの変化が起こっても、おそれず心を開き」というのは、たとえ自分で認めたくない現実を突きつけられて激しく動揺したとしても、それについて直ちに反発するのではなく、悲しいなら悲しいままに、傷ついたら傷ついたままに、内から湧き起こる感情を自分自身の真実として受け入れようという意味だと思います。

現実を受け入れ、物事を正しく理解するのは、時として非常に勇気のいることですが、それをやらなければ悩みは永遠に暗黒の螺旋を描き続け、ラクになることなどありません。

でも、この言葉にあるように、新しい事実や体験に対して心を開き、どんな辛い感情とも正面から向き合えば、どれほど深い悩み・落ち込みであっても、きっと抜け出せるのです。

私が一番好きな処方箋は、『信じれば、夢はかなう』でした。

未来はよくなると信じましょう。克服できない困難などないのです。
夢はかなうと信じて下さい。

「信じるものは救われる」の格言どおり、「望みは必ず現実になる」と強く信じることが大切です。
というのも、私たちは強い意志を持ち、自分を信じながら、「絶対にやり通す」と心に決めたことだけを、現実のものとしてかなえていくからです。

寒い冬のあとには、必ず草木が芽吹く春が訪れます。
苦悩のあとには、必ず新しい自己成長が訪れるのです。

たとえば、レストランで料理を注文したあと、調理場をのぞき、料理が作られているかどうかを確かめるような人はいないでしょう。
あなたは、自分のテーブルに料理が運ばれてくると信じており、そして必ず料理は運ばれてくるのです。
同じように、あなたの夢はすでに宇宙のキッチンで用意されており、あとは運ばれてくるのを待っているだけだと想像してください。

夢は必ず現実のものになると信じましょう。

いまはただ、登場するのに適当な頃合いを見計らっているだけなのです。

かといって、この本は、やみくもに「何でも信じましょう」と無責任に言い放っているわけではありません。

たとえば、

ひょっとするとあなたは、自分にとって都合のいいことだけを彼との関係に求めているのかもしれません。
しかし、都合の悪いことはすべて拒否しようとしても、そうはいきません。
すべてのものごとには、良いことと悪いことが含まれています。
なにごとにも一長一短があるのです。
ですから、彼との関係に良いことだけを求めるのは、しょせん無理というものです。

という風に、さりげなく釘を刺している箇所もありますし、

「被害者」になるのはおそろしいことです。
みじめで、みっともないことです。

そして、それには大きな代償がともないます。

被害者の役を演じていると、自分が無力であるように思えてきます。
ところが、現実には自分の能力をすべて自分の中にためこんでいるだけなのです。
被害者の役を演じている人は、傍目には無抵抗で言いなりのように見えるものですが、実際は違うのです。

このような人たちは、責任を負いたくないばかりに、本来自分に備わっている能力を放棄し、他人のエネルギーを奪おうとします。
そして、社会に背を向けるようにして、できるだけ斜めにものごとを見よう、ひねくれたものの見方をしようとして、むだなエネルギーを消費しているのです。

といった鋭い指摘もあります。

この優しさと厳しさの微妙なバランスが、この本の魅力なんですね。

今はいろんな癒し本や恋愛指南の本が出回っていますけど、賢く幸せを掴みたい女性にはこの『ラブ・ウィズダム―恋に揺れるあなたへ56の処方箋』が一番お薦めです。
一章一章が2~3ページぐらいにすっきりとまとめられ、訳も上手です。

興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。

中身はこんな感じ。

恋に揺れるあなたへ 56の処方箋 ラブ・ウィズダム

恋に揺れるあなたへ 56の処方箋 ラブ・ウィズダム

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