先日、かかりつけのT市立病院に行ったら、再診受付のコンピューターの前で、おじいちゃんが診察券を入れたり、出したり手間取っていた。
「カードが逆さまですよ」
と、正しい向きにカードを入れ直してあげたら、
「いやあ~、すいませんなあ。目が悪いもんで。眼科の再診、お願いしますわ~」
便利なコンピューターも、目の不自由なおじいちゃんには厳しかろう。
再診受付画面で、到着確認ボタンを押し、コンピューターから出てきた受付票と診察カードを渡してあげたら、
後ろにいたおばあちゃんも、
「すんません。私も眼科の再診、お願いできますやろか。目が悪うて、見えまへんのや」
おばあちゃんから診察カードを受け取り、何度もコンピューターに差し込んだが、【保険証確認が必要です】というメッセージしか出てこない。
結局、おばあちゃんをクラーク・カウンターまで案内することになった。
(ああ、もう! 今日は患者で来てるのに! な~んで職場外でまで、看護婦せにゃならんのだ?!)
と、溜め息つきながら、整形外来へ――。
そうして、いつものように座骨神経にブロックして
→ 足の神経節に麻酔薬とステロイドを注入する処置ね
会計を済ませて帰ろうとしたら、麻酔が効き過ぎて右足が動かない!!
ロビーを見渡せど、医療スタッフの姿はないし、事務員さんもまるで気がついてくれない。
ソファにうずくまったまま、途方に暮れていたら、前に座っていたおばちゃんが、ふいと振り向き、
「どうしたの? どこにブロックしたの?……ああ、アタシも前に同じようになったことがあるよ。診察券、貸してごらん。看護婦さん、呼んできてあげるから」
と、遠い整形外来まで看護婦さんを呼びに行ってくれた。
世の中って、そういうものなんだ。
自分の行いは、巡り巡って、また自分の所に帰ってくるのだヨ。
いろいろ考えさせられた外来受診でした。
初稿:1999年


