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私は、1+1=2だとずっと思ってたし、またそれが当たり前 だと教えられてきた。
だから何事も「1+1=2」という定規でしか物事を測れなかった。
しかし1+1=2ではない。
「2」かもしれないが、「2」である必要はどこにもないし、「3」でも「9.9」でも誤りではない。
肝心なのは、「正しい」「正しくない」というジャッジではなく、
「1+1=3」も、「1+1=9.9」も等しく存在することを認め、受け入れることだ。
「3」であっても「9.9」であっても、同じこの世の事象として ありのままに見つめ、受け入れることだ。
この単純なトリックに今の今まで囚われていたバカな私。
1+1=2だと思い込む事によって、どれだけ多くのものを見失い、 フィールドを狭めてきたことか。
『人間は自分で作った観念に縛られるのが好きである』とは宇野千代さまの言葉だが、「1+1=2」のトリックはまさにその代表。
「1+1=2ではない。3もあれば9.9もある」
これを認識するかしないかで、選択の幅は大きく違ってくるし、世界観もガラリと変わる。
人間も世界も運命も多様な側面をもち、一つの定規ではとうてい推 し量れぬほど「奇」なものと知れば、世の中から「訳の分からないもの」「理解できぬもの」など無くなるし、全ての事象を「ありのまま」に見られるようになるだろう。
1+1=3であっても、それもまた己の現実として受容し、常では 無い世界の中で遊ぶ事ができるのだ。
「1+1=2」と思えば――「2」が全て、「2」が正しい――と 思い込めば、「3」も「9.9」もたちまち意味を無くしてしまう。それ以外のものを見つめたり、受け入れたりすることが出来なくなってしまう。
そして、人はたいてい、自分の作った「1+1=2」の公式の中で もがき苦しんでいるものだ。
初稿:99/10/12 メールマガジン 【 Clair de Lune 】 より