オルフ作曲『カルミナ・ブラーナ』 / Fortuna Imperatrix Mundi -おお運命の女神よ

当サイトで人気の高い「カルミナ・ブラーナ」。
たくさんの方が検索されていますので、歌詞付きの動画と、マニアの中では人気の高いオイゲン・ヨッフム盤の情報を追加しました。
「カルミナ・ブラーナ」は私も大好きな曲です。
特に、運命の非情さを描いた歌詞、「運命、世界の王妃よ」は、何度読み返しても胸に迫るものがあります。
クラシックに興味のない方でも、一度は聴いて頂きたい名曲です。
冒頭とクライマックスで高らかに歌われる「運命、世界の王妃よ - Fortuna Imperatrix Mundi -」は、世界中のいろんな作品のイメージ・ソングとして使われていますので(特にアクション映画)、きっとどこかで耳にした覚えがあるはずですよ。


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「カルミナ・ブラーナ」は、バイエルンにあるベネディクト会のボイレン修道院(Benediktbeuern)で発見された詩歌集で、世俗カンタータとも呼ばれています。
ここで紹介するFortuna Imperatrix Mundi は、曲の冒頭と最終章で高らかに歌われます。


-Fortuna Imperatrix Mundi-
全世界の支配者なる運命の女神

おお 運命の女神よ

まるで月とそっくりに
いつも姿態が変わりやすく
しょっちゅう大きくなってみたり
あるいは小さくなったりする

まったく呪わしいこの人生は
意地悪な目つきをすると思えば
今度はまた愛想よくして見せる

ふざけた気持ちで
時には窮乏を 時には権力を
氷のようにかき消してみせる

恐ろしく非情に
しかも何の実もない (空しい)運よ
お前はぐるぐる回る車輪みたいに怪しからん 悪性のものだ

その安心とて あてにできずすぐに潰え去ってしまう。

今はすっかり影に隠れ暗い姿で
私のところへも掛かってくるのだ

それでもうお前の非道な戯れのため
私は現在 背中を蔽う衣さえ失くなってしまった。

心身の安全さと徳性との運も今は
私を見捨て去った

しょっちゅうそれは情欲と不足との
隷従に陥ってしまう

さらばこの時に当たり
一刻の猶予も無く
脈打つ心にお触りなさい

時運によって強い者までとり挫いだ

それを私と一緒に
皆さんも嘆いてください!

【Vanitas Still Life】 ピーター・クラエシュ Peter Claesz

この絵はまたの名を『Memento mori(死を忘れるな)』。
「死」を意識することによって、「生」への思いを深めよ、という意味があります。

これは、Fortuna Imperatrix Mundi』に続く『Fortune Plango Vulnera』。


Fortune Plango Vulnera

運命の女神の(与えた)傷手を
涙のこぼれる眼もて私は嘆く
またもや私に背いて冷たい仕打ちに出ることを
まったく本で読んだのは本当だった

運命の女神の額には髪があるけれど
大抵はそれにつづく機会というのは禿だということ

運命の女神の玉座に 私は得意になって座っていた
栄華のいろとりどりな 花の冠を頭につけて

すなわち以前 幸せよく栄えていただけ
今はまったく落ちぶれ果てて
栄光も奪われ去った

運命の女神の車の輪はめぐって行く

卑しめられて私のほうが降って行けば
他の人が高いところへ引き上げられる。

あまりにも有頂天になって
頂上の座に王として座する者こそ
墜落に心するがいい

なぜとなら
車輪の下にはヘクバの名が読めるのだ
(滅ぼされたトロイア女王)

CARMINA BURANA
作曲 ORFF(オルフ)
呉 茂一 訳

この歌詞に関連するコラム カルミナ・ブラーナ ~『運命』とは

§ 関連アイテム

【Amazon.comより】
日本のアマチュア合唱団の雄「晋友会」が,小沢の熱い指揮のもと、ベルリンで大仕事をやりとげた。
ときにはオケをもしのぐかと思う合唱の表現力。歌うことの感動をストレートに声にする…アマチュアならではの良さだ。
カルミナのベストに推せる1枚。

【Amazonレビューより】
比較のつもりで久し振りに聴いてみた、以前から所有しているこのヨッフム指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団盤の方が、我が小澤盤より、どう聴いても、明らかに出来が良いのだ。そこで、急遽、予定変更、このヨッフム盤の方のレビューを書く破目になってしまったというわけなのである。
ヨッフム盤と小澤盤は、出だしの合唱の処理からして、全く異なっている。小澤盤が音をレガート気味に延ばしてくるのに対し、ヨッフム盤は、音を一音一音、明確に区切って発音させているのだ。この辺までは、合唱指揮者の範囲なのかもしれず、また、どちらが良いという問題でもないのだが、ヨッフム盤は、原始的で野性味に溢れており、小澤盤より全体で4分7秒も速く、荒々しく駆け抜けるようなドライブ感は、この曲の持つ魅力を余すところなく表現しており、やはり、この曲を代表する決定的名盤の評価にたがわぬ快演と認めざるを得ないのだ。
ちなみに、ヨッフムは、この1967年10月の演奏当時、まだ、64歳。私にとって、ヨッフムは、朴訥とした風貌同様、晩年のブルックナーの交響曲での、質朴とした演奏をする指揮者というイメージが強かったのだが、この「カルミナ・ブラーナ」でのエネルギーに満ち溢れた熱い演奏を耳にすると、「ヨッフムは、こんな演奏もするのか!」と、新鮮な驚きを禁じ得ない。 

§ おまけ

多分、皆さんはこれもお好きなんじゃないかと思います。

今やアクション映画やドキュメンタリー番組の定番ですね。

最近ではオタクアニメの『エヴァゲリオン』でも使われて、そのオリジナル・サウンドトラックと思い込んでいる人もあるのではないでしょうか。

正解は、ヴェルディの『レクイエム』怒りの日です。

こちらはよりパッショネイトで、底から噴き上げるような感じです。

歌詞は、下記サイトを参照のこと。
「レクイエム(死者の為のミサ曲)」より 「Dies irae(怒りの日)」

とりあえず上記の2曲が欲しいなら、このCDがおすすめ。
「カルミナ・ブラーナ~おお,幸運の女神よ(オルフ) 」「レクイエム~怒りの日(ヴェルディ) 」「ラプソディ・イン・ブルー(ガーシュウィン)」「ボレロ(ラヴェル)」「シェエラザード(リムスキー=コルサコフ) 」「誰も寝てはならぬ*トゥーランドット」といった人気の名曲が収録されています。

この系列が好きなら、怒りの日大全集CDがおすすめ。

1. レクイエムK.626~怒りの日(モーツァルト)
2. 同~同(ヴェルディ)
3. 同op.89~同(ドヴォルザーク)
4. 同op.5~同(ベルリオーズ)
5. パガニーニの主題による狂詩曲op.43~第7変奏-第10変奏(ラフマニノフ)
6. 死の舞踏S.126(リスト)
7. 交響詩「死の舞踏」op.40(サン=サーンス)
8. 幻想交響曲op.14~第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」(ベルリオーズ)
9. グレゴリアン・チャント~怒りの日(第1旋法)
10. ソレーム修道院の鐘の音

このCDは私の妹が持っていたのですが、最後の「ソレームの鐘の音」が異様にコワイと言ってました。
一時期、マーケットプレイスで8000円代で売ってました。……溜め息です。

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