今、リフレッシュに電子貸本Renta!で『女帝』読んでます。
女帝 (1) ニチブンコミック文庫 (WK-01) (文庫)
by 倉科 遼, 和気 一作
価格: 650円 36点の在庫あり 中古価格 1円より
『女帝』と言えば、ネオンストーリーの金字塔。TVドラマ化もされたので、知ってる方も多いでしょう。
信頼していた男友達に裏切られ、たった一人の肉親である母を失い、地元の権力者に虫ケラのように踏みつぶされた女子高生・彩香が、夜の世界を足がかりに「女帝」となって復讐を誓う物語です。
復讐といっても、相手を刃物でブッスリ刺すのではなく、「貧しい飲み屋の娘」とバカにされてきた少女が、身体一つ、頭一つで、どれだけ大きな人間になれるかという人生のチャレンジを描いたもの。
やっぱ、私にとって、この世で一番やり甲斐があるのは人間相手の仕事……看護婦、ウエイトレス、営業販売、カウンセラー等だし、『一流のホステス』というのはその中でも非常に難易度の高い職業だと思う。
なぜなら、彼女らは、お客様を楽しませるエンターティナーであると同時に、経営者であり、指導者であり、本当の意味で頭のいい、賢い女でないと、絶対につとまらないからだ。
そんな訳で、この作品には大いに興味があり、機会があれば是非、と思っていたのだが、あれこれ後回ししているうちにとうとう日本を離れてしまい、ブックオフの本棚に並んでいた全巻セットが今さらのように惜しまれる日々。
かといって、わりと分厚い24冊を海外発送するのも勢いがいるし、「また今度、また今度」と思ううちに今まで来てしまったのだが、最近、電子本として1回100円でレンタル読みできることを知り、Rentaで初体験。
私は徹底して「紙の本」派で、電子書籍パピレスでダウンロード購入できる作品でも、紙の本を日本からお取り寄せするするぐらい電子書籍には抵抗があったので、Rentaにもあまり期待していなかったのだが、これがけっこう面白い。
「今日は3冊で止めとこう」のつもりが一気に読み進んでしまった。
もっとも「マンガ」なので、抵抗なく読めるのかもしれないが。
そうなってくると、気になるのがAmazonのKindle Wireless Reading Device。

今、アメリカを中心に、新世代の電子書籍リーダーとして注目を集めているタブレット型の端末だ。
280グラムの軽量ボディで、どこからでも気に入った電子書籍をダウンロードできる。
紙の本より値段も安くて、一台で1500冊ものデータを保存できることから、世界中の本好きにじわじわと人気が広がりつつある。
「電子書籍なんて・・」と思っていた私も、今度のRenta体験でちょっと見方が変わった。
これで日本の書籍が手軽にダウンロードできるようになったら、高い送料かけて日本からお取り寄せしなくていいんだもんね。
従来の電子書籍に興味がなかったのは、やはりPCでの閲覧は疲れるからだ。
じっとデスクに腰掛けて、ディスプレイのテキストを読むなんて、数分が限界。それも斜め読み。
やはり「本」というのは、ソファにゆったりと腰掛けて、あるいはコタツで寝そべって、好きな音楽を聴きながら、あるいはチップスをつまみながら楽しむもの。
右に転がり、左に転がりしながらページをめくるあの快感に比べたら、PCで読む電子書籍なんて騙されたような気がして、本好きはたとえ値段が安くても、紙の本を選ぶのではないだろうか。
しかし、Kindleのような端末が出てくると、話はまた別。
機能が「電子書籍の閲覧」に限られているため、画面も見やすく、持ち運びもしやすい。
「ページをめくる時に画面が暗転する」などまだまだ問題はあるようだが、それも近いうちに解消されるだろう。
かといって、すべてが電子書籍に移行するかといえば、それだけは絶対にあり得ないだろう。
本と電子書籍は根本的に違う。
電子書籍が「テキスト」だけを拾うピンポイント娯楽としたら、本は、紙の手ざわり、インクの匂い、美しい装丁にずっしりとした本の重み等々、総合的に楽しむ芸術だからだ。
一冊の本との出会いは、まさに映画のような恋愛物語。
ふらりと立ち寄った本屋の、いつもは立ち寄らないコーナーの書架に、ふと見つけた心を惹かれるタイトル。
背表紙の太字フォントが全身全霊で呼びかける。
「読・ん・で!」
そうして手に取り、パラパラっとページをめくってみると、ある一行がドン!と目の中に飛び込み、その場に釘付けになる。
これだ! 私が探し求めていた言葉はまさにこの一行だ!
