人がもし『天国』を感じるとしたら、それはどんな風に心に映えるだろう。
私にとっては、ケンブリッジの聖堂がそうだった。
それまでも何度かカトリックの教会を訪れたことはあったけど、あれほど身の引き締まるような厳粛さを感じた空間も初めてだった。
まるでピンと張り詰めたような空気と光の透明感。
ふと見上げると、天まで突き抜けるような青空が広がり、何かが未来を祝福しているような悦ばしい光にあふれる。
その時、耳に聞こえてきたのが、ボーイズ・エア・クワイアの『Sleepsong』。
私がこの世で最も美しい音楽と思っている中の一つである。
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初めて出会ったのは大阪の図書館。
紙のジャケットに入ったそのCDは、暇つぶしのつもりだった。
blue bird (CD)
by ボーイズ・エアー・クワイア
価格: 2,685円 27点の在庫あり 中古価格 189円より
家に持ち帰って、プレイヤーにかけてみてびっくり。
天使の声かと思った。
まさに天上の音楽と呼ぶにふさわしい美しい旋律に陶然となった。
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通に言わせれば、エコーばりばりの音作りで、正当派少年合唱団(たとえばウィーン少年合唱団)とは似て非なるものというご意見だが、この美しさは本物でしょう。
天国を感じたい時、このCDを聞くと、天使の影を感じます。
本当に呼ぶんです。
そういえば、イギリスの小さな田舎町を訪れた時、ふと立ち寄った聖堂で少年合唱団のコンサートがあったのですが、音響設備も何もない石造りの聖堂に、彼らの歌声はそれはそれは美しく響き渡ったものでした。
まるで歌の波動が天井を突き抜け、町中を祝福の光で包むかのようでした。
昔──スピーカーもマイクロホンも何も無かった時代、バッハもモーツアルトもヴェルディも、こうした聖堂の響きを熟知していたのでしょうね。
コンサートホールで聞くレクイエムも壮大だけど、昔ながらのカトリックの聖堂で聞く聖歌は美しさもひとしお。
昔の人は、石造りの音響というものを本当によく考えて、教会を設計したものだと思います。

