Notes of Life

宇野千代さまと語る

1999年10月12日

最近、宇野千代さまに凝っている。

自分も95歳になった時、こういう文章が書けたらどんなに素敵 だろうと思う。

千代さまが今の私の心境を聞いたら、『ホッホッホッ』とお笑い になるだろうな。

人間、やはり一生に4,5回は結婚するぐらいの気概をもたねばならん。
ウンウン。

それにつけても幸せなのは、自分が生まれるより先に、こういう 正直な生き方をした人が、その生き様をちゃあんと文章に残してくれているということだ。

今よりももっと世間の目が厳しい時代に、よくもまあこれだけ素 直にお生きになったものと思う。

人はその生き様を見、書かれた文章を読んで、「まあ、リッパな 方」「素敵なこと」と褒めそやすが、生きている本人は必死である。
言葉に表れるのはあくまで純化され、磨きぬかれた一部であって、 水面下には言葉にもならぬ苦悶や葛藤が渦巻いているものだ。

どこかで人は他人の苦しみを糧にしている。

他人の修羅のような人生を、書物として読みはしても、実際に経験しようとは思わない。

ある意味、「傍観者」だからこそ、“リッパ”“素敵”と素 直に褒めそやせるのかもしれないが……。

なにはともあれ、千代さまに感謝。

水面下のドタバタを決して表に滲ませないのが生き上手、幸せ上手と教えてくれる。

初稿:99/10/12 メールマガジン 【 Clair de Lune 】 より 

アイテム

自伝となると、自分を上等に見せたがる人も多いけど、宇野さんの自伝は「ありのまま」。
飾らず、気取らず、を地で行く人です。

宇野先生の情熱的な生き様が感じ取れるアンソロジー集。

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