続きは家に帰ってからのお楽しみ、レジに直行して、チーンとお買い上げ。
その夜は、一生分得したような気がしてなかなか眠れず、あの衝撃の一文が頭の中でグルグル回っている。
これを「恋」と言わずして何という。
本は、存在自体がロマンスで、それを探すこと自体を「読書」といってもいいぐらい。
逆に、電子書籍は、婚活サイトに似ている。
「今売れている本はコレとコレ」「あなたにオススメの本はコチラです」というリストがあって、その中から面白そうなのを選んでみる。
選ぶ基準は「オススメ度」とか「カスタマーレビュー」とかいった「情報」で、本屋でタイトルを見つけた時の「霊感」とはまた異なる。
ゆえに、当たり外れがあって、「購読(紹介料)返せ!」という気分になることも多い。
誰もがPCやケータイを持ち、SNSや婚活サイト、ネットコミュニティが身近な存在になっても、出会いの主流はやはりサークルであり、会社であり、自然な出会いの中に結ばれることを望む人が多いのと同じく、世の流れが電子書籍に傾いたとしても、そうそう本の文化は潰れないし、滅びることもないだろう。
出会い系サイトや婚活サービスがどれほど流行ろうと、人はやはり「運命の出会いとロマンス」を求めるるのと同じで、「テキスト」がどれほど簡単に、どれほど安価で手に入ろうと、総合芸術としての読書が人の世の文化と生活から失われることはないだろう。
そして、キンドルを手にした本好きも、「これは電子書籍。これは紙の本」というように好みに応じて使い分けるにちがいない。
これは既存の文化と新しい技術の生存競争ではなく、読書のスタイルがますます多様化するというだけの話。
それに合わせて細かなサービスを提供できるかどうかで、出版社の未来も変わってくるかも。
ベストセラーがすべてを牽引するようなやり方は、いいかげん終わって欲しいよね。著者の為にも、本好きの為にも。
そんなことを考えながら、キンドルに関する情報を探していたら、こんな楽しい記事を見つけた。
ケータイで「青空文庫」が思いの外気持ち良かった、というのは、私の「電子貸本Renta」と似たような感じなのかしら。
「この体験はやばい!」──まったくもってそうだ。
私も、Rentaのせいで、ちょっと電子書籍を見直したもの。
キンドルが日本語版対応になったら、私も多分買ってしまいそう。
かといって、日本からお取り寄せを止めるだろうか。
それは絶対にあり得ない。
まず寺山修司は電子書籍では買わないし、「白い巨塔」も「華麗なる一族」もあとページが1枚ちぎれたら、新しい本を買い直すと思う。
他にもいっぱいある。これだけは紙じゃないとダメー!というの。
電子書籍で買うのは、10年もしたら人の口にものぼらないような話題の新刊とか、チョコ読みしたい趣味の本あたりかな。
そう考えると、電子書籍は「情報収集」に近いかもしれない。
その点、読書は、その本に出会うまでの経緯や温かい紙の手ざわり、読み込んだ日々を物語るヨレや黄ばみ、五感で味わう総合的な楽しみだ。
「テキスト」にお金を払うのではなく、体験を買い求めるという気がする。
今後、電子書籍が紙の本を圧倒するような流れになっても、出版社には、すでに廃刊となったものでも書籍として販売できるような、オンデマンド・サービスを残しておいて欲しいと思う。
それも読者が自分の好きな装丁を選んだり、短編を一つだけ購入できるような柔軟性のあるサービスを展開してくれたら、意外と需要が見込めるのではないだろうか。
ともあれ、キンドルの躍進にちょっと期待したい今日この頃。
日本の図書館が手の平に収まる日もそう遠くないかもしれない♥

