『積木くずし』と健やかな家庭

最近、同年代のパパさんからお便りを頂いて、ヤンキー世代の方には非常に懐かしい『積木くずし―親と子の二百日戦争』のお話になりました。

2005年にも再ドラマ化されたので、若いお母さん世代もご存知の方が多いのではないかと思います。

*

『積木くずし ~親と子の200日戦争~』は、80年代の「ツッパリ全盛期」に非行少女となった、俳優・穂積隆信さんの娘さんとの壮絶な日々を綴った自伝で当時、「ヤンキー」と呼ばれる子供の非行に頭を痛めていた親御さんから絶大な支持を得て、人気タレント・高部知子さん主演のTVドラマと共に大ブームとなった本です。

その後、娘さんは更正され、一時は家庭内に平和が戻ったのですが、皮肉にも「教育評論家(?)」としての穂積さんの名前が高まり、多忙を極めるようになると、「お父さんは私をネタにお金儲けしている」と娘さんの反抗心に再び火が付き、今度は覚醒剤事件で逮捕されるなど、その経緯は決して平坦なものではありませんでした。

そして、お嬢さんは、父・穂積氏の離婚や自身の離婚などを経験しながら、35歳の若さで病死されたのですが、その後の穂積さんの手記を読んでいると、やり方こそ激しかったものの、全身で「何か」訴えようとしていた――という印象を受けます。

私は穂積さんの著書を全て読んだわけではないのですが、『積木くずし』というタイトルは好きで、子供が生まれてからは、親子関係というのはまさに「積んでは崩れ」の繰り返しだと思うようになりました。

で、お便りを下さったパパさんにも、そのようなお話をしていたのですが、その方が下さったお返事の中に、

一見きれいだけれど線の細ーい不安定な積み木より、
マグマのように不揃いだけれど頑丈な積み木を築きたいものですね。

という一文がありまして、本当にその通りだなと感じました。

これは今に始まったことではないのですが、、、

「体当たりで家族する!」というよりは、

自分たちが、いかに『幸せな勝ち組』であるか。

仲の良い親子で、出来た母親(父親)であるか。

という事を、周囲にアピールする方に気を取られてしまっているケースも少なくないですよね。

どこの家庭も大なり小なり問題を抱えているのが当たり前で(親子に限らず、夫婦とか、嫁姑とか・・)、「いつもニコニコ・幸せ家族」なんてあるはずがないのに、「周りの人にそう見られたい」「そうでなければならない」という思い込みの方が強くて、本音のぶつかり合いより、きれいに取り繕う方を選んでしまうのでしょう。

あるいは、本音でぶつかり合うのが怖いのかもしれません。

こちらにも興味深い記事があります。

【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(4)衝突避ける家庭

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080207/sty0802070808001-n1.htm

『積木くずし』の大ヒットにより、穂積さんが「教育家」として名を上げた時、「娘には、それらしく、きちんとして欲しい」という父親の得手勝手な願望をいち早く見抜いたのは、他ならぬ娘さん自身でした。

それが娘さんの気持ちをさらに傷つけ、死を早めてしまったことは、何とも皮肉であると同時に、世の親の弱さ・哀しさを感じずにいません。

「家庭」とか「親子関係」って、もっとドタバタした、みっともないものでいいんじゃないか、と思います。

『摩擦が多いのは、関係が深い証拠』――と言いますしね。

途中、何度も崩れてもいいから、「一見きれいだけれど線の細ーい不安定な積み木」ではなく、「マグマのように不揃いだけれど頑丈な積み木」を築きたいものですね。

パパさん、素敵な一文をありがとうございました(^^)