娘はなぜ父親が気持ち悪いのか

ワタクシ、本職が看護師ですので、性的な用語も医療カルテに書く要領でストレートに書きます。全然抵抗がありません。でも、そういうのが苦手な方は回避して下さい<(_ _)>

娘に陰で「気持ち悪い」と言われ、親子げんかになってしまったお父さんのブログが話題になってましたので、自身の体験も踏まえ、娘の立場から、少々、生々しい意見を書いてみたいと思います。

お父さんの子供を妊娠してしまう! 生物学的叫び

ワタクシ、幼稚園の年長さんから小学校低学年にかけて、『家庭用医学大事典』と『保健と人体の図鑑』を絵本代わりに熟読していました。

そこまで専門用語は理解できませんでしたが、イラスト、図解、写真、などを通して、人間の内臓組織はもちろんのこと、消化、呼吸、循環、分泌、運動、神経など、大要は理解し、自分でもそらで内臓の絵が描けるほどの人体オタクになっていました。(やたら漢字や恐竜に詳しいスーパー幼稚園児と同じ)

その中には『生殖機能』も含まれ、小学校に上がる頃には、「女性の子宮内で卵子と精子が結合し、受精卵が細胞分裂を繰り返しながら子宮壁に着床、胎盤を形成して、四十週目に出産に至る」という仕組みも理解していました。

ただ一点、子供の頭で理解できなかったのが、「いかにして精子が女性の胎内に侵入し、受精に至るか」というメカニズムです。

最初、キスで経口的に侵入すると思い描いてましたが、それなら胃液で消化され、子宮内に到達するのは不可能でしょう。

では、考えられる経路は何か。

空気感染!

男子には『夢精』という現象がある。

即ち、男性が夜眠っている間に、空中に精子が発射され、それが何らかの作用で、いつも一緒に寝ている母親の胎内に侵入するに違いない。(量的、物理的に、一番可能性が高いから)

それが私の考えた妊娠のメカニズムでした。(小学生時代の話です)

それも精子のサイズや運動能力を考えれば、有り得ない考えですが、それしか思い付かなかったのです。

そして、その疑問を14歳まで持ち続けたある日。

初潮が始まり、こう悟りました。

お父さんに近寄ったら、妊娠する

普通に考えたら、ばかばかしいと思いますよね。

でも、私は本気でそれを恐れたのです。

なぜなら、生物的には生殖が可能なことを理屈で知っていたからです。

まして私の中には「空気感染」という独自の理論がありましたから、こうして夕食時に話している間にも、お父さんの精子が飛んできて、自分の身体の中に入るのではないかと恐怖を感じました。

その為に、父親が気持ち悪くて、気持ち悪くて、声を聞くのもイヤで、とにかく距離を置くようにしていたんですね。

それが三ヶ月ぐらい続いた頃でしょうか。

今度は、級友から新たな情報がもたらされました。

学年でも一、二を争う早熟なSちゃんが、『ポップティーン』という少女向けの雑誌を広げながら、セックスについて解説してくれたのです。

それは、男の子の性器を女の子の性器に挿入するという、まさにその『メカニズム』でした。

長年の疑問であった「精子の進入経路」が、ついに目の前で解き明かされたのです!!

それを境に、妊娠の恐怖も消えました ( ´ー`)フゥー

なぜなら、それだけは絶対に父親との間に有り得ないからです。

ただ一つ、「あんなフニャフニャしたものが、どうやって女性器の中に入るのか」という疑問は残り、看護学校の実習中に、よその父親でそれを目視確認するという、哀しい顛末になりましたけども。(これでショックを受ける子も多いんですよ。医療を志した以上、仕方ないですけどね)

*

今でもあの心理は何だったんだろう、と不思議に感じます。

あの「気持ち悪さ」は言葉では言い表せない。

身体の奥深くから危険信号を発するような、恐怖であり、違和感であり、生物的な嫌悪感です。

そして、多くの少女が感じる「父親に対する気持ち悪さ」は、往々にして、性的な要素を含んでいるのではないでしょうか。

私の場合は極端ですけど、年頃になると、年頃になると、友だちの話や雑誌の記事、映画のワンシーンや町中の看板などから、自ずとセックスを知ります。

同時期、性毛や乳房のふくらみ、初潮などを通して、心と身体で『女性』を実感するようになるし、早い子なら性欲も感じて、Sちゃんみたいに既に他校にセフレがいる・・というのも、現代では珍しくないでしょう。

その時に、いままで「父親」でしかなかったものが「」に見える瞬間がある。

両親は「仲のいい友だち」ぐらいにしか思ってなかったのが、子供の知らないところでAVみたいに身体を絡ませて、その結果として自分がこの世にいる、という事実を生々しく実感します。

そうすると、今まで「優しく楽しいお父さん」と思っていたのが、母親の上に乗っかる獣みたいに見えてくる。

自分の母親にあんな事をして「私」を産ませたのか、と、歪な気持ちにもなるでしょう。

特に、そこに至るまでに、父親への不信感や軽蔑の気持ちがあれば、ショックと嫌悪はひとしおだと思います。

また、今の女の子は、中学生にもなれば、自分が男たちの『性の対象』になることを知っています。

父親ぐらいの男が、自分と同じくらいの女の子をお金で買って肉体関係をもち、中学生や高校生を売り物にした性的サービスが世間に広く存在することも知っている。

その流れの中で、「父親に性的対象として見られているのではないか」という疑念も湧きます。

女になり始めた娘の身体や下着を、男の目でジロジロ見て、性的興奮を覚えているのではないかという恐れです。

まして、女子高生アイドルに釘付けになったり、美少女アニメに夢中になっているのを知ってたら、「娘は別」といっても、信じられないですよね。

もしかしたら、私の少女時代よりも、今の女の子の警戒心や違和感はもっと強いかもしれません。

突然、娘に「気持ち悪い」と言われて、立腹するお父さんの気持ちも分かりますけど、それは「人間的に気持ち悪い」ではなく「性的に気持ち悪い」という意味が多分にあると思います。

その性的な部分を無視して、親子愛や精神論で乗り切ろうとしても、決して上手く行かないでしょう。

なぜなら、性的な部分も含めて「我が子」であり、それだけ切り離すのは人格無視に他ならないからです。

どうしても意味が理解できないなら、息子と母親に置き換えて下さい。

よくある話で、母親が父親以外の男性と性交渉をもったり、息子にとって好ましくない相手と再婚して新たな性生活を始めたことを知った時、母親を憎悪する少年がいますよね。母親が一転して「生々しい女」に見えて、汚らわしく感じる心理です。

また一方で、母親に性欲みたいなものを覚えて、それゆえに自分を恥じ、責め、それが転じて母親への怒りに変わることもあります。

この具体例はあまりに生々しいので書きませんけども、中学時代のクラスメートに、その屈折した気持ちが女の子への性的イタズラという形で出てしまった子がいました。家庭の事情を聞けば、なるほど、と思う話です。

自分の親に『異性』を感じたくない、というのは、娘も息子も共通だと思います。

自身に置き換えれば、なんとなく理解できる点もあるのではないでしょうか。

*

そうした嫌悪感を覚えつつも、父親の中に、男らしい知性や優しさ、頼もしさが見えれば、少し遠回りしながらも、「健全な男性観」に結実すると思います。

また、少女が性的なものに抵抗を覚えても、素敵な彼氏ができて、デートの時に優しく髪を撫でてもらったり、首筋に触れられてドキドキしたり、男性の「愛情を伴う性行為」を徐々に体験することで、幸せに昇華することもできます。

逆に、その過程で、父親に幻滅し、男性の性行為にも暴力や利己性しか感じなければ、男性を見る目も失われ、不幸な結婚などに繋がっていきます。

娘に「気持ち悪い」と言われても、そこはどうか大人の度量で受け止めて、いっそう賢く、頼もしい男親の姿を見せてはいかがでしょうか。

変にぺこぺこして、機嫌取りに走るより、

・世界のニュースを分かりやすく解説することができる。

・芸能人のスキャンダルにも、流行のアニメにも、一見識もって、娘が「ほぅー」と感心するような意見を述べることができる

・家の修理や力仕事を難なくこなす

・妻=お母さんには紳士のごとく

・町内の人気者。

・周りに自慢できる趣味や特技がある

堂々たる姿を見せた方が、父権の回復は早いと思いますヨ。

まあ、一時期ですから。それも楽しい思い出になることを願っています。

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阿月まり

